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大進行

筆が中々進まず大幅に遅れてすみません。

「ん・・・」

太陽の暖かさを感じクゥは落ち葉の簡易ベットの中から身体をおこした。

「くっんぅぅぅぅぅ・・・痛てててててッ————」

大きく伸びをすると、身体の節々が痛む。地面に直接寝たせいだろう。

「朝・・・ですね・・・」

無論視力はないので朝日が見えるわけではないが、空気が暖かさと体内時計で把握できている。

痛む身体を庇いながら木を支えにしてゆっくり起き上がり、よたよたと歩き川まで歩く。


「誰も・・・いませんよね・・・」

辺りをキョロキョロと見渡し、物音や気配を探ってみたが特に誰もいないようだった。

「よし・・・」

上着に手をかけてゆっくり脱ぐと歳の割に大きめな白いさらし風のブラに包まれた胸が小さく揺れる。

「むぅ・・・またキツくなってきましたね・・・」

自分の胸を揉みながら前より少し大きくなってキツくなってしまったブラを外し、次にハーフパンツに手を掛けゆっくりと降ろし片足ずつ布を確認するように脱ぐと、白く無地の紐のパンツが露になり、左右の紐を解くと小さく引き締まったお尻が露になる。

「うぅ・・・ちょっと肌寒いですね。さっさと入って上がりましょう。」

服を近くの太い木の枝に掛けて、川の畔に腰掛けて右足をゆっくりと水につける。

「ひゃぅ・・・つ、冷たいです・・・」

水の冷たさに思わざず身震いしながらも、ゆっくりと浸かり十分程で素早く身体と顔と髪をさっさと洗い、這うように川から出る。

「はぁ・・・はぁ・・・寒い・・・」

服を回収し、タオルが無いので裸のまま落葉の包まり自然乾くのを待って、服を着て、昨日の昼に見たことはないが匂いや触覚的には大丈夫そうだと思って確保しておいた柿に似た形の木の実をシャリシャリと食べながら見えないけど遠くを見る。


「ふぅ・・・これからどうしましょうか。」

クゥが村から逃げ出して二日ほど経過していた。最初はどうなるかと思ったが、川は割とすぐに見つかったし食べれそうなきのこや木の実が都合よくあり、野生の異形等にも遭遇しなかったおかげで案外どうにかなっていた。

「意外となんとかなっていますね。」


もちろんそれは今の所ではあるのだが、ずっとここに居る訳にはいかない移動しなければ・・・

「何処か安全な場所にいきたいですね。近くの村は・・・駄目ですね。」

よそ者が一人いきなり尋ねて行っても追い返されるのが関の山だし、近くに住めそうな遺跡もない。

「そうなると、確かな安全が保障されているのは連合国だけですね・・・」

とは言ったものの、行ったこともない連合国の場所など知るわけがない。

「取り敢えず川を下って————ん?」

立ち上がろうとして、ふと何かが地面を蠢くような気持悪い音が耳に入り顔を顰める。

「何・・・この音・・・」

しかも一つ二つじゃない、これは・・・

猛烈に嫌な予感がクゥの全身を駆け抜ける。気がつくと私は、音のする方に向かって走っていた。

「まさか・・・まさか・・・」

過去に一度だけ村長から話に聞いたことがある。百五十年前にもあった異形の大軍隊の進行、あれと同じだと言うのなら最悪の事態ですよ。

音は近づくたびにどんどんと大きくなり、さらその数を増す。

「そんな・・・」

そして、クゥはその軍勢を見下ろせる位置に到達し、絶望した。


「嘘だろ・・・」

同時刻、クゥの元へと向かっていた玲二も道中の崖の上でそれを視認していた。

「多すぎだろ・・・」

眼前に広がるそれは、千、いや、万すら下らない、ざっと見ただけでも百万ぐらいはいるだろう。隙間なく大地を埋め尽くす異形は隊列と言うよりは、もはや大河の様であった。しかも、今まで見てきた野生の異形の個体より皆一回り大きく、白、オレンジ、ピンク、緑、紫など明らかに亜種の様な個体もいた。

「うわぁ・・・」

そしてよく見ると、複合型の異形がそれらに交じり数え切れないほどいる。

「おいおい、一体でも苦労したってのに・・・冗談じゃねぇよ・・・こんなの・・・」

あの時戦ったのと同じ個体も違う個体もごちゃ混ぜにいる。

まさに悪夢のような光景だ。


「てことは・・・まさか・・・最近この辺りでやたら野生の異形が多かったのはこのせいなのか?!」

村に向かう道中の川には居なかった筈の魚類型、やたら群れで襲ってくる狼型に鳥型、全ては何らかの理由でここ一体に招集されてたからなのではないかと、それにクゥは言っていた。『複合型なんて滅多に出ない』と。


思い返せば予兆はあったのかもしれない。クゥが村で俺への説得を試みてくれた時に俺たちが戦った以外の個体がもう一体いたと話していたこと事、燕尾服の異形が交戦していた七体の複合型、明らかに滅多になんて頻度でも量でもない、明らかに人為的だ。

