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日焼け
少し日焼けした顔で、彼は困ったようにはにかんだ。私と沖縄の話しで盛り上がりたかったのだろう、でも聞きたくなかった。楽しんできたのなら、それでいい。でも私の耳にはいれないで。表情を隠しながら、日本海派なのよとごまかした。彼は歩調の遅くなった私を待って、切り出した。
「三月いっぱいで、辞めるんすか」
気にしてたのかと思うと、嬉しかった。まだ交渉中よと答えた。そのまま上司に四月まで在籍したいと伝えた。もう少しもう少しそばにいたい、そんな思いが勝ってしまった。
家に帰る。鏡を見る。そこには中年のおばさんの顔がある。目の下にはタルミが目立ってハリもなく、しみやシワは化粧では隠せない。見たこともない彼女のスベスベの肌を浮かべて、ため息をつく。なのに、諦めきれない。全身を鏡に写す。痩せて中年太りこそしていないものの、ナイスバディとは言い難い。
彼のうっすら日焼けした肌とは、比べようがない。叶わない片想いなのだ。わかりきっているのに、あきらめきれなかった。




