36/87
歴史
悩ませてごめん
いつまでも待ってる
返信しましたよーと夜中に電話で報告があった。彼の声は仕事中と変わらず、なぜかハイテンションだった。まるで現実逃避しているかのように、辛い事象から目を背けているようにさえ思えた。
ほんとに好きなんだねと言うと、彼は出会いから今までのエピソードを語った。すべてが素敵なエピソードだった。彼女が羨ましかった。こんなに愛されて、こんなに大切にされて、こんなに今でも想われて。どうしようもないジレンマと戦いながら、彼の話しにうなずき、相づちをいれていた。
彼女と初めての旅行、誕生日パーティー、プレゼント、聞けば聞くほど彼の愛情の深さに驚き、そんなことをしてもらったことなどないなあと卑下してしまう。単なる嫉妬心だけではない。自分のくだらない人生と重ね合わせて悲しくなった。こんなに素敵な生き方をしている人もいるのに、どうして私の人生はしょうもないんだろう。もう彼が一番にしか思えなかった。そしてその彼を泣かせている彼女が憎たらしくてたまらなかった。




