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33 明かされた真実

 マサは重い口を開き、少しずつ話し始めた。

「俺はハルに、話さないといけないことがある……」

 少し深呼吸をしたマサは、ハルを見つめる。

「かほが、俺の前の契約者なのは知っているだろ?」

「うん……」

「かほのワガママは、いつものことだったんだが、ある日突然怒りだしてな」

「それって、なにか原因でもあったんじゃないの?」

 ハルの問いに、マサは首を横に振った。

「わからねぇ。でも、確か……」

 マサは思いだすように、空を見上げる。

「あの時だった、ニアが家に来たのは」

「まさか、それでケンカを?」

「それは、かほがニアの方ばかり可愛がるから……」

「確かに、あの子可愛かったもんね」

 すると、マサは不機嫌な顔になった。

「ちょっと、冗談だよ」

「ふんっ」

「そっ、それで、その後どうなったの?」

「二人とも言い合いになって、とうとうかほが、やめると言って窓から指輪を投げたんだ」

「そんな……」

 あまりの仕打ちに、ハルは口を押えた。

 しかし、マサはハルを見ずに話し続ける。

「慌てて探したんだが、見つからなかった」

「多分、壊れてなくなったんだね」

「あぁ……それから、俺はあいつの所に戻らないで、いろんな場所をさまよったんだ」

 マサの話を、ハルは静かに聞いていた。

「さまよっている内に、あの研究所に辿り着いたんだ」

「薫さんの研究所だね」

 その通りだと言わんばかりに、マサは頷く。

「最初は入るか迷っていたんだが、ある場所から光がもれていてな」

「光?」

「あぁ、そこに行ってみたら、その指輪が光っていたんだ」

 マサは言いながら、ハルの指輪を指さす。

「洞窟の時も、光ったよね。なにか秘密でもあるのかな」

「わからねぇ。そして俺は、その指輪を持って、研究所を離れたんだ」

「なにか、ケースにでも入れておけば、よかったのにねぇ」

「そういえば、台の上に置いたままだったな」

「なんて不用心な……でも、人様の物を勝手に取ったら、ダメだよ?」

「わかっているさ……俺も、どうかしていたな」

 ハルに注意されて、マサはため息をついた。

「その後、あの三人組に追われて、あんたと出会ったってわけさ」

「それで、この指輪を持っていたんだね」

 話を聞き終えたハルは、優しく指輪を撫でる。

「マサ、いろいろ大変だったね」

「こんなの、大したことねぇよ」

「うぅん、きっと辛かったと思うよ?」

 ハルに見つめられ、マサは視線をそらす。

「よく頑張ったね。私の所に来てくれて、ありがとう!」

「ハル……」

「これからも、ずっと一緒にいようね!」

 ハルの笑顔に、マサの中に熱い想いがこみあげてくる。

 そして、ハルを引き寄せ、強く抱きしめた。

「まっ、マサ?!」

 抱きしめられたハルは、あまりの出来事に戸惑ってしまう。

 顔を上げると、近くにマサの顔があった。

 すると、ハルの頬に手が添えられ、マサの顔が近づいてくる。

 驚いたハルが、強く目をつぶったその時……

「お二人とも、破廉恥でござるぞーっ!」

「えっ、ユキ?!」

 声がした方を向くと、近くの茂みからユキが飛びだしてきた。

 そして、すぐにハルをマサから引き離す。

「なにをしているのでござるか!」

「なにって、愛情表現だろ」

「ハル殿が困っているでござろう!」

「困ってねぇよな、ハル」

 マサに見つめられ、ハルは慌てて俯く。

「やめてくだされ、マサ殿。それに、子どもも、見ているのでござるよ!」

 首を傾げたマサは、遊んでいる子どもたちに視線を移す。

 その子どもたちは、チラチラとハルたちを見ていた。

 それに気づいたマサは、子どもたちを睨む。

 怯えた子どもたちは、一目散に公園から逃げだした。

「マサ、子どもをそんな目で、睨んじゃダメだよ」

「まったく……せっかくの雰囲気が台無しだぜ」

「本当ですよ」

 ハルが振り向くと、ユミとイグも茂みから出てきた。

「いいところだったのに、ユキさんダメじゃないですか」

「えっ、三人とも、そこにいたの?」

「あぁ、ずっと見ていたし、聞いていたぞ」

「イグさんが、ユキさんを抑えているの、大変だったんですから」

 ユミたちに言われて、ハルは先ほどのことを思いだす。

 そして、顔を真っ赤にして、口をパクパクさせる。

「ふふっ、ハルさん可愛い!」

「これはしばらく、この状態が続きそうだな」

「マサ殿、抜けがけは許しませぬぞ!」

「別に、あんたの許しはいらねぇけどな」

「おい、二人ともそこまでにして、さっさと帰るぞ」

 マサとユキが睨みあっていると、イグが間に割って入った。

「ハルさん、また皆揃ってよかったですね」

「そうだね。じゃぁ、帰ろうか」

 頷くユミの手を取り、マサたちに声をかける。

 そして、ハルたちは公園から出ていった。

 そんなハルたちを、ビルの屋上から見つめている人物がいた。

「本当、あの子たちは楽しそうでいいな……」

 それはレンであり、ハルたちを切なげに見つめていた。

「君たちが、うらやましいよ……」

 レンは呟き、ハルたちとは逆の方に去っていった。

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― 新着の感想 ―
マサの話を聞けてよかったね、ハルちゃん。 でも、いい感じのところでユキの邪魔がww ハルちゃん大人気だね〜♪
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