表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
改訂版 アニマルな君たちは今日も戦う  作者: しゅうらい
第5章 vsアンドロイド編
77/81

77 マイ

「どうせなら、つぶしあってくれれば、よかったのに」

「マイ、なにを言って……」

 困惑するあかりを見つめ、マイは微笑んだ。

 そして、背中を向けて離れていく。

 やがて、あかりは我に返り、マイの背中に向かって叫んだ。

「あんた、言っていたじゃないか。他のアニマを連れてくるって!」

「あら、まだ気づかないんですか?」

 マイは一旦立ち止まり、あかりの方に振り向いた。

 そして、意地の悪い笑みを浮かべる。

「そんなの、嘘に決まっているでしょう」

「なっ……」

 あかりは絶望し、その場に両膝をつく。

 それを見つめていたマイは、口角を上げた。

★★★

 少し離れた場所で、マサは手当てを受けていた。

 ハルも手伝っていたが、あかりの様子に首を傾げる。

「あれ、あかりさんどうしたんだろう……」

「よく見たら、マイたちもいるじゃねぇか」

「マサは、ここで待ってて。ちょっと行ってくるから」

「なら、俺も……」

「ダメ、ちゃんと手当てしてもらっていなさい」

 ハルは微笑み、マサの頭を撫でた。

 マサは恥ずかしいのか、俯いてされるがままになる。

 そして、気が済んだハルは、あかりたちの元へ行った。

「あかりさん、どうしたんですか?」

「あんた……」

「へへっ、そちらから来てくれるのは、好都合だぜぇ」

 コバットは笑みを浮かべ、ハルに向かって駆けだした。

「その指輪、渡してもらうぜぇーっ!」

「だっ、ダメ!」

「それがあれば、アニマを支配できるんだからなぁ!」

 片手を伸ばし、コバットは指輪を奪おうとする。

 焦ったハルは、指輪をした手を握って隠した。

 だが、コバットの手は届かなかった。

「ぎゃぁーっ!」

「えっ?」

「コバット様?!」

 ハルだけでなく、その場にいた全員が驚いていた。

 なぜなら、なにかにはじかれ、コバットが負傷したからである。

 マイは戸惑い、コバットに駆け寄った。

 そして、強くハルを睨みつける。

「あなた、コバット様になにをしたんですか!」

「えっと、私もなにがなんだか……」

「よくも……よくもよくも!」

 マイの怒りに、ハルは顔を引きつらせる。

 そして、立ち上がったマイは、拳を握りしめる。

 すると、男性の声が聞こえた。

「そこまでです、マイ」

 ハルたちは、声のする方に目を向ける。

 やがて、姿を現したのは、七三分けの男性だった。

 そう、サラを作った、政府の柊である。

 ハルは柊を見て、ひどく動揺した。

「なんで、あなたがここに……」

「それは、彼女たちの契約者だからですよ」

 柊は苦笑し、負傷したコバットとマイを指さした。

 ハルはというと、警戒し柊を見つめていた。

「そんなの、おかしいです。だって、あなたたちはアニマを一掃するって!」

「なんだと!」

 突然の事実に、あかりは驚いてハルを見つめた。

 そして、強く肩を掴んだ。

「あんた、それは本当か!」

「うん……そのために、サラさんたちを作ったって……」

「マイ、どういうことだ!」

 あかりは動揺し、マイに詰め寄った。

 すると、マイはため息をついた。

「そんなの、復讐のためですよ」

「復讐?」

 ハルが首を傾げていると、マサたちがやってきた。

「おい、なにを騒いでいるんだ」

「騒いでいたのは、君だろう」

「そうですよ。マサさんったら、ハルさんが戻らないってうるさかったんです」

「お嬢、どうかしたのか?」

「皆……」

「やっと、揃いましたね」

 マイはユミとイグを見つめ、口角を上げた。

「姉様の仇、とらせてもらいます!」

「姉様って……」

「あのアニマは、なにを言っているんだ」

「これでも、まだ思いだせませんか!」

 叫んだマイは拳を握り、ユミとイグに向かっていった。

「ギアーショット!」

「えっ、その技は!」

 なんとか二人とも避けたが、その技には聞き覚えがあった。

 ユミとイグは思いだす。

 ボブカットで、猫のアニマの女性のことを。

「ユリア……」

「そうです……私はそのユリアの妹です」

「うそっ……」

「あいつに妹がいたなんて、聞いていないぞ」

「それは、あなたが姉様を、よく知ろうとしなかったからでしょう」

「確かに、あの時の俺は、他人に興味がなかった」

「だから、姉様も見捨てたんですね」

 マイにきつく言われ、イグは視線をそらした。

 するとマイは、今度はユミを指さす。

「そして、あなたは姉様を吸収しただけでなく、自分だけ生き返った」

「それは……」

「待って、どうしてそのことを知っているの?」

 ハルの問いかけに、コバットを柊に預け、マイは答えた。

「……ある方から教えてもらった、ということだけ言っておきます」

「ある方って、どんな……」

「そんなの、姉様を殺したあなたたちに、教えるわけないでしょう!」

 マイは憎しみをこめて、ハルたちを睨んだ。

 そして、自分の体を抱きしめ俯いた。

「なんて……なんてかわいそうな姉様」

 悲しむマイを、ハルたちは見つめることしかできなかった。

 やがて、マイの表情は怒りへと変わった。

「私は復讐のため、憎い人間と契約し、慎重に計画を実行してきた」

「マイさん……」

「この場所で、全員始末できると思ったのに!」

「マイは、あたしたちの味方じゃなかったのか!」

「まだ、わかりませんか?」

「なに?」

「あなたは、私の復讐に利用されただけなんですよ!」

 マイの表情は、狂気に満ちていた。

 そして、笑みを浮かべ、柊に問いかけた。

「あの方は、もう用済みです。さぁ、すべて消してしまいましょう?」

「いい考えだね。では、彼女たちに働いてもらおうか」

 すると、柊はスマホを取り出し、素早くコードを打ちこんでいく。

「あいつ、なにしてるんだ?」

「嫌な予感がするな……」

 数分後、その予感は的中することになるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