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第 9話 スマルクの町

よろしくお願いします。

 スマルクの町

 北門の入口から入り左右に分かれて三〇m程で町に入れる。

 六〇m程間隔を空けた二本の主要道がまっすぐ平行に南の検問所まで続いている。

 そこを軸にして小道がつながり、建物の造りはルータの町に似ているが、より大きめで三階建ても立ち並ぶ街並みが形成されている。

 規模もルータよりも大きく、町では三〇〇〇人程が生活している活気のある町。


 歩くこと二〇〇mを過ぎた所で、右側にギルドの看板があった。

 入ってみると造りはルータと同じだが規模は大きい。

 カウンターも広く受付も二つになっていて入口の中もルータより広い。

 ただ昼過ぎなので数人の冒険者がいるだけだった。

 入って行くと二人の受付嬢がカウンター越しに座っていて、その一人と眼が合ったので、ならその人に向かおう。


「いらっしゃいませ、どのようなご用件でしょうか」


 証明書を見せながら、ギルドの買い取りについて聞いてみた。

 女性の名はミレアさんと言うらしい。

 受付のプレートにそう書いてあった。

 ルータの町と同じ黒のメイド服に、白の清楚な首巻を着けていた。

 蒼髪が腰まである艶やかなストレート、碧眼の綺麗なお姉さん。カウンターの向こうで座っているのでよくわからないけど、姿勢も良いので、とてもいいスタイルに感じた。

 特に、正面にある弾けんばかりの、たわわな二つに眼を奪われてしまう。

 健全な男なら、この場面ではどうしても眼が行ってしまうと思う。


【滅びればいいのです】

また棘のある声だ。え? 何で?

【……】


「ミツヒさんは、ギルドの登録はありませんね、なので依頼は受けられません。ミツヒさんの場合、買取りはギルドのみで、薬草と魔石、その他のドロップ品の買取りをしています。武器屋、防具屋などに売買をする場合はギルドに行商登録しないと重罪になります、気をつけてください。ギルドの登録があると買取りも良くなります。また、階級分けされて依頼も良くなりますが。登録しますか?」

