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最高で最後の恋  作者: 佑里
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ドライブ

 六月はじめ、なぜだかその日私は大胆だった。二人で業務に当たっていた時、彼は明日は休みだと言った。用事あるの?と聞くと無いと答えた。私も休みだから、出掛ける?と軽く言ってみた。

「いいっすよ」

 思っていなかった答えだった。その後、詳細はLINEで済ませた。この頃のLINEのやり取りはまるで、恋人同志だった。


 メガネかけると、かわいいよね


 しってますよー、かわいいこと。

 かわいがってくださいよー


 もしかして、彼女となにかあったのかと勘ぐった。

 翌日、朝からファッションショーのように服を着替えた。どれも彼の隣にはふさわしくない。若く見えるように、無理のないように、いたくないように。結局ジーンズを履いて白いTシャツにした。

さすがに家の前まで迎えに来てもらうわけにはいかず、近くのコンビニの駐車場で待ち合わせた。ペットボトルのお茶を2本用意して私は車に乗り込んだ。

「どこ、お連れしましょう」

「どこでもいいよ」

「前、行ってみたいって言ってたとこ、いきましょか?ほら映画のロケ地の」

「え、いいの?」

「いいっすよ」

 ロケ地に連れて行ってくれることも嬉しかったが、かなり前に一度行ってみたいと話していたことを覚えていてくれたことに私は感激してしまった。

 あっという間に、iPhoneにナビをいれて車に取り付けると私を乗せて車は走り出した。

 六月とは思えないくらい、天気が良くて日差しが強かった。車の窓から心地よく風が入って、これ以上ないくらいの幸福感に浸った。運転中、彼と話しは弾んだ。それまで聞いたこともないエピソードにふたりで笑った。

 道中、彼の出身大学のそばを通った。大学時代の話で盛り上がり、失敗談や武勇伝を聞きながら自分の中で彼に対する恋心を再認識していた。夫も家庭も、どうでもよくなっていた。

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