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八話 ごはんがない

今回は実験的に第三者視点で書いてみました。

もし、以前のように誰かの視点で書いた方がいい場合は言ってください。

今回のような第三者視点が良い場合は夏月の視点以外は第三者視点にしてみようかと思います。

それでは今回の話をどうぞ!



―高波家―


 夏月が高原親子との話し合いを終えた頃。


 翼と沙耶子が家に帰っていた。


「な、夏月が家出?」


 衝撃を受けた様子の沙耶子。


「ナツが怒っちゃって・・・・」


 今にも泣きそうな美香が呟く。


 実際にはすでに夏月が家出していることは夏月の護衛に報告されているのだが、翼がそれを沙耶子に伝えていなかったのだ。


 高波家の女性陣が絶望する中、それを傍観する翼。


「じゃあ、今日の夕食や明日からの食事はどうするの?」


 絶望中の沙耶子がorzしながら言う。


「そんなことより!ナツがどこに行ったのかだよ!なんでご飯の心配しかしないの⁉」


 涙声で沙耶子に訴える美香。


「そりゃ、夏月がどこにいるかは夏月本人に聞いているからね」


 翼がその問いに答える。


 本当は夏月の護衛に聞いたのだが、それは美香には内緒なので夏月から聞いたことにした。


「えっ⁉」


 その答えが予想外だったのか、少しの間、茫然とする美香。


「ど、どこ⁉どこにいるの⁉」


 翼に詰め寄る美香。


「言わないさ。夏月が自分で帰ってくるまで待つんだね」


 翼は夏月の場所を言うつもりはない。


 今夏月のいる場所を伝えることは夏月の秘密を暴露するようなものだからだ。


「そ、そんな~」


「今日のところは出前とか宅配で何とかしよう。ほら、ご飯が来るまでは部屋にいなさい」


 翼に促されて渋々部屋に戻っていく美香。


 それを見送ると沙耶子が翼に話しかける。


「あなた、私は聞いていないのだけど」


 若干怒っていらっしゃる。


「なんだかんだで美香に甘い君のことだからヒントくらいは出すかもと思ってね」


「むぅ~。確かに」


「夏月も意味もなく家出までする子じゃないよ。美香にしっかりと反省を促さないと」


 優しく諭す翼。


「護衛の子の話だと美香がしっかりと反省したと夏月が判断したら戻るって言っているし」


「それは、分かったわ。でも、ご飯はどうするのよ」


 夏月が今までしてきたのだ。


 高波家には夏月以外に料理を出来る人間がいない。


「それは、私が何とかするよ」


 夏月にそこら辺のことも相談するつもりが翼にはあった。


「それはともかく、私にも夏月が家出した経緯を教えなさいよ。いざとなった時には美香ちゃんに促すくらいはしてあげたし」


「ああ。それは勿論」


「それと、夏月は今どこにいるの?」


「大体君も予想がついているんじゃないかな?」


「夏月の仕事場ね」


「ああ。あそこには夏月の部屋・・・というか家がもう一つあることだし」


「たしかに。しかも、あれ。会社の社員による厚意で作られたんでしょ?」


「夏月が会社のみんなのために色々とやって来たことをみんな、返したかったんだよ」


「あの子は本当にすごいわね。私たちの子がこの歳でここまでの成長をするなんて思わなかったわ」


「それもあの子の人徳と才能がなせることさ。才能はあの子が生まれ持ったものだけど、人徳は私たちの教育の賜物さ」


「そうね。そう思っていないと寂しいもの。あの子がどんどん先に行ってしまいそうで」


「大丈夫さ。いつでも思いやる気持ちを忘れない。それがあの子なのだから」


「そうね」


 夏月の親である二人は夏月の将来に思いを馳せるのであった。




読んでくれて感謝です。

次の話もよろしくお願いします。

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