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最高で最後の恋  作者: 佑里
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前泊

 彼への想いは消えなかった。諦めよう、最初からなかったことにしよう、どんなに希望しても願ってもどうにもならないことは自分が一番わかっている。彼にとって私は女ではないのだ。馬鹿げた妄想はやめよう、何度も振り切ろうと努力したが無理だった。退職の日は近づいている。辞めたら、忘れられる。辞めたら、会えなくなる。まだ離れたくない。堂々巡りだった。

 私には家族がいるのに。家族とは仲がいいとはいえない、だからといって家族は捨てられない。なにより、彼は私に家族を捨てて欲しいなど全く思っていない。そんなことは悩むより前の事だ。付き合っているわけでもない。ただの片想い。わかっている。実るはずもない、願うことさえおかしい片想いなのだ。どうしたらいい。混乱の中で日々過ごしていた。

 夫と出かけているときだった。彼からのLINEが入った。


 明日、彼女の誕生日なんで今から前泊してきまーす


 固まった。


 ビシッとかっこ良くお祝いしてあげて


 返信した。血の気がひいた。

 どうして、こんなことまで私にいうのかなあ。立ちくらみがした。


 もちろん!花束も用意してもう完璧すよ!


 言葉がなかった。ズタボロだと思った。

 離れよう、このまま側にいられない。この先もし彼の笑顔にほだされて、職場に残りたいとか思うことがあればこのLINEを見直そう。そうすれば、そんな気持ちは失せるはずだ。

 彼は私の気持ちは知らない、知るはずもない。伝えるつもりもない。おかしいから。これからデートすることを私に伝えてきた。彼になんの罪もない。私が間違えているだけだ。



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