「一体誰が・・・なぜこのタイミングで・・・」

こんな事が出来そうなのは燕尾服の異形しか心当たりは無いが、彼は複合型異形を殺していたことを考えれば多分違うだろう。


「となると・・・他の爵位持ち、いや最悪、王の軍勢ある可能性すらある。」

しかし、それらしき個体は見当たらない、状況はどの道最悪だ。


くそッ!!まだ、権能の把握すら出来ていないこんなタイミングでこんなの来るとか余りにも間が悪すぎる。

「しかも、この方向は・・・」

そう、この大軍勢の進行方向にはあの村がある。このまま行くと確実に大群に接触するだろう。あの村には一応防壁はあるが、あんな石の壁じゃ恐らく十秒と持たないだろう。

「しかし・・・」

俺が異形である以上あの村の人間には助けに来たなんて言ってもきっと信じては貰えないだろうな。


「一度、守るって言っちまったし。」

そうだ。あの村にはクゥがいる、それだけで俺が守る理由にはなる筈だ。

「それに・・・なんかしたら許さねぇなんて、啖呵切っといて行かないのは余りにかっこ悪いしな。」

俺一人でこの大軍勢から村を守るのはまぁ・・・一〇〇%無理だろうけど、やらないよかマシだよな。

「まだ、急げば先回りして村に着けるはずだ。」

不幸中の幸いは、行軍速度がかなり遅い事だろう。数が数だから走って行くわけにも行かないようだ。

「このペースなら後半日はかかるはず・・・」

俺はそう見立てを立てて全速力で走る。俺の足なら二時間もあれば村に着けるだろう。

人間だった時の数百倍の速度で森を駆け抜け、崖を勢い飛び越える。


「え・・・レイジさん!?」

「ん?!」

あれぇ。おかしいな、村にいるはずのクゥ声がなんでするんだ?幻聴か?

「あの————どうしてここにッ!?」

・・・いや、今度は間違いない聞こえた。しかも、足元から。

勢い良く着地し衝撃を殺し、振り返るとそこにはクゥが座り込んでこちらを見ていた。

「クゥ!?どうしてここに!?」

村にいたはずなのにどうして・・・しかも周りには誰もいない。

「見たところ一人みたいだけど・・・」

「・・・はい。一人で・・・逃げてきました。」

クゥは俯きながら答えた。

「逃げてきた?まさか・・・何かされたのか!?」

やはり、釘をさしただけでは効果がなかったか。

「い、いえ直接何かされたわけではないんですが・・・」

殺気を僅かに漂わせていたのを感じてしまったせいか、クゥは慌てて否定した。

「その・・・雰囲気が少し危なそうだったので逃げてきたんです。」

「そうか・・・なら取り敢えずは良かった・・・のか?」

まぁ、なにかされたわけではないのなら取りあえずは良かった。

「クゥも気づいてるよな?異形の大軍勢があるのを。」

「はい。はっきりと。」

俺の問いかけにくクゥは大きく頷いた。

「俺はこれから村に行こうと思ってたんだけど・・・クゥはどうする?」

助けに行くつもりだったクゥがここに居る時点で守るべき目的を達成してまった。

「嫌なら・・・」

正直村の人たちには悪いが戻る必要はないと思っている。クゥに手出そうとしたような村の人間を助けたいとは思えなかった。

「いえ・・・村に・・・行ってくれますか?」

しかし、クゥは俺の思いとは裏腹に迷いなく村に行ってほしいと答えた。

「いいのか?その・・・」

「はい。確かに私は、村の人たちには余りいい目で見られてはいませんでした・・・ですが、私には今まで育てて貰った恩があります。何だかんだ言いつつも皆さんは私の面倒を見てくれました。確かに皆ピリピリしていて、レイジさんには、きついことを事を言ったりしたかもしれません。ですが・・・皆さん本当は・・・凄く優しいんですよ。だから・・・私たちの村を助けてください・・・」

そう言って、クゥをおれに俺に頭を下げた。

「クゥならそう言うと思ってた。」

「ごめんなさい・・・本当はレイジさんが助ける理由なんてないですよね・・・」

その必死な姿に俺は思わずため息つき、頭を軽くポンポンと叩く。

「レっレイジさん?」

「何言ってんだよ。クゥが決めたんなら俺は反対なんかしねーよ。」

俺はそう言って、クゥに手を差し出した。

「ほら、行こうぜ。あまりゆっくりしている時間はねぇからな。」

「はい!!」

クゥは力強く頷き俺の手を取った。左肩に慎重に降ろし、クラウチングスタートの姿勢を取る。

「飛ばすから、振り落とされるなよ!!」

「はい!!」

クゥがおれの俺の首に手を回し落ちないように抱きついたのを確認すると、地面を踏みぬくと、ドォォォンという衝撃音残し、身体はまるでF1カー並の加速で走り出した。

あれ?なんか前より少し速くなっているような気がするが俺の気のせいだろうか。











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