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九話 浮かび上がる疑念



 次の日。


 僕は普段よりも早く起きる。


 部屋に置かれている食材を使い、自分の朝食と昼用の弁当を作る。


 「まあ、本来ならここで終了なんだけどね」


 僕はそのままさらに持ち運びが楽な料理をいくつか作る。


 それと日持ちがするやつね。


 どうせ、僕以外の家族は料理なんて出来ないだろうし。


 これを今日の姉さんの護衛当番に届かせておこう。


「さて、そろそろ僕は学校に行く準備をするか」


 幸い、今日提出の宿題もなく、教科書の類は護衛部隊が昨日のうちにここに持ってきてくれていた。


 ありがたいことだ。


「今日の授業は―――――っと」


 準備をせっせと済まる。


 それが終わると作っておいた朝食だ。


「いただきます」


 特に急ぐこともなくゆっくりと食べる。


 ただ、なんかちょっと物足りないっていうか、なんていうか。


 多分、一人で食べているからだ。


 なんだかんだで一人で食事するなんてあんまりなかったもんな~。


「寂しいってことか」


 まあ、いいや。


 朝食を食べ終わると、学校へ登校だ。


 車の準備はもう出来ているらしく、会社の裏口につけてあるらしい。


 なぜ、こんな早い時間から登校するのか?


 それは僕は寝る前までに姉さん対策をもう一つ思いついていたからだ。


 というか、もっと単純に考えればすぐに出てくることだ。


 姉さんは僕が起こさなければ朝にめっぽう弱い。


 つまり、朝早くに登校したら僕は姉さんに遭遇することはない。


 もちろん、ケンカ?中なのだから姉さんにモーニングコールなんてしていない。


 さあ、それじゃ登校しますか!




                 ・・・




 車でイヌに送ってもらい、学校の近くに降ろしてもらう。


「ありがとう。送ってくれて」


「いえ。むしろ毎日の業務に入れて欲しいくらいですよ」


「ハハッ。その言葉は嬉しい限りだけど、流石にただ登校するだけのことにみんなの手を煩わせるわけにはいかないよ」


「私共としては、煩わしくなど思うことなどないのですが・・・」


「僕が気にするから」


「夏月様にそう言われてしまってはもう言い返す言葉が私は持ち合わせておりません」


「大げさだよ」


 僕は軽く笑い、その言葉を流す。


「それじゃ、行ってくるよ」


「はい。いってらっしゃいませ」


 イヌの車が行くのを確認したら、僕も学校に向かう。


 姉さんはいないだろうけど、念には念を入れて裏門から入ろう。


 僕は目立たないようにこそこそと裏門から学校に入る。


 まあ、こんな早朝だ。


 まだ、生徒たちが登校してくるまで一時間弱ぐらいある。


 こそこそしなくても生徒には会わないだろう。


 そうだ。


 一応、確認だけはしておこう。


 僕はふと思い至り、校舎に入って正門が見える場所まで行く。


 もちろん、正門側からは見えない位置だ。


「ま、まじかよ」


 ついつい、呟いてしまう。


 そこには姉さんがいた。


 しきりにキョロキョロと周りを見回している。


 危なかった。


 油断してそのまま正門から入ったら即見つかるところだった。


 でも、姉さん・・・。


 僕はなんだか悲しいよ。


 起きれるなら普段からちゃんと一人で起きてよ・・・。 


 実は僕に起こして欲しいがためにわざと朝に弱いふりをしているんじゃないだろうか。


 そんな疑念が浮かび上がる。


 これはこの家出が終わったら問い詰めなきゃ。


 そろそろ教室に行こう。


 姉さんには護衛部隊のメンバーもいるし、大丈夫だろう。


 何かあったら僕にも連絡が来るし。


 僕はそう思い、教室に向かった。



 

読んでくれて感謝です。

次の話もよろしくお願いします。

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