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運転
目的地はかなり遠かった。それもヘアピンカーブと急な登り坂の連続だった。無理をさせているようで何度もごめんねと言ったが、彼は気にも留めず運転好きですからねと笑い返した。
目的地の風景は谷あいの田舎だった。森林浴というほどの森もなく、季節外れのせいか人混みもなく閑散としていた。せせらぎを見つけて、車から降りて川面を二人で見つめていた。水車小屋を見学して彼は言った。
「ガソリン入れて、ボチボチ戻りましょうか」
さみしかった。もう少しここにいたい。でもわがままは言えない。
「うん」
平気なふりをして、車に戻った。ガソリンスタンドには二人の女性が応対してくれた。この人達から私達はどんな風に見えるんだろう、親子?それとも?
帰りの車の中で、彼女がこの春から一人暮らしをしていることを聞かされた。忙しい中、会いに行くんだねと言うと彼は、まあねとはにかんだ。悔しかったけれど、顔色は変えなかった。
彼と尽きない話しをしながら、迎えにきてくれたコンビニに着いた。夕食にはかなり早い時間だったけれど、このまま離れたくなくて誘った。快く、いいっすね、どこ行きます?と彼は又車を走り出した。




