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【閑話】創造神、水鏡で見守り中

ここは天界。

白い雲の上にある白い城。

これが私、創造神セルシオスの住居。


その中でも、セリシアの観察、見守る為に大きな水鏡を設置している部屋がある。

その水鏡には、セリシアの現状や、過去も含め、地上で起こったありとあらゆる映像を

見ることができる。


今回もセルシオス神はずっと気になっていることを見るため、ここへやってきていた。


巨大な水鏡の前に置いてある、座り心地のよいソファに座り、

創造神セルシオスは、水鏡の映像を見ながら、

ただただ子供たちの幸せな様子に涙していた。


そう、アレクとヒナの映像だ。


「うっ……ふぐっ……大樹……八重……。

よく頑張りましたねぇーー!!


あ……、今はアレクとヒナですね。

ひっぐ……えっぐ……いい名前を……付けてもらえで……ひぐっ!

本当に……よがっだですねーー!!」


水鏡の中に映っているのは、冒険者達の負傷を一生懸命治しているアレクの姿と、

オルガに抱えられて、束縛されている黒いオーラをまとう変異個体に

オルガの腕の中からにょきっ出てきて、ぺちんっ!と黒いオーラを弾き飛ばすヒナの姿。


「2人とも、あんなに小さいのに……うっ……あんなに頑張ってくれて……

アレクなんて、狭間ではあんなに熱いバトルをしたのに。なんてよい子になって……。

うっ……ひっぐ……ありがどねーーー!!」


嬉しさで涙がとめどなく出て、タオルでごしごし拭く。


創造神セルシオスは、相手には全く見えずとも、胸に手を当て、2人に感謝の意を示す。

そして、ひとりでまた感動の波に飲まれていった。


「うっ……ふぐっ……」


セルシオス神も、本当は心配で心配で仕方なかったが、

まわりに受け入れられた様子が見れて、本当によかったと心から安心できた。


***


水鏡の映像が切り替わる。

今度はリオンが移っていた。

リオンの事も、若いフェンリルで経験が浅い為、気にしていた。

大丈夫だとは思っていても、姿をみて確認したかった。


そこに移っているシーンは……。

冒険者たちがアレクとヒナとリオンを連れて、フォレットの街に帰るシーンだった。


リオンが常に2人の近くにいるために、

大真面目に大型犬のふりをしているシーンである。


本人は大変満足そうだ。


そう、ただ小さくなっただけで、艶めく毛並みも神聖力を感じる深く青い瞳の色も

その佇まいもそのまま……。


「ぶはっ……!! リオン……お前……!

全然隠せておらんぞ!! その毛並みと威圧感……!その神聖力!

どう見ても“ただの犬”ではないわ!!」


映像を見てうずうずし、

思わずツッコミが耐えられなかったセルシオス神。


「ぐふふっ……!は、腹がいたい。笑い過ぎて腹が痛いぞ……」


そして、映像がすすむ。


どうも、2人を守る陣形で街まで歩いているようだ……。

さすがは冒険者。


冒険者5人のうち、

2人が両脇を固め、

2人が先頭を歩き、

真ん中にリオン、ヒナ、アレクが歩き、

後方に残りの1人が付いてくる。


完璧な防御陣形……かと思いきや。


ジークの心の声が聞こえてくる……。


(これで、犬になり切っているリオン様も、

前からくる者達からは、我らに隠れて見えないだろう。

フェンリルと気づくものはいるまい。いないでくれ。)


まさかのリオンを隠す陣形だった……


「ぶはっ……!! くっくっくっくっ………!!

思いっきり冒険者に気を使われているではないかーーーっ!!

あれで隠せていると思っているのが、また愛しい…。くくくっ!」


「もうだめ…リオンが……あの生真面目なリオンが……。面白過ぎる」


「りおんにいちゃ…いぬにみえないとおもう……」


「おー!!アレク、言いおったーーー!!よく言ったーーー!!」

だけど、その後のヒナの言葉でスルーされた。


「いいなぁ。私も仲間に入りたいなぁ」

ちょっとうらやましくなった、創造神であった。


***


そして、映像がまた変わる。

アレクとヒナは銀翼達冒険者に引き取られたそうで、

家ではちゃんと暮らせているのだろうか?ちゃんと馴染めているだろうか?

それも見ておかねばと思った。


水鏡に現れたのは、

銀翼ホームで駆け回り、銀翼のメンバーにちょっかいをかけながら騒ぎ、

疲れ果てて暖炉前のラグに息切れして倒れている2人の姿だった。


「これはこれは、パワフルだね!楽しそうだ。

その後、ジークに抱っこされたり、オルガに肩車してもらったり、

エルミーに抱き着いてみたり、フリードに魔法を見せてもらってはしゃいでいたり、

クロムにクッキーをあーんして食べさせてもらっていたり、

リオンにくっついて寝ていたり。


それはもう家族そのものの姿だった。

「……幸せそうだ…… あの子ら……本当に幸せそうだ…… 銀翼とやら……ありがとう……!」


嬉しさで涙がまた出てくる。タオルでごしごし拭く。

「ひっぐ……。うぐっ……」


うんうん。なにやら考えるセルシオス神。

「そんな暖かな銀翼のみなには、私からご褒美をあげることとしよう!!えいっ!」


セルシオス神から投げかけられた光る玉は、水鏡に入り込み、静かに銀翼の家へと吸い込まれていった。

「これはほんの少し幸運値が上がる加護だ。

探している物が見つかりやすくなったり、今日は運がいいなーと思う程度だけどね。

ふふふっ!」


***


次に水鏡に映ったのは、

冒険者ギルドで欠損を大泣きしながら治すアレクの姿。


「本当にアレク君は、前世の頃から変わらず優しい子だ。

これからも、そのままっすぐ育っておくれ」


大好きな銀翼のかっこいいシーンを教えたくて、

テーブルの上に載って、冒険者達に体いっぱい使って再現するシーン。


「アレク、やんちゃだな!!

冒険者を振り回しているなーっ!

わははっ!」


そして、冒険者ギルドでギルドマスターにつきまとっている2人の姿。


「な、なんだあれは…!親鳥を追いかけるひよこではないですか!

よちよちギルドマスターを追いかけ、追いつくと抱き着いてニコッと笑う……とか。


はぁ……はぁ…… かわいい…… あれは……反則級にかわいい……!」

涙と笑いが同時にあふれ、 セルシオスは忙しい。


「もう十分、2人が幸せに暮らせていることが分かって、安心しました。」


しかし……

最後のシーン。

ギルマスや銀翼達で話し合っているシーン。

アレクやヒナを取り巻く状況の事。

それに対して、ギルマスや銀翼はいろいろ手を打って、2人を守ろうとしてくれていること。

これから世界は大きく変わっていくことだろう。


「セリシアの世界は、私が創造した、私の子供。

そこに住む、様々な生き物も、私の子供といっていい。


子供らで、愚かな奪い合い、傷つけ合いはしないでおくれ……

どうか……争うためではなく、世界を守っておくれ……」


セルシオス神は祈りながら呟いた。

章分けをしました。

ここで一章終了とします。

次の章からは少しずつ権力者が関わり出してきます。

ギルマスの苦労も増えます……。


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