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改訂版 アニマルな君たちは今日も戦う  作者: しゅうらい
第2.5章 小休止編
31/92

31 ルール破りのお嬢さん

 屋敷に着いたハルたちは、目の前の大きさに驚いていた。

「近くで見ると、やっぱり大きいわね……」

「遠くからではわからなかったが、まるで洋館だな」

「でもここに、マサ殿がおられるのでしょう?」

「えぇ、気配を強く感じます!」

 ユミは頷くと、三人に振り向いた。

「では皆さん、これより作戦を実行します!」

「ユミ殿、はりきっておるでござるな」

「しっ、ユキ、そこには触れないの」

 ユキが呟いたので、ハルが小声で注意した。

 幸い、ユミには聞こえていなかったようだ。

「まず、私とユキさんが、表でかほさんの注意をひきます」

「承知でござる!」

「その間に、ハルさんとイグさんは、裏からマサさんを探してください」

「わかった。二人とも気をつけてね」

「大丈夫です、うまくやりますから!」

 そして、ハルたちは二手に分かれた。

 ハルとイグは裏にまわり、静かに飛んだ。

「マサ、どこだろう……」

「お嬢、あそこの窓だけ開いているぞ」

 開いている窓は、二階の一番奥の部屋だった。

 すると、誰かが窓から顔を出していた。

 その人物を見て、ハルは喜びの声を上げる。

「マサ!」

「えっ、ハル?」

 予想外のハルの登場に、マサは驚く。

 だが、すぐに焦りの表情を見せた。

「なんで、こんな所に来たんだよ!」

「なんでって、一緒に帰るためだよ」

「帰る?」

「それより、かほさんと話はできたの?」

「話すもなにも、屋敷に着いた途端、この部屋に閉じこめられたんだ」

「そんな……」

 ハルは驚き、口を押えていると、マサが手招きをする。

「まぁ、飛んでいないで、中に入れよ」

「おっ、おじゃましまーす……」

 部屋に入ったハルたちを見て、マサは首を傾げる。

「そういや、ユキとユミはどうしたんだ?」

「あぁ、多分今頃、かほって女を足止めしているところだろう」

「そういえば、どんなことするって、言っていたんですか?」

 ハルの問いに、イグは難しい顔をした。

「確か、イリュージョンとかいうものを、やると言っていたな」

「おい、それってヤバくないか?」

「うん、私もそう思う……」

 その頃、ユキとユミは失敗して、かほに怒られているところだった。

「ここにかほさんが来るのは、時間の問題なのかもしれない……」

「そうだな。よしっ、マサ帰るぞ」

「ちょっと待ったーっ!」

 突然ドアが開けられ、全員が振り向いた。

 ドアの前には、白い耳としっぽをつけた、マサより少し幼い少年が立っていた。

「かほちゃんの許しがないと、出ていったらダメなんだぞ!」

「えっと……君は誰?」

「僕は、かほちゃんと契約しているアニマだぞ」

「こいつもレンと同じで、犬のアニマなんだ」

「なるほど、だからレンにも食ってかかっていたんだな」

「うるせぇ……」

「つべこべ言っていないで、早くそいつをおいていくんだぞ!」

「それは、できないよ!」

 ハルは迷うことなく、一歩踏み出す。

「だって彼は、私と契約しているアニマなんだもの」

 ハルに言われて、少年は言葉に詰まってしまう。

「ニア、なにをしているの?」

「あっ、かほちゃん!」

 ニアと呼ばれた少年は、かほに振り向き、しっぽを振って喜んだ。

 そのかほは、ため息をついて部屋に入ってくる。

「やっぱり来たのね、神崎ハル」

「えっ、どうして私の名前……」

「知っているわよ。サイトでマサを見つけた時、あなたのことも載っていたもの」

「あぁ、例のサイトね……」

「それに、マサが呼んでいたから。それと……」

 かほは廊下に出て、手招きをする。

 すると、ユキとユミが、ガードマンに連れてこられた。

「この二人が来たから、もしかしてと思ってね」

「ユキ、ユミちゃん!」

「ハル殿ー……」

「捕まってしまいました……」

「お願い、二人を解放して!」

「ダメよ。人の家に勝手に入って、ただで済むと思って?」

「それは……」

 かほに睨まれて、ハルは俯いてしまう。

 それを見ていたマサが、かほに歩み寄る。

「俺が招き入れたんだ。勝手ではないだろ?」

「あら、そうなの?」

「ダメだぞ、かほちゃん!」

 首を傾げるかほを、ニアが腕を掴んで止める。

「この人たち、マサを連れて帰ろうとしているんだぞ!」

「それは、無理な相談ね」

 かほは、マサをちらっと見て、ハルに視線を移した。

「マサは、誰にも渡さないんだから!」

「かほちゃん……」

「ニア、あの女に攻撃するのよ!」

「でっ、でもかほちゃん、人間には攻撃したらダメなんだぞ……」

「そんなの、誰が決めたのよ」

 すると、かほは不敵な笑みを浮かべた。

「それに、契約者が死ねば、一緒のアニマも倒れるのよね」

「そっ、それだと、マサも一緒に倒れちゃうんだぞ」

「あら、それは困るわね」

 さらにかほは、満面の笑みを浮かべて、ニアの肩に手を置く。

「だったら、死なない程度にやったらいいのよ」

 言われたニアは、少し戸惑いを見せる。

 だが、すぐにハルたちの方を向き、攻撃態勢に入った。

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