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94 水着選び

「ふぅー、やっと着いたぁ」

「やぁ、いらっしゃい。待っていたよ」

 船から降り、ハルは伸びをしていた。

 すると、島の方から、一人の男性がやってくる。

 その男性はオールバックで、派手なジャケットを着ていた。

「はじめまして。僕が藤崎昴です」

「はじめまして、今日はよろしくお願いします!」

「ふむ……」

 昴に見つめられ、ハルは戸惑ってしまう。

 だが、昴はハルを見ているわけではなかった。

 昴の視線は、マサたちに向けられていた。

「あの、どうかしたんですか?」

「聞いていた通り君は、複数のアニマと契約しているんだね」

「はっ、はい」

「うん、合格だ」

 強く頷いた昴に、ハルは首を傾げる。

 しかし、昴は気にせず歩きだした。

「さぁ、僕の別荘に案内するよ」

 昴に手招きされ、ハルたちは急いで後に続く。

 前を歩く昴を、ハルはじっと見つめていた。

 当の本人は、鼻歌をして上機嫌である。

 それにハルはほっとし、アキナに小声で話しかける。

「でも、よかった」

「なにがです?」

「怖い人かと思ったけど、なんだか楽しそうな人だよね」

「……私には、目立つのが好きな方に見えますけど」

「あっ、言われてみればそうかも」

 納得したハルに、アキナは微笑む。

 しかし、あることを心配していた。

「ですが、私たちもついてきてよかったんでしょうか」

 ここで、お察しの方もいるだろう。

 実は、ハルたちやヒロの他に、三人来ていた。

 アキナ、猿渡、あかりの三人である。

 戸惑っているアキナに、ハルは笑いかける。

「大丈夫、薫さんがいいって言ったんだから」

「そうですけど……」

「それに少しでも、女子の人数が多い方がいいし……」

「ハルさん?」

 小声で呟いたハルを見つめ、アキナは首を傾げる。

 やがて、昴の別荘が見えてきた。

「わぁっ、けっこう大きいんですね!」

「近くには、広いプールもあるんだよ」

「あっ、薫さんもそう言っていたような……」

「じゃぁ、早速だけど着替えてもらおうか」

★★★

 ハルたちが案内された部屋には、たくさんの水着がかけられていた。

「おぉっ、すごい!」

「いろんな種類の、水着があるんですね」

「女性陣は右のスペースから、男性陣は左のスペースから選んでくれ」

「はーい!」

 それからハルたちは、和気あいあいと水着を選び始める。

 やがて、ハルはひとつの水着を手に取った。

 それは、フリルのついた、カラフルな水玉模様の水着である。

「かわいい……」

 しかし、ハルは自分の体を見つめる。

 そして、もう一度水着を見ては、ひどく唸っていた。

 すると、ユミとアキナがやってきた。

 二人はハルの手にしている水着を見て、なにかを察した。

「ハルさん、それ着てみたらどうですか?」

「えっ、でも……」

「きっと似合いますから!」

「ふっ、二人がそう言うなら……」

 二人にのせられ、ハルはその気になっていく。

 そこに、あかりもやってきたのだが……

「ハル姉ちゃん、子どもっぽいのを選ぶんだな」

 その言葉に、三人は固まった。

 そして、ハルは素早く水着を戻す。

「あれ、ハル姉ちゃん着ないのか?」

「あかりさんが、余計なこと言うからですよ?」

「なんの話だ?」

 意味がわからず、あかりは首を傾げる。

 あかりが無自覚だとわかったため、ユミとアキナはため息をついた。

「じゃぁ、私はこれにしようかな」

 ユミが選んだのは、まさかの紺のビキニだった。

 それに気づいたイグの行動は、素早かった。

 そして、先ほどハルが持っていた水着を手に取る。

「ユミ、これにしたらどうだ」

「えっ、でもそれはハルさんが……」

「お嬢は、別のを選んでいたぞ」

 戸惑っているユミに、イグは微笑んだ。

「お前に似合うと、俺は思う」

「わっ、わかりました……」

 ユミは少し顔を赤らめ、試着室に入った。

 それに比べ、イグは満足げであった。

 三十分後、男性陣の着替えが終了した。

 彼らは、短パンの水着にシャツを羽織っていた。

 それぞれの水着は、以下の通りである。

・マサ……水色のシャツで、紺色の短パンに雷の模様。

・ユキ……赤のシャツで、白の短パンに炎のような模様。

・イグ……黄色のシャツで、ブラウンの短パンに白の線が二本入っている。

・レン……オレンジのシャツで、黒の短パンに赤の線が二本入っている。

・猿渡……白のシャツで、若草色の短パン。

「ハルたちは、まだみたいだな」

「ところで……」

 ユキの言葉に、全員の視線が、ある人物に向けられる。

「……なんだ」

「いえ、神の遣い殿は着ないのでござるか?」

「我は、そんなものに興味はない」

「まぁ、子ども用はなさそうだな」

「我を、子ども扱いするでない!」

「でも、明らかに僕より年下だよね」

「見た目はこうでも、お主よりだいぶ年上だからな」

「ごめーん、おまたせーっ!」

 マサたちが騒いでいると、ハルたちの着替えが終わった。

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