表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
御神先生の秘蔵っ子─世界編  作者: 蒼良美月
第二楽章 誘惑の旋律

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
18/74

18.結集(1)

 日本公演まで残り一ヶ月を遂に切った今日、ドイツフィルのメンバーが合流の為、日本に到着する。


 主催であるMカンパニーのマネージャーである佐々木さんと、ユーリさんと高科先生が空港まで迎えに行っている。


 夜、来日歓迎会含め正式発表の為の記者会見が行われる予定だった。

 その際に、先生から言われていることがあった。


 先生が守ると言った約束。


「何を聞かれても一切答えるな。全ては俺に任せろ」と。


 これから自由に先生と歩けなくなるのかなあ……

 ちょっとだけそれに悲しくなった。


 先生は朝から色々な人の所に、お父様に連れられて挨拶周りに行っている。


 ぼんやりと練習場の外を見ていたら、白井さん達アカデミーの人達がやって来た。


「桜井さん、どうする? 会場へは一緒に私達と行く? 御神先生と一緒に?」


「あー、一人でタクシーで行こうと思っていたんです。ではお言葉に甘えてご一緒しても?」


 ちょっとこういうのが嬉しかった。どうしても先生と一緒だと、周りが気をつかって私に直接話しかけて来なかったからだ。


 由紀様もだけど、私の周りって先生の関係者? ばかりになっていたし、こうして同年代の同じ立場の人ってちょっと嬉しかった。


 互いに連絡先を交換し、緩やかな時間を過ごす。


「そろそろ、ヘアメイクをしましょうか? 恭子さん」

「そうね? 先に桜井さんからどうぞ」


「有難うございます! 助かりますぅ~~」


 本当に良い人ばかりだ!!


「いえいえ私達も、桜井さんには何かと助かってますから……」


 皆さんが苦笑いする。


 ()()のことですね……

 ホントスイマセン……


 たまにキレると手がつけられなくなるんです……

 狂犬なんで……


 先生ってクールなイメージあるけど、絶対短気だと思う。

 説明とかしないし、細かい配慮とかないし。

 自分勝手だし。

 怒ると怖いし。


 あれ? 

 悪口ばかりだ!


 でも、やっぱり先生が一番大好き。


 ヘアメイクをして貰い、着替えの為一旦皆さんと別れた。






 ◇





 今日の為に先生が用意してくれたドレスに着替える。

 今回は真っ赤のドレスだけれど、これめっちゃスリット深い……


 先生こういうの好きなのかしら……

 以前私の誕生日の時に用意してくれた大人っぽいドレスより、今回のはもっと身体にピッタリとした大人ぽいデザインだった。


 しかも、スリット深っ!

 背中めっちゃ開いてるし……


 16時に皆さんと教室で待ち合わせしていた。

 もうそろそろ皆来るころかしら?

 遅れてはいけないと思い少し早めにマンションを出た。


 ──ガチャ



「ワオっ! レディサクライ! ベリーキュートね」


「ユーリさん? あれ? 皆は?」


「あータカシナとササキチャンがホテルまで付いて行ったから帰って来ちゃった。夕方まで用事ないし」


 ユーリさんのスーツ姿、生で見たの初めてだけど、ある意味卑怯よね。

 先生とは違う意味のイケメンだわ。


「ん? 惚れ直した?」


「何でそうなるんですか!!」


「しっかしタカシってよく分からないね」


「え?」


 ユーリさんが上から下まで私をじっくり舐めるように見ながら首を傾げる。

 それはどういう意味ですかね?

 似合ってないってことでしょうか?


 分かってますよ……

 ドレスに負けてるってことぐらい……


「俺だったら絶対イヤだけどね。自分の彼女がこんなセクシーな服着てるの」


「え?」


 そう言えば先生って、私に服買ってくれる時って、大抵ミニスカートよねえ? 最終的に。

 ロングスカートとか、パンツとかを一緒に見た記憶が? ないかも?


 単なる趣味なのかしら?

 今度聞いて見よっと!





 ◇




 白井さん達とタクシーを分けて会場へ向かった。

 何でユーリさんが隣なのよ……


「お手をどうぞ、レディ」


 ユーリさんが手を差出す。

 流石にこの状況で断るわけにもいかず、しかたなく彼のエスコートに手を重ねた。


 無意識に先生の姿を探してしまう。


 いや、別に悪いことはしてませんよ?

