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False;World  作者: 川犬
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〇〇の世界-14

「わぁー、ビーフシチューだー」

 咲が目を星にしつつ、よだれをたらしそうになりながら、テーブルの前までやってきた。

 僕は、テーブルにビーフシチューやらお箸やらを並べていく。

 並べ終えたところで、咲に座るように促してから、僕も座った。

「しんちゃん、いただきまぁーす!」

「しんちゃんいただきます。……あッ」

 ついに、咲につられて、しんちゃんいただきますだなんて言ってしまった。……周りに咲以外誰もいないことだし、なかったことにしておこう。それが一番だよね。

「はむっ……おいひぃー!」

 咲が、目をさっきよりも輝かせながら、口にビーフシチューを運んでいる。

「咲」

「んー? なあひぃー?」

「口に食べ物を入れながら、しゃべらない」

「ふぁーい」

 それから、僕もビーフシチューに手をつけることにした。

 一口食べてみる。

 うん。味の方はまあまあだ。味見とかしてなかったから、少し心配だったけれど、これで心配事は一つ減ったね。

 さって、心配事はまだ2つほどある。

 一つは、今日見る夢のこと。もう一つは、明日の悟朗の呼び出しのことだ。

 夢は夢で、どうせ夢なんだし、特に心配する必要はないように思えるけれど、何日もあんな悪夢を見せられたら、前にもいったように、精神的に参ってしまう。どうせなら、普通の良い夢をみたいよね。

 それで、悟朗の呼び出しは、心配事って言っちゃあ、ちょっと表現が変なのかもしれないけれど、それでも悟朗が咲のほうをちらりと見ながら、「今は無理だ。二人っきりで話がしたい」なんて言うということは、咲に関する何か、かそれとも、咲に聞かれてはいけない何かのどちらかの話なのだろう。僕が考えられるのはこの二つしかない。

 どうでもいいとも思う。でも、なんか胸騒ぎがする。悟朗が何を言ってくるのか、……分かるような気がする。例えるなら、靄がかかっていて、その正体が見えそうで見えない、みたいな感じだ。

「しんちゃんー?」

「ん?」

 気がついたら、僕のお皿は空になっていて、それでも尚、僕がスプーンで何もないところをすくっては、口に運ぶという謎の運動をしていた。

 咲がそれを不審そうに見ている。

「何やってるのー?」

「あ、いや、何でもない。考え事をしてただけだよ」

 我ながら恥ずかしい。何やってるんだろう僕。

 僕は、手の動きを止めた。

 これもなかったことに……しようとしたその時、咲が、突然笑顔になって、手をぽんと叩いた。

「そっかー! 悟朗と巨乳のねーちゃん探しに行かなかったことを悔やんでいるんだねっ!」

 僕はガクッと倒れこみそうになる。

 なんで、今になってそのネタが持ち出されるんだ……。

「違うよッ!」

「えー? じゃあ、巨乳のよーじょ?」

「もっと、違うッ! ってか、巨乳の幼女って何! 不釣り合いすぎて、逆に気持ち悪いよッ!!」

 それ以前に、どうやって咲がそんな知識を学んだのか気になる。たぶん、咲は自分が何を言っているのか意味は理解していないと思うけどね。

「じゃあじゃあー、私のことをも・う・そ・う?」


 一瞬の沈黙。


「あーそれはないな。まずない」

「ふぅーん。よく分からないけど、そーなんだー」

「うん」

 最近、咲の変態発言が増えてきている気がするのは、僕だけか? どうして、咲はこんなにも変態発言をするようになってしまったのだろう。まさか、悟朗が吹き込んでいたりして……? なんだか、ありえそうで怖い。

 僕は、盛大にため息をついて、自分の食器を片づけ始める。

 ため息率が高くなった気がする。

「咲」

「何ー?」

「誰から、そんなエロ方面の単語吹き込まれた」

「えー? えっとね、こころちゃん」

「あいつか……!」

 つまりは、咲とこころ先輩が仲良くなってから、こころ先輩が咲に出会うたびに、Z指定な単語を教えているってことか。

 もうあれだよね。輝き高校ってバカ率も異常だけど、変態率も異常だよね。日本一なのかもしれない。世界遺産に登録しちゃいなよ。

 あ、一応言っておくけれど、咲とこころ先輩は、仲がいい。どういう経由で、仲が良くなったのか分からないんだけどね。でもなぜだか、気がついたら仲良くなっていたんだ。咲が汚染されていくので大迷惑だ。

 咲もビーフシチューを食べ終えたみたいで、食器を片づけだした。

「あ、ねえねえしんちゃんー」

 食器を重ねがら咲が言う。

「私のお嫁さんになってー」

 いきなりだった。

「そこは、お婿さんだろ! ……って、ええ?!」

「私のお嫁さんになってー」

「なんで、いきなりそんな話になるんだよッ! 意味わからん!!」

「えー、だってそういうとしんちゃんが喜ぶよーってこころちゃんが言ってたから」

「こころ先輩、何吹きこんでんだ…………」

 あの人は変態だ。僕を可愛いって言ってくるぐらいに変態だ。

 後で、咲に変なことを吹き込まないように厳重に注意しておかなければいけない。

 僕は、キッチンに移動して、食器洗いに取り掛かりながら、

「咲」

「何ー?」

「こころ先輩から吹き込まれる言葉は、使うの禁止ね」

 咲は、少し不満そうにしながら、仕方がなくといった感じでこくりとうなずいた。

 なんで不満そうなんだ。


僕:はいはいこんにちはー! 神山3分クッキングの時間だよー!

咲:わーい! 今日は何を作るのー?

僕:こんがりバターブレッドかな!

咲:こ、こんがりー……

僕:じゃあ、作るよ! まず、市販のバターブレッドを準備します!

咲:市販!? バターブレッドすら、市販!?

僕:そして、次に焚き火の準備!

咲:なんでー?!

僕:Letsキャンプファイヤーyeah!



悟朗:3分クッキングどうした

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