表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最高で最後の恋  作者: 佑里
PR
13/87

決断

 電話をくれなかった次の日、彼は何事もなかったかのように挨拶してきた。私は複雑な思いで笑い返した。どうして、電話くれなかったの?せめて、すみませんとか言えないの?多くを求めすぎた結果だ。もうこれ以上はここにいられない。パワーハラスメントは限界だし、彼からもなんとも思われていない。ならもう辞めよう。退職を願い出た。認められた。

 そのあとだった。彼と話した。


 めちゃくちゃ忙しくて、電話できなかったんすよ、覚えてたんですけどね


 退職を伝えた。


 マジすか?


 彼の表情は曇った。いつですか?と続けた。

 今週末か、今月末かなと言うとますます表情は悲しげになった。

 辞める決意を後悔した。 三月末、彼は連休を取って彼女と旅行に出掛けた。この期間は最悪だった。美しい海と、隣に微笑む彼女を想像しては頭を振った。私も、もうこんな年なのだから旅行で何をしているか予想できる。


 ナワオキ、行くんすよー


 嬉しそうに話した彼の顔を思い出すたびに又頭を振った。

 自問自答する。だから、どうなる?いまさらでしょう、あんなに楽しそうに言ってた。なにをどうしたい?あんたには、夫も家族もいるでしょう。胸の中が煮えるように、おかしくなった。吐き気がする。全身の血の気が引くように、そして両手両足がしびれてきた。

 立っているのも辛かった。彼女とさんざん楽しんできた彼に会いたくなかった。もう戻ってこなければいいとさえ思ってしまった。

 連休明けて、少し日焼けして帰ってきた。仕事中もたびたび彼は言う。


 沖縄よかったー、戻りたいなあ


 そりゃそうだろう、裸の彼女がとなりにずっといるんだから。私はぶっきらぼうに答えた。


 行けばー?もう帰ってこなくていいよ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