町へ行く
ガオゴルドと過ごして二週間が経った。
町へ行くというのでそれについて行き、ガオミ山へ目指すことにしていた。
「これから行く町は私にとっては大切な場所だ、好きになったのなら、いつまでもいるといい」
ガオゴルドはそう言った。
よく考えてみると、お金を稼ぐ方法も知らない私は、町でできることはほぼ無いに等しかった。そのまま、ガオゴルドと別れて、一人でガオミ山を目指さなくてはいけなかった。
お金のないことを考えて、宿屋で働こうと思った。
「あなたにはここで二年間過ごしてもらいます」
まるで夢だった。知らない人にそう言われて、見知らぬ土地と場所で二年間も過ごすなんて。
朝早く起きて、掃除をする。ベッドの下から、窓の隅々まで、花瓶の周りとタンスの上も忘れずに、それが全部屋終わったら、廊下の掃除をする。
朝ご飯の片付けが厨房で終わる頃、泊まりに来るお客さんの相手をする。
宿屋で働かせてもらう代わりに、衣食住を提供してもらうことになった。お金も少しだけ貰えて、働き詰めではあるが、幸せを感じ始めていた。
ガオミ山へ行くという目的も忘れてしまうほどに、熱心に働く。いつの間にか、魔法も忘れて、これから何をしていこうか、だったり、何するのが私の目的だったのか、思い出させられる。長い月日が流れて、この町の一員になるとき、ガオゴルドがやってきた。
「久しぶりじゃないか、元気にしていたか。もうすぐ冬が来る、このコートを渡しておこう」
「ガオゴルド、長い間見ていなかったが、何も変わらないな。ガオゴルドは普段何をしているんだ?」
ガオゴルドからコートを受け取り、その疑問の答えを待った。
「魔法の研究だ、もうすぐ二年経つ、ガオミ山へ行くのは早いほうがいい」
「それは何故なんだい」
「目的を忘れるのはいいが、果たすべき目的を無視し続けるのは体に悪いと思ってな」
ガオゴルドの顔は前に話した時より、表情が固く見えた。




