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Still Alive ―前世で壊してしまった人生を、異世界でもう一度やり直す―  作者: ぷにゅん


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第51話「本部からの便り」

 朝の訓練を終えた頃だった。


 管理局の門の前で、一頭の大きな鳥が羽ばたいた。


 白い羽。


 足には小さな筒が結ばれている。


◆


「伝書鳥だ。」


 局員の一人が小さく呟く。


 鳥は迷うことなく局長の肩へ降り立った。


◆


 局長は慣れた手つきで筒を外す。


 中から一枚の書状を取り出した。


◆


 周りの局員たちの表情が少し引き締まる。


◆


(……なんだろ。)


 エリシアは遠くからその様子を見つめていた。


◆


 昼。


 食堂には少しだけいつもと違う空気が流れていた。


◆


「本部からですって。」


◆


「今年も来るらしい。」


◆


「もうそんな時期か。」


◆


 局員たちが話している。


◆


(……ほんぶ。)


◆


 知らない言葉。


◆


 食事を終えたあと。


 エリシアはシアラのところへ向かった。


◆


「先生。」


◆


「はい。」


◆


「……ほんぶ?」


◆


 シアラは少し驚いたあと、優しく笑った。


◆


「気になったんですね。」


◆


 エリシアは頷く。


◆


「本部は、管理局が始まった場所です。」


◆


「世界中の支部をまとめる、とても大きな場所ですよ。」


◆


 エリシアは静かに聞いていた。


◆


(……おおきい。)


◆


 この支部よりも。


 もっと大きい場所。


◆


「先生も行ったことある?」


◆


「ありますよ。」


◆


「勉強をしに。」


◆


 その一言で、エリシアの目が少し輝いた。


◆


「……べんきょう。」


◆


「ええ。」


◆


「先生も昔は教わる側でした。」


◆


 エリシアは少し意外そうな顔をする。


◆


「先生も?」


◆


「もちろんです。」


 シアラは笑う。


◆


「今でも分からないことがあれば、本部へ教わりに行くこともあります。」


◆


 その言葉は、エリシアの胸に残った。


◆


(……先生も。)


◆


(……ならう。)


◆


 先生も学び続けている。


◆


 午後。


 訓練場。


◆


 アレンが息を切らしながら走ってきた。


◆


「聞いた!?」


◆


「本部から先生が来るんだって!」


◆


「先生?」


◆


「うん!」


◆


「父さんが言ってた!」


◆


「すっごく強い先生なんだって!」


◆


 アレンは木剣を振りながら目を輝かせる。


◆


「ぼく、見てみたい!」


◆


 エリシアは少し考えた。


◆


(……つよい。)


◆


 でも。


◆


(……どんなひと。)


◆


 強いだけじゃない気がした。


◆


 シアラも、本部で学んできた。


 局長も、きっとそうだ。


◆


(……しりたい。)


◆


 その日の夜。


◆


 局長室。


◆


 机の上には、本部から届いた書状が広げられていた。


◆


 局長はゆっくりと目を通す。


◆


「今年は……。」


◆


 小さく呟く。


◆


「来られるのですね。」


◆


 シアラが静かに言った。


◆


「ああ。」


◆


 局長は微笑む。


◆


「久しぶりに。」


◆


「私の先生が来る。」


◆


 その一言だけで十分だった。


◆


 部屋は静かになる。


◆


 窓の外では、夜風が木々を揺らしている。


◆


 まだエリシアは知らない。


◆


 本部とはどんな場所なのか。


 先生の先生とは、どんな人なのか。


◆


 けれど。


 その出会いは、少しずつ近づいていた。

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