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Still Alive ―前世で壊してしまった人生を、異世界でもう一度やり直す―  作者: ぷにゅん


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第22話「できないこと」

 授業が終わったあと。


 エリシアたちは、別の部屋へ案内された。



 広い部屋だった。


 机はない。


 床も固い石でできている。



(……なんだここ)


 自然と周囲を見る。



「訓練室だよ」


 ミレアが教えてくれる。



(……くんれん)


 その言葉だけで、少し身構えた。



 部屋には数人の子供がいた。


 みんな年上だ。


 六歳くらい。


 七歳くらい。



 その中央に、男性が立っていた。


 短い髪。


 大きな体。



「集まれ」


 低い声が響く。



 子供たちが集まる。


 エリシアとミレアも、その中へ入った。



「今日は魔力操作の基礎だ」



(……まりょく)


 授業で聞いた言葉だ。



「まずは感じろ」



 男が手を出す。



 その瞬間。


 小さな光が現れた。



(……!)


 思わず目を見開く。



 火ではない。


 でも光っている。



 ふわりと浮かび、ゆっくり消えた。



 子供たちから感嘆の声が漏れる。



「これが魔力だ」



 男は言った。



「全員できるようになれ」



 簡単に言う。


 でも簡単じゃない。



 訓練が始まった。



 目を閉じる。


 呼吸を整える。


 体の中を感じる。



 そんな説明が続く。



 周囲では——



「できた!」



「見えた!」



 そんな声が少しずつ増えていく。



 ミレアの手の上にも、小さな光が浮かんでいた。



(……すごいな)


 純粋に思う。



 でも——



 自分には何もない。



 何度やっても。


 何度集中しても。



 何も感じない。



(……あれ)



 少しだけ焦る。



 周囲を見る。



 みんな何かしらできている。



 なのに——



 自分だけ。



(……ない)



 胸の奥が少し重くなる。



 前世の記憶が顔を出す。



 できない。



 周りはできる。



 自分だけできない。



 嫌な感覚。



 昔、何度も味わった感覚。



 その時だった。



「焦るな」



 声。



 顔を上げる。


 訓練担当の男だった。



「できる奴もいれば、遅い奴もいる」



 短く言う。



「今は感じることだけ考えろ」



 それだけだった。



 慰めじゃない。



 でも——



(……うん)


 少しだけ楽になった。



 再び目を閉じる。



 呼吸する。



 焦らない。



 前みたいに投げ出さない。



 できないなら。



 できるまでやる。



 今度は。



 逃げない。



 そう決めた。



 そして——



 誰にも気づかれない場所で。



 エリシアの胸の奥。


 さらに深い場所で。



 何かが、ほんの僅かに揺れた。



 光でもない。


 火でもない。


 風でもない。



 誰も知らない。


 誰も見たことがない。



 そんな何かが。



 静かに目を覚まし始めていた。

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