前へ目次 次へ 37/38 エピローグ その日の夕方。 西日が、縁側を淡く染めていた。 ふたりは並んで腰掛けている。 盆には、食べ終わった甘味の器がふたつ。 言葉は、ない。 それでも、不思議と気まずさはなかった。 そっと、指先が触れる。 今度は、どちらも離さない。 どちらからともなく、振り向いた。 視線が重なる。 ユーリスの口元が、ふっと綻ぶ。 結花が一瞬、瞳を瞬いて微笑み返した。 ふたりの影が、重なる。 中庭の草花が揺れる。 いつものふたりの日常が……そこにあった。