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改訂版 アニマルな君たちは今日も戦う  作者: しゅうらい
第5章 vsアンドロイド
78/130

78 大丈夫、私がいるから!

 マイの憎しみに、ハルたちはなにも言えずにいた。

「なんて……なんてかわいそうな姉様」

 俯いたマイは、自分の体を抱きしめる。

 悲しむマイを、ハルたちは見つめることしかできなかった。

 やがて、マイの表情は怒りへと変わる。

「私は復讐のため、憎い人間とも契約した」

「マイさん……」

「慎重に、計画も練ってきた。だから……」

 マイは、怒りで肩を震わせる。

「この場所で、全員始末できると思ったのに!」

「あんたは、あたしたちの味方じゃなかったのか!」

「まだ、わかりませんか?」

「なに?」

「あなたは、私の復讐に利用されただけなんですよ!」

 顔を上げたマイの表情は、狂気に満ちていた。

「あかり様……あなたは、もう用済みです」

 そして、柊に振り向いた。

「さぁ、すべて消してしまいましょう?」

「それは、いい考えだね」

 柊は笑みを浮かべ、メイドの肩に手を置く。

「では、彼女たちに働いてもらおうか」

 すると、柊はカバンから、スマホを取り出した。

 そして、素早くコードを打ちこんでいく。

「あいつ、なにしてるんだ?」

「嫌な予感がするな……」

 ハルたちは、警戒を強めていた。

 やがて、最後のコードが打ちこまれた。

 すると、停止していたメイドたちが、ゆっくり起動し始める。

「さぁ、掃除の時間ですよ」

 柊の言葉に反応し、メイドたちの目が赤く光った。

「アニマは敵、排除します」

 そう呟くと、五人のメイドたちは、一斉に両手をライフル銃に切り替えた。

「ちょっと、全員であれを撃つつもり?!」

「私がとめます。マーメイドモード!」

 ユミは、素早く人魚の姿に変わった。

 それと同時に、メイドたちは銃を乱射していく。

「水の波動!」

 ユミが、いくつかの水の球で、それを防いでいく。

 だが、数が多く、半分ほどが飛んできた。

「ダメ、防ぎきれない!」

「俺もやろう、炎舞(えんぶ)!」

 レンの出した火の粉が、次々と弾を防いでいった。

「やりますね。でも、これならどうですか?」

 口角を上げた柊は、またコードを打ちこんだ。

 すると、メイドたちはナイフに切り替える。

 そして、ワイヤーを使い飛ばしてきた。

「あれって、サラさんが使っていた……」

「全員避けろ!」

 ハルを抱えたマサの合図で、全員各方向に避けた。

 そのため当たらずにすんだが、柊は嫌な笑みを浮かべた。

「避けてもいいんですか?」

「えっ?」

「あなたたちが避ければ、後ろの方たちが大変ですよ?」

「しっ、しまった!」

「大丈夫、私がいるから!」

 ハルたちが振り向くと、アキナが仁王立ちで立っていた。

「あっ、アキナちゃん?!」

「私だって、ただ働いていただけじゃないんだから!」

 叫んだアキナの目は、青く輝いていた。

 そして両手を突きだすと、氷の壁が出来上がった。

 ナイフは弾かれ、メイドたちの所に戻っていく。

「すっ、すごいよアキナちゃん!」

「私たちのことは気にしないで、思う存分戦ってください!」

「わかった、ありがとうアキナちゃん!」

「これで、後ろを考えなくてすむぜ」

 全員頷き、再びハルたちは立ち上がる。

 そして、氷の壁の前に立った。

 ユミはウイングモードに変化し、あかりに話しかける。

「あかりさん、ハルさんのことお願いしますね」

「いいのかい、あたしは敵だったアニマだよ?」

「だけど、あんたは利用されていたんだろ?」

 マサの問いかけに、あかりは目をそらした。

 自分が利用されていただけなのだと、信じたくないのだ。

 そんなあかりの肩を叩き、マサは背を向けた。

「あんたは、仲間を見捨てなかった」

「マサ?」

「信頼する理由なんて、それだけでいい」

 マサの言葉に、あかりは泣きそうになるのを必死にこらえた。

「あぁ……彼女のことは任せておけ」

 あかりの頷きに、マサも頷いた。

 そして、メイドたちやマイに、視線を向ける。

「あら、あかり様は戦わないんですね」

「そんなの、俺たちだけで十分だ。いくぞ!」

 マサのかけ声で、アニマたちは駆けだした。

 しかし、柊は余裕の笑みを浮かべる。

「彼らの相手は、彼女たちにしてもらいましょう」

「命令を確認しました。速やかに実行します」

 柊がコードを打ちこむと、メイドたちは駆けだしていく。

「四人対五人じゃ、こっちが不利だよ……」

「俺もおりますぞ!」

 突然の大声に、ハルとあかりは氷の壁を見上げる。

 すると、氷の壁の上から、ユキが飛び降りてきた。

「ユキ!」

「遅れてすみませぬ」

「あれ、でも確か、皆と一緒にいなかったっけ?」

「俺は、ずっとアキナ殿たちとおりましたぞ?」

「……気づかなかった」

「まさかと思うが、契約者なのに気づかなかったのか?」

「そっ、そんなわけないじゃん!」

 あかりの冷たい視線に、ハルは慌てて手を振った。

 すると、余ったメイドの一人が、ハルたちに迫ってくる。

「わわっ、こっち来た!」

「近づけさせはしませんぞ!」

 ユキは勢いよく駆けだし、メイドに蹴りを入れる。

「これで、五対五だな」

「でも、なんだろう……マイさんもあの人も余裕なような……」

「まだなにか、隠しているっていうのかい?」

「わからない……でも、なんだか不安なの……」

 ハルは、両手を胸の前で握りしめる。

 アニマとアンドロイドの戦いが、再び始まろうとしていた。

★★★

 その頃、ハルの家では、神の遣いがテレビを見ていた。

 しかし、映っていたのはハルたちだった。

「さて、これからどうなるか、見ものだな」

 神の遣いは微笑み、お茶をひと口飲む。

 そして、用意していた茶菓子を食べ始めた。

「アニマと機械、どちらが勝つのだろうな」

 くつろいでいた神の遣いは、画面のハルたちを見て笑みを浮かべる。

 それはまるで、無邪気な子どもが楽しんでいるようだった。

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― 新着の感想 ―
マイはあかり達を利用してただけだった…… そしてアンドロイドとアニマとの戦いが(ToT) なんとか誰も怪我せず解決すればいいんだけど…… てか、神の遣い様〜!! のんびり見てる場合じゃないよ〜!!
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