三話 職業体験開始前
今日は職業体験初日。
職業体験は三日に亘って行われる。
僕たちの初日の見学部署は報道部と受付だ。
ついでに山田の頼みの食堂はこれから三日間通して全部昼食場所だ。
見学もついでに山田だけOK出しておいた。
勿論、この三日間は学校はお休み。
集合場所はHWM社がある街の駅だ。
まあ、僕はそこに歩いて行くだけなんだけどね。
「さて、みんなはどこかな?」
駅に着いた僕はキョロキョロと周りを見渡す。
少し探すと見つけた。
駅前の噴水のオブジェの前だ。
「おーい!みんな!」
僕は噴水のオブジェに駆け寄る。
「遅いわよ!」
実咲がちょっと怒りながら言う。
「そ、そこまで待ってないんだからいいじゃん」
「そ、そうだよ」
山田と秋山さんが僕を庇ってくれる。
うぅ。
二人は優しいな。
最近、僕を振り回す人にばかり出会っていたから心に沁みるよ。
「ごめんごめん。さあ、僕はHWM社の場所知ってるから案内するよ。いこう」
僕は三人を促す。
そんな僕の言葉を冷めた目で見つめる実咲。
まあ、僕、そこの会社の社長だしね。
僕、今、会社に住んでるしね。
・・・
駅から歩いて二十分。
会社の前に着いた。
「さあ、入ろう」
「ちょっと緊張するな」
山田が緊張した面持ちで言う。
「そ、そうね。高校生が会社の中に入るってなかなかないしね。別の学校に行った友達の所もそんな行事ないって言ってたし」
「そんなに緊張しないでもいいわよ。なるようになるわ」
実咲だけは普段と変わらない。
「でも、今年かららしいわね、HWM社がうちの学校の職業体験をOKしたのって。なんでなんだろう」
秋山さんが不思議そうにしている。
「それはこの会社の社長が何かしたんじゃないの?」
そう言って僕の方を見てくる実咲。
今日はなんかいつにも増して不機嫌だな。
それに僕の正体をバラすようなことはしないでよ。
「実咲、不機嫌なのを僕に当たるのはいいけど、君のそれは機密に当たるから下手したら僕の護衛にやられちゃうよ?」
「な、何よ‼脅しのつもり?」
小声で忠告すると、言い返してきた。
「いや、僕が言わなきゃもうやられてたよ?」
「夏月様、やっさしー」
ふと、そんな声が僕と実咲に聞こえてきた。
どうやらウサギが今日の護衛みたいだ。
あの子、結構すぐに結論出すから行動に移すのも早いんだよね。
危ない危ない。
「ひぃ」
実咲がウサギの声を聞いて怯える。
まあ、実咲は前にウサギたちの実力を見ているからね。
より怖いんだろう。
「まあ、そんなことより、早く入ろう」
僕と実咲が会話していると山田たちが空気を読んで離れてくれていたんだから。
勘違いとかはお互いに面倒でしょ?
「え、ええ」
さて、頑張ろうかな。
僕のことを怪しまれないように。
僕たち四人は会社に入っていった。
読んでくれて感謝です。
すみません。
ストックもなくなり、今現在、作者の別の作品である「コンプリートグラスパーの異世界冒険」の方に執筆の比重を置いているので毎日は難しくなってくるのです。
数ヶ月ほど経てば恐らく書ける時間が作れると思うのでそれまでは不定期更新にさせてもらいます。
重ね重ね、すみません!




