↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
改訂版 アニマルな君たちは今日も戦う  作者: しゅうらい
第5.5章 小休止(2)
92/130

92 また家族が増えました

「あれ、動きが止まった?」

「ハルさんたちと交流して、彼女の中で、なにかが変化したみたいだね」

「変化、ですか?」

 薫の発言に、ハルはまた首を傾げた。

「彼らと、争う必要はない」

 そこまで言うと、サラはライフル銃を下ろした。

 機械音が響き、普通の両手に切り替わる。

 そして、深々と頭を下げた。

「……大変失礼いたしました」

「本当に、あの時のサラさんなの?」

「えぇ。アニマは敵でないことを、私は理解しましたので……」

「よしっ、プログラムの移行は成功した!」

 喜びの声を上げたのは、薫だった。

 そしてハルに近づき、優しく肩に手を置いた。

「ハルさん、うまくいったよ!」

「はいっ、ありがとうございます!」

「だけど、驚いたな」

「えっ?」

「あの事故でも、彼女のメモリーは破損しなかったんだから」

「確かに、そうですね。あっ、でも……」

 薫の言葉に、ハルは喜んだ。

 しかし、あることが頭をよぎる。

「製作者の柊さんが、命令でもしたら……」

「そのことについては、心配いりません」

「サラさん?」

 驚くハルを見つめ、サラは自身の頭を指さした。

 そして、ぎこちなく微笑む。

「他からのアクセスは、受信しないようにしていますので」

「それなら、暴走することはないね」

「また、俺たちを攻撃されたら、たまったもんじゃねぇよ」

「その心配は、無駄だと思いますが」

「でも、よかったぁー」

 安心したハルは、力なく床に座りこむ。

 すると、薫は手を叩いた。

 そして、笑顔でハルを見つめる。

「そんなわけで、ハルさん」

「はい?」

 突然呼ばれ、ハルは声が裏返った。

 だが、薫の次の言葉で、その表情は驚きに変わる。

「彼女を、君の家に連れていってほしいんだ」

「えーっ!?」

「ちょっと待て、急すぎじゃないか?」

「そうですよ!」

 珍しくレンは、焦っていた。

 ハルも、ニュースを思いだし慌て始める。

「製造されたアンドロイドは、すべて処分するって言ってましたよね!」

「その場合見つかれば、ハルが捕まるんじゃないのか?」

 レンの言葉に、マサたちの視線は薫に集まった。

「それについては、大丈夫だろう」

 だが、薫は笑い、サラを指さした。

「見た目も違うし、一緒の方が都合がいいと思うんだが」

「いや、私だって、一緒にいられたらうれしいですけど……」

「それなら、問題ないだろう?」

「いえ、問題はございます」

 サラは淡々と話し、マサたちを見つめる。

「アニマの方々は、どうなのでしょう」

 サラに見つめられ、アニマたちは顔を見合わせた。

「まぁ、最初は戦っていたが……」

「お嬢がいいなら、俺たちは構わない」

「私も、賛成です!」

「ハル、君はどうしたいんだい?」

「私は……」

 レンに問われ、ハルは言葉に詰まってしまう。

 しばらくして、ハルが口を開いた。

「私は、皆とサラさんが仲良くなったら、とてもうれしい」

「ハル……」

「いろいろあったけど、これからは仲間として一緒にいたい、です」

 言い終わると、ハルの顔がどんどん赤くなっていく。

 すると、サラがハルの手を、そっと握った。

「もし、許してもらえるのであれば、おそばにいることを、ご許可ください」

「そんなの、最初からしていますよ!」

 ハルもサラの手を握り、強く言い切った。

 そのことに、サラは微笑んだ。

「これからよろしくお願いします、マスター」

「マスターって、私のこと?」

 聞きなれない言葉に、ハルは数回瞬きをした。

 サラは頷き、マサたちを指さす。

「彼らの契約者なら、私の契約者でもあります」

「そっ、そういうものなの?」

「そういうものなのです」

「なんか、無理やり納得させているでござるな」

「また、厄介な奴が増えたな」

「娘は、なんでも受け入れ過ぎではないか?」

「それが、ハルさんのいいところですよ、神の遣い様」

「確かにな」

 そして、マサたちはハルに駆け寄った。

 だが、あかりだけは近づけずにいた。

 アキナはそれに気づき、そっと近づく。

「あかりさん、あなたは行かないの?」

「いや、どんな顔をしていけばいいのか、わからないんだ」

「そんなの、『よかったね』でいいんじゃない?」

「そっ、そうなのか?」

 戸惑うあかりに、アキナは微笑んだ。

「大丈夫、少しずつで構わないから」

「あぁ、ありがとう!」

 あかりは頷き、ハルたちの元に歩いていった。

 談笑するハルたちを見つめ、薫とアキナは微笑んだ。

「いやぁ、よかったねハルさん」

「よかったって、なにがです?」

「だって、また家族が増えたじゃないか」

「はい!」

 ハルは、満面の笑みで頷いた。

 だが、彼女はまだ知らなかったのだ。

 もうすぐ、究極の選択を迫られるということを……

ここまでお読みいただき、ありがとうございます!

この話で第5.5章が終わり、

第2部が完結となります。

第6章からは、第3部突入です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
サラさん無事に記憶が戻った!! しかもアニマのみんなとも仲良くできそうだね♪ 第二部、5.5章完結おめでとうございます(*^^*)♪ 次からは第三部! 迫られる究極の選択ってなんだろう……(ToT…
 まずは第2部の完結、お疲れ様でした!  サラさん良かった!  最初はな、生首でどうしようかと…(汗)  でも、これでハルちゃんのお家もまたにぎやかになりますね?  きっと、みんながいればどんな事にも…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。