「ありがとうございます、良くわかりました。いえ、このままでお願いします。それと、宿泊先を探しているのですが、この辺に宿はありますか?」

「畏まりました、ギルドを出て左に行くとすぐに十字路があります、そこを左に進むとマイウ亭という食事と宿泊が出来きる宿があります。ギルドのお勧めですよ」

「ありがとうございました、これから行ってみます」

「では、お気をつけて」


 ギルドを出て言われた通り行ったら、マイウ亭の看板が見えた。

 中に入ると、五人くらいは掛けられそうなテーブルが一〇卓ほど並んでいる結構広い食堂になっていた。

 朝昼は食堂であり、夜は酒場にもなるようだ。

 奥にはカウンターがあって更にその奥に厨房があった。

 今はまだ夕方にもなっていない時刻なので客は一人もいなかった。


「こんにちは、宿泊をお願いします」


 大きく重そうな床音をさせて出てきたのは、身長一九〇センチはあり、体格も大きく腕の太い筋肉隆々の色黒茶髪のおじさんが出てきた。

 ――黄色いエプロンつけて。

 俺は見上げる形で話をする事となる。


「フーン、黒髪黒瞳か。で、何泊だ?」

「二泊を、朝晩の食事付でお願いします」

「銀貨四枚、裏に井戸と水の水栓があるから使ってくれ。酒類は別だがいいか?」

「お願いします」


 まだ酒は飲めないからいいけど。

 銀貨四枚を支払って、二階奥の部屋に通してもらった。

 八畳ほどの部屋にベッドが置いてあり、窓も大きめで明るく快適そうだ。

 二泊にしたのは、二日間で住込みの働き口を探すから。

 ダメならその時に、また考えればいいしね。

 昼間は、薬草採取や魔物を獲りに行って鍛錬したいし、なので夜に働けるところを探す予定だ。


 背負い袋を降ろして身の回りを整理し、マイウ亭を出たら、ギルドに行く。

 ミレアさんに求人募集を聞いたら、依頼の掲示板の横にあるとのことなので、探してみたけど、どれも商店などの昼間の職種ばかりだった。


 夕方になるので、冒険者が一人、また一人とギルドに帰ってくように入って来る。

 俺は邪魔になると思いマイウ亭に帰り、部屋に戻る。

 体を洗おうと裏庭に出て、水栓で体を洗うと水は冷たいが気持ちがいい。

 水栓って、良く出来ていると思う。

 木の深い桶の底にいくつも穴が開いていて、その穴の蓋が閉じている。

 水を入れて、添えつけの高さ二mほどの支柱の上から縄が垂れ下がって桶に繋いである。

 支柱の縄を引けば、水の入った桶が頭の上より少し高い位置で止まる。

 桶の下から垂れ下がっている紐を引けば、勢いよく細い水が出る。

 体も洗いやすいし、いつの日かタモンの村に帰ったら作ろうかな。


 食堂に入るとテーブルは満席で座れなかったけれど、とても賑やかだ。

 奥では主人と女将さんが忙しそうに調理をしている。

 そして同じ年くらいの女の子が、出来上がった料理を各テーブルに配っている。

 銀髪を後ろで結び、仔馬の尻尾のように揺らしている、黒い瞳、目鼻立ちの整った色白の美少女。

 身長も俺と同じくらいだろう。

 その女の子が俺に気が付き手招きをする。

 俺は女の子に誘われるように歩み寄って行く。


「いらっしゃい、泊まりの人だね、食事? なら、こっちのカウンターの隅ならいいよ。使って」

「あ、ありがとう」

「私はリリ、よろしくね。奥の二人は、お父さんとお母さん」

「俺は、ミツヒ。よろしく」

「お父さーん、カウンターに食事の人だよー。今、料理出すから待っててね」


 リリはすぐに配膳や片付けで食堂内を忙しなく動きまわる。

 働き者だな、俺も見習わないと。

 端に座って待つこと少し。

 出てきたのはブラックボアのステーキ。

 サリア亭のステーキとはちょっと違って、茶色の濃厚そうなソースがかかっている。

 脇には人参とジャガイモ、下には玉ねぎの輪切り。

 湯気が立ち上り、いい匂いでとても食欲をそそる。思わず一口分を切って口にいれると柔らかく肉汁が出る。

 おおーっ、これは美味しい、と、我を忘れたように食べてしまった。

 水を飲み、フゥ、と一息ついたところで周囲を見渡すと、各テーブルには冒険者らしい人が麦酒や果実酒を飲みながら話に華が咲いている。

 料理を出すのも一段落したのか厨房も静かになっている。

 そこへ、リリのお母さんが優しい笑顔で歩み寄って来た。


「いらっしゃいませ、ミツヒさんで良かったかしら」

「はい、ミツヒです。ご馳走様でした、とても美味しくいただきました」

「それは良かったわ、私は女将のエフィル、奥の主人はゴルドア。さっき話をしていたのが娘のリリ。今後ともご贔屓に、よろしくお願いしますね」


 女将さんのエフィルさんは、リリと同じ綺麗な銀髪が肩まで伸びて色白、身長は一七〇㎝くらいかな。

顔立ちはリリと似ていてとても綺麗だ。

 毎日働いているからなのかスタイルもいい。

 いやらしい眼で見ている訳ではないけれど、どちらかというと、グラマーなのではないだろうか。

 リリの可愛い大きな声が聞こえ、また注文が入ったらしく、エフィルさんは小走りで中に入って行った。

 賑やかなのは嫌いではないが、他の人が食事に来たら邪魔になると思って、俺は部屋に戻った。


 いつものようにベッドの上に横になる。

 資金面には余裕はあるから、明日は町を見て回って職を探そう。

 しばらく住む貸家も見つけないといけないし。

 とりあえず今日は寝よう。

 あ、最近声がしないけど元気なのかな。

 そんな事を思いながら、そのままベッドに潜り込み就寝。


おやすみ。

【……】

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