 とは思ったけれど、これ逆に先生が誰か他の女性にしたら私、許せないかも! と思い、会場に入る時に手を離した。


「タカシに怒られる?」


 ユーリさんがニヤニヤ笑った。


「先生が良いもーん」


 でも有難う。ユーリさん。

 何だかんだで、こうして気遣ってくれる彼に感謝していた。



「天野先生!」


 天野先生を見つけて、急いで走ろうとしたが、ユーリさんに止められた。


「レディ。タカシに怒られちゃうよ?」


「……スイマセン」


 天野先生が私達に気づいてくれて此方に来てくれた。


 天野せんせ? ジロジロ見ないで貰えますか?


「これって御神先生チョイスだよね?」


「似合ってないですか? やっぱり……」


「いや、そういうのではなく……」


 天野先生も首を傾げた。

 ちょっと、どういう意味ですか? お二人さん!!


 イケメン男性二人に手を取られ会場の中に入る。


「ユーリ!」

「ヒューイ!」


 ドイツフィルの方々かしら?


「ハジメまして。管楽器オーボエ担当シマス。ヒューイット・ブレイン。デス」

「ミシェル・ローランです。フルートです」

「ジェミニ・ドレーク~~~~ダガキヨ」


「こちらこそよろしくお願いします。桜井 花音です」


「Takashis Freundin!kanon!」

(タカシの恋人のカノンね!)


「ヒューイ、カノンって呼んだらタカシに拳骨されるよ? サクライって言えって」


「あーサクライ、ミシェルと、ヒューイはニホンゴ大丈夫だけど、ジェミは半々かな? 今回来日する前に勉強してるから」


「そうなんですね! でも凄い!!」


「ジェミ。アマノ、タカシナ Sie sprechen Deutsch.」

(天野、高科はドイツ語が話せるよ)


「あ、ユーリさん! 白井さんも、らしいです! ドイツ語のレッスン受けてるって!!」


「ワオッ サクライもどうですか?」


「あーユーリ。無理無理。算数もできないから、桜井の場合」


「天野先生ひどおい!」






 ◇



 続々と集まって来た人達と、談笑をしながら、主役である先生の登場を待つ。

 先程到着した高科先生とも合流し、舞台横のドアを待つ。


『お待たせしました。Mカンパニー主催Mフィルハーモニック主催責任者兼、コンダクターの御神 貴志氏の登場です。皆様拍手でお迎え下さい』


 アナウンスが流れ、皆が一斉にドアに注目する。


 暗くなった会場の中、ライトがドア付近に一斉に集まった。


 そして大きなドアが開かれた。


 盛大な拍手と共に、真っ白なスーツ姿の先生が登場した。


 やっぱり先生って白似合うわ……

 と言うか、全員黒のスーツなのに……


「やっぱりタカシはタカシだね」


 ユーリさんが笑った。


『この度、皆様のお力添えにより、こうして素晴らしい仲間と一緒にこの日を迎えることが出来ましたことに感謝とお礼を~~~~』


 珍しくちゃんと挨拶している姿に、ドイツフィルのメンバーは驚いた表情を皆浮かべていた。


 うん。私もビックリしたわ。


 挨拶が終わった後も、報道陣の質問に、にこやかに答えている先生初めてみたかも……


 途中、天野先生と高科先生とミシェルさんも呼ばれ報道陣の取材に答えていた。


「サクライは行かないの?」


 ユーリさんが少し心配そうに聞いてきた。


「先生が駄目って」


「ナルホドネ。なら、こっちから行こうか」


「え?」


「ファーストバイオリンは主役ですよ? ナンデカクレルノ? 何も悪いことはしてないよ? 行こう!」


「え?」


 ユーリさんが私の手を引く。


 え?


 ちょっと!!


 えええええええええええ!


 人が大勢いる中、真ん中を堂々と突っ切って行くユーリさんに手を引かれ、壇上にいる先生の前にとんどん近づくユーリさんに、私は驚愕した。



「いくよ? ウサギちゃん!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