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サイゼリヤ
今日は始めから夜まで出掛けるつもりで、家族の夕飯は用意して出てきた。平日の通勤渋滞に巻き込まれながら彼は言った。
「旦那さん、晩御飯は大丈夫なんすか」
平気だよと答えて、旦那さんと言われたことと夫のことを気にしているのかと複雑な気分になった。
低価格のファミリーレストランで、テーブルがいっぱいになるくらい注文した。全部食べてよと言うと、任せてくださいよと嬉しそうに笑った。でも結局春キャベツのペペロンチーノは箸をつけることなく、残してしまった。
彼の誕生日の話しになった。彼女と二人で過ごしたと照れもせず、その日の様子を話してくれた。肉じゃがが美味しかったと目を細めた。プレゼントは靴下でしたと笑った。本当に彼女が好きなんだなと、実感した。胸の奥が痛くなった。
楽しい時間が経つのは早い。夜の九時を回っていた。また来た道を戻り彼は私をコンビニで降ろした。お疲れ様、今日はありがとうと声をかけて彼の車の後ろ姿を見送った。
待ち合わせをした時間から今この瞬間までを抱きしめたいくらい愛おしかった。
家に戻ると、家族は夕飯も済ませてテレビを見ていた。夫は私の様子を伺うこともなく、背中しか見せなかった。




