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脱走

毎日投稿するつもりでしたが、投稿間に合わないんで一日おきにしようとおもいます。

出来るときは連投もしようかと思います。

「村長、開けて下さいよ!!」

「そこにいる女に確かめないといけなんですよ。」

「うちの息子が死んだんですよ!」

「私の夫もよ!!」

「俺の妹もどうなったか知ってるだろ!!」

押し寄せた人たちは、家の玄関のドアがミシミシと軋み今にも破壊されそうな勢いだ。

「村長、これは・・・一体・・・」

私は村人たちから感じる殺意や憎しみ、後悔の矛先が何故か自分に向いていることに困惑していた。

「・・・恐らく、あの者たちは自分の家族や友人が帰って来なかったのに、お前だけが帰ってきたことが許せないんだろうな・・・」

「そんな・・・だって・・・」

「更にお前が異形を連れて来たことで、お前が異形を使って襲わせ、事故に見せかけて自分はこの異形に助けられた体で帰って来たに違いないと。お前の特殊な聴覚や嗅覚はやはり異形だからだとな・・・」

「それは・・・」

クゥは何も言い返すことが出来なかった。言い訳をしようにも状況が悪すぎる。異形に襲われて唯一生き残り、更には、異形に乗って村に来てしまった時点で疑われても仕方がないのかもしれない。

「私の・・・せいでしょうか・・・」

俯き唇を噛んだクゥの頭にノールスはそっと撫でる。

「何を言ってるんだ。らしくないじゃないぞ。」

そう言うとクゥの頭をわしゃわしゃと撫でられて変な声がでてしまった。

「うみゅぅぅぅぅぅ————」

「お前のせいな訳ないだろう。気にすんな、皆気が立ってるだけだ。」

村長はそう言うと私を背中を押して奥に行くように促す。

「さぁ、行け。奥の倉庫だ。」

「はい。」

クゥは奥にある物置に滑り込むように入る。

「いいかクゥ。あいつらを一度家に入れて気を逸らす。その間に窓から外に逃げるんじゃよ。」

「村長は!?」

「なぁーに。儂なら心配せんでも大丈夫じゃよ。」

そう言って、村長はクゥにグットサインを送った

「分かりました。気を付けて下さい。」

倉庫の扉の鍵を閉めて近くにあった大きめの木箱で扉を塞ぐと音を立てないようにしゃがみ込んで口を塞ぐ。

これで探されても時間稼ぎぐらいはできるはずです。

壁に耳を当てて外に人がいない事を確認すると私は、手探りで木製の窓枠に手を掛けて片足づつ身体を外に出し、足元の確認しながらゆっくり地面に降り立た。

どうやら気づかれていないようですね。玄関口では村長と対立した村人の声が聞こえる。

「待て待て、今開けるから少し落ち着かんかい。ドアが壊れるじゃろうが!!」

ドアの前に押し寄せている村人たちを怒鳴りながら扉を開ける。

「どうしたんじゃ。こんな時間に・・・」

「どうもこうも無いでしょう。クゥを出して下さい。」

「もう寝る時間だろう。明日の朝に皆の前でクゥには報告して貰うつもりじゃから今日はもう帰らんか?」

「村長!!事は早い方がいい、今すぐだ。」

ノールスは話を何とか逸らそうとしてみるが、村人たちの耳には届いてないようだった。

「そんな物騒なモノを持ってか?」

ノールスが鋭い目つきで指摘した村人たちの手には剣、槍、棍棒、包丁、鎌、角材、など取り敢えず武器になりそうなモノは片っ端から集めて来たようであった。

「話を聞きに来たようには見えねぇがな。」

「どいてください村長————」

村長が時間を稼いでくださっている今のうちに・・・

クゥは忍び足で家の陰に隠れながら少しずつ壁に近づいて行く。

「誰も・・・いませんね。」

村の最南端にある壁に一番近い家の陰から周囲を見渡し、人気がないことを確認し壁に近づく。

「確かこの辺に・・・」

手探りで壁をペタペタ触りながら歩くと壁に小さな穴が開いた場所を発見した。

普段、村の子供たちが大人に隠れてコッソリ外に出るための使っているのを知っていて良かった。

「ありました。ここから外に・・・」

ガシャンと何かが割れるような大きな音が聞こえた、音の方角からどうやら村長の家の物置の扉が破壊された音だろう。

「気づかれたようですね。」

いないことに気づかれたようですね。急いだほうがいいですね。

狭い穴の中を匍匐前進進み、外に出ると少しでも村から遠ざかろうと全力で走った。

「はぁ・・・はぁ・・・」

三十分ほど走り続け、息が絶え絶えになったクゥは体力の限界が来て立ち止まり、近くに木に身体を預けた。

「はぁ・・・はぁ・・・ここまで・・・くれば・・・大丈夫な・・・はず・・・」

地面に座り込み深く息をしながらもと来た方に耳を傾けてみるが人が追ってくる気配は無かった。

「さて・・・これからどうしましょうか。」

逃げてきたのはいいが何処か行く宛があるわけがない。

いつも、複数人で村の外に出ることはあったがクゥにとっては完全に一人なのはこれが初めてだし、この前は玲二がいたからこそ何とかなったことをクゥは自覚していた。

「サバイバル経験をもっと積んでおくべきでした・・・」

連合国や隣り村との取引で同行した時の夜営で、目が見えないんだから何もするなと言われ、特に何もして来なかったのがここに来て悔やまれる。

「私一人では野生の異形とは戦えませ。」

一匹ならまだしも、野生の異形はだいたい群れで行動するから遭遇すれば私の場合は死だ。

「休んでいたいですが、そうも言ってられませんね・・・」

火を起こそうにもそもそも道具を持ってないし、目が見えななら作れもしない。

「水も必要ですし、食料もいりますからここに留まる訳にも行きませんね。」

可能なら水辺に移動したいですね。匂いをたどれば明日には見つけられそうですね。

それに————

「レイジさん・・・何処にいるんでしょうか・・・」












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