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フォルトゥナ・エクスプローラ・オンライン  作者: 須藤 晴人
第十三章: いよいよ最終決戦!

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013_06_二人で勝利を掴み取る#3

「リンさん! ごめん!」


 ゲートの制御装置(仮)に向かって駆け出したところに、カンの叫び声が響いた。良くないことが起きたらしいと振り返ると、セイが彼を強引に突き飛ばしたところだった。

 

「よけーなことばっかすんなし!! ウチら、次のイベントめっちゃ楽しみにしてるのに!! 参加できんくなったらどうしてくれるの!?」


 彼女はカンを押し退けると真っ直ぐに襲い掛かってきた。そうか、さっきショウさんが近づけるな、って言ってたパソコンの近くを通っちゃったからだ!


 カンが注意してくれたお陰でちょっと時間的余裕があったので、わたしは防御する態勢を整え、なんとか彼女の攻撃を防ぐことができた。といっても無傷じゃなくて、受けた腕はしびれてるけど。


「ってか何? 友達だからせっかくいろいろ教えてあげて、仕事もつれてってあげたのに、あっさり裏切ってウチらのジャマしてくるとかまぢあり得んくね? ウチもジョーも、リスクオンのみんなは次のイベントのためにガチでガンバってんのに!

 男のためだったら、友達はどーでもいいの!? それか、もう友達やめたってこと!?」


 怒りに満ちた声で早口にまくし立て、さらに打ちかかってくる。わたしはそれを何とか防ぐと、彼女に答える。


()()()()、友達だと思ってるよ。セイがこのゲーム(FX)に誘ってくれて良かったと思ってるし、一緒に仕事したのも楽しかったよ」


 それを聞いて、彼女はどこか勝ち誇ったような笑みを浮かべた。


「じゃあ、今あやまるなら許してあげても――」


「けど、ずっと片方だけが遠慮して、相手の言うことを聞かなきゃいけないとしたら、それは友達じゃないと思う。

 こっちに来て、考え方が違ったとしても、協力し合えるところを見つけて、仲良くなれるって分かった。で、そうやってできた友達が、今助けを必要としてる。わたしはその力になりたい。

 だから、セイの希望は叶えられない」


 余裕たっぷりに言うセイを遮り、わたしは降参しないことをはっきり告げる。重ねた剣のすぐ後ろにある彼女の顔は、怒り一色に染まっていた。


「でもセイと彼女達、どっちが大切か、ってことじゃないよ。状況を考えたら、そっちの方がいいってだけ。詳しいことは話せないから、伝わらないと思うけど……。

 とにかく、友達無くすかもって怯えて何も言わないのはやめる。わたしは、わたしのしたいようにする。許してなんかいらない」


 わたしの言葉に動揺するセイを、ブーストを使い、渾身の力で押し返す。集中を欠いた彼女はよろめき、二、三歩下がった。わたしに押し返されたことに、さらに驚きを隠せず固まるセイから急いで遠ざかり、例の台を目指そうとしたけれど、


「じゃー、ウチももう容赦せんから!!」


 彼女は気を取り直し、というよりますます激しく怒って、大剣で力任せにわたしを斬りつけてきた。


「くっ……!」


 受けきれずに、わたしは思い切り吹っ飛ばされて、何かの縁で背中を強く打った。強い痛みが走ったけれど、自動回復機能持ちのペット、ユニコーンのスウィスウィちゃんが回復してくれたのでわたしは何とか体を起こすことができた。


 起き上がってみると、わたしがぶつけられたのがちょうど目指していた制御装置だった。ラッキー! わたしは急いでどこかにスイッチがないか探す。


「多分何か、鍵となるアイテムがあるんじゃないか!? 許可された人だけアクセス可能にするような……」


 ようやく回復したらしいカンがセイとわたしの間に割り込み、セイの激しい攻撃を受けながらそう叫んだ。


 鍵となるアイテム……許可された人……?


 あ、IDカード!! そういえば何かに使えるかもしれないからって、レイさんが渡してくれたっけ。うん、台の上に丁度、カードより一回り大きいくらいの四角が描かれてる! きっとここにカードをタッチするんだ!


 そう気づいて、かばんからIDカードを取り出し、四角の中にカードを当てる。


 すると途端に台とその後ろの壁に光が灯り、何やらメッセージが流れてきた。超越者の文字を解読するアプリが完成して、それをインストールしてきたから一応読むことはできるんだけど、読んでも全然意味は分からない。


 それが落ち着くと、黒い小さな窓が一つ現れ、超越者の男の名前らしき文字と、ピコピコと点滅する白いカーソルが現れた。台の方にはキーボードみたいなものが表示されているし、きっとここで何か命令を入力すれば、ゲートの操作が出来るんだと思う。


 でも、一体何を入力したらいいんだろう? 使い方とか、どこかに書いてないのかな? わたしはそう思ってきょろきょろと辺りを探す。すると、


「あはは! もうボロボロじゃん! 回復、尽きちゃった系? そんなんでリンを守れるのぉ?」


 愉しそうに笑い、大剣を激しく振るうセイと、それを必死に防ぐカンの姿が飛び込んできた。だけどセイのいう通り、回復が追いついていない。動きが目に見えて悪くなっている。


 このままじゃダメだ。早くゲートを何とかしなきゃ。ゲートさえ閉じることが出来たら、それで終わりなんだ。


 でも、わたしにはその方法がさっぱり分からない。だいたいわたしはこういうパソコン的なものも苦手だし、謎解きだっていっつも空回りなんだ。こういうのが得意なのは、わたしじゃなくて……。


 そうだよ、カンの方じゃないか。

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