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最高で最後の恋  作者: 佑里
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ギルド

 職場で会うと、彼は睡眠もそこそこなはずなのに明るくふるまっていて痛々しかった。「泣いたの?」

「いや、それが涙なんかでなくてね」

 眠たいっすねと笑った。また、夜に電話するからと言うと、お願いしますと頭を下げた。眠たかったら寝ていてねと言うと

「寝れるわけないじゃないですか」

 と、表情を固くした。

 仕事を終えて帰宅して、一通り用事を済ませて電話した。

 指輪してるのを見た時はいけるっておもったんすよねと彼はつぶやいた。食事も夜景も本当に楽しんでくれてたし、帰り際には今日は楽しかったよ、ありがとうっていうんすよと続けた。

 ひどいなと思った。別れを心に決めて、どうしてそんな非常識なことができる。彼の心をもてあそんでいるかのように思えた。

 そんなつもりで来たならどうして指輪してきたのか聞いたのかと問うと

「ああ、聞けなかったなあ。そんなこと聞いたら小さいやつって思われそうでね」

 車の中で別れを告げられた時、ギルドって曲がカーステレオから流れてて、その間ずっと彼女を抱きしめてたんですけどねと言って

「あれ、うっとうしかったかなあ」

 と、笑った。かもしれないねと答えると、やっぱりかとまた、笑った。切なかった。

 もうその女の子はやめた方がいいよと言いたかったが、彼は一つため息をついて

「あきらめませんよ」

 声のトーンが違っていた。



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