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最高で最後の恋  作者: 佑里
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 彼は珍しく定時に帰宅した。他の職員と後ろ姿を見送り、LINEにいれた。


 あなたが後悔のないようにしてほしいです


 LINEのラリーは続いた。食欲もないという。どうしてこんなふうになったのか、わからないという。彼は混乱していた。今日は連絡しないの?と入れたところで、電話が入った。もう夜中だった。


「考えさせてほしいっていうから、今日は連絡しないっすよ」


 それから昨日なにがあったのか、彼はポツポツと話した。何事もない普通のデートのあと別れ話を切り出されたこと、彼女は今は気持ちがまとまっていなくて白か黒かつけられないと言われたこと。グレーゾーンだと。


「そこでね、グレーゾーンってどういうこと?って言ってしまったんすよ

 キープってことなのかと思ってね」


 その言葉を彼は後悔していた。慰める言葉を探しながら私は、彼の心に寄り添うことに努めた。


「でもね、情で付き合われるのも嫌でしょ」

「情って使い方間違えてるよ」


 私の強い口調に彼は戸惑った。


「情ってね、絆だよ」


 彼はそこから泣き出した。携帯電話の向こう側の彼の泣きじゃくる声を聞きながら切なくなった。どれほど彼女を大切に思っているか泣きながら語った。愛おしさが抑えられなかった。

 今できることをやろうと、彼を励ました。今から彼女に電話してみたらと勧めた。彼はかけたけれど、彼女は電話には出なかった。もう彼女も寝たのかなとミエミエの慰めに彼は鼻をすすりながら、笑った。


「なんか肩の上の重いものが、とれました。

 泣いたけど、これって前向きな涙です。

 ありがとうございます」


彼が癒されるまで寄り添い続けようと私は決めた。



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