013_05_二人で勝利を掴み取る#2
「ひゅぅ! まぢ? リンのことかばっちゃうんだ! さっすが騎士団員ってカンジじゃね!? そーゆーのぜってーやらんと思ってたけど、やっぱ好きなコのためならがんばっちゃう系? ウケる!」
攻撃を止められたセイは面白がって笑い、一旦剣を引いて今度は横に斬りつけた。カンはそれもなんとか受け流すと、
「好きな相手なら、かばうのが当然、か……。だとしたら、君達二人はどうだろうね?」
セイをまっすぐに見据え、静かに問いかける。
「え……?」
セイが驚いたように小さく声を上げ、動きを止めた。そう言われて思い返してみれば――。
トライホーンの時は、ジョーだけ避けて、セイは避けきれなかったりもしてた。っていうか、セイの方が前衛でたくさん攻撃を受けてたっけ。
荷物運びで襲われたときはバラバラに対応してたな。ジョーは一歩引いて、無駄な戦いは避けるようにしてた。
タイラントドラゴンに襲われたときは……最後まで戦うってきかなかったセイ――と、わたし――を残してジョーは緊急帰還したんだった。
あれ?
「ジョーがセイを助けたことってないね……逆もそうだけど。っていうか、お互い協力しているところって見てないかも。仲良いはずなのに、ねっ!」
わたしは動揺するセイの後ろに回り込み剣を振り下ろす。肩口から胸にかけて彼女を斬りおろすはずの剣は、カキン、と固い音をたててはじかれた。当たってるのに、ダメージにならない。むしろわたしの手が痛い。
斬りつけられたセイははっと我に返り、あわてて武器を構えた。わたしは構わず斬りつけるけど、今度は彼女に防がれてしまった。でも防がれても、とにかく攻撃あるのみだ!
だけど、あれ? 攻撃していてふと気づいた。ガードされた時のほうが手の負担が少ない気がする。そっか、剣はいつものやつだ。特別製じゃない。ってとこは、そっちの方が弱い? 武器は壊れるから……狙うなら武器破壊? こっちの武器が壊れる可能性もあるけど……その時はその時だ。
わたしはとにかくセイに剣を振るい続ける。カンとわたし、二人がかりなのにセイは全く気にすることなく、全て大剣で防いでいく。武器を攻撃するのは狙い通りではあるけど、壊れる気配は無い。それに連続で攻撃するとやっぱり疲れて、剣を振るのも辛くなる。ダメなのかな……? 苦しむわたしを見て、セイが笑い声をあげる。
「あはは……あはははは! 二人で必死になっちゃってさ、ばっかみたい! そーだ、ジョーは強いから、ウチが助ける必要なんてないし、ジョーだってウチが強いってわかってるから、手ぇだしたりしないだけ! お互い、大丈夫だって信じあってる! ウチらはそっちみたいに弱くない!!」
わたし達を圧倒するためか、それとも自分で信じるためか、セイはそう叫び、動きの鈍くなったわたしに向けて大剣を振りおろす。大振りなその攻撃を、カンがわたしの前にすっと割り込んで受けてくれた。
「君なんて、俺達の敵じゃないんだよ。リンさん! 守りは俺が――」
カンはセイの大剣に押されながらも、肩越しにわたしをちらっと振り返った。彼は何か言おうとしたのだけど、それを遮ってセイがさらに打ちかかった。
「あー、うっざ。まぢうっざ! 俺が守るとかイマドキそんなのホントに言っちゃうヤツいるんだ!? しっかも弱いクセに? ウチなんか敵じゃない? あはは、ぜんっぜんウチの相手にならんくせによく言うじゃん! 一応ガードしてっけど、ダメージはゼロじゃないっしょ? いつまでリンを守れるかなー? やれるもんなら、やってみれば!!」
セイが笑いながら連続で攻撃を叩き込んでいく。カンは何とか防いでいる……というか、防ぎきれない分は自動回復させて、そのまま戦えるようにしているみたいだ。けれど、そんなのいつまでも持つわけない。加勢しなきゃ――
違う。そうじゃない。マドカさんにも言われたけど、セイは別に、倒さなきゃいけない敵ってわけじゃないんだった。わたし達がやるべき事は別にあるんだ。まずセイを倒さなきゃ、それからじゃなきゃって思ってたけど、それじゃだめだ。
作戦変更。カンに防いでもらってる間にゲートを閉じよう。閉じてしまいさえすれば、それで終わりだ。新型機の強さも関係ない。
急がなきゃ。どこかに装置があるはず! でも、さっきアラームを響かせてたパソコンは違うっぽい。他に何か、変わったものは……と辺りを探す。パソコンのさらに奥、壁のあたりに何か遺跡にあった祭壇のようなもの――というか、ただの台かも――を見つけた。
祭壇……遺跡にもあったけど、あれは祭壇じゃなくて、封印が解けてみたら何かの装置だった。じゃあ、同じように考えたらあれがゲートの制御装置なんじゃないかな? でも遺跡の封印が解けているはずの今でも何も変化が起きていないから、違うのかな? いや、スイッチが入ってないだけかも。
とにかく、調べてみよう!




