表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/34

19. 真夜中の出来事

深夜、静寂の中、小さな気配が動く


各部屋の暖炉の火が小さく揺れる、

外の風で窓が小さくカタカタ音がする。

ゴーレムは夜間モードで夜の家の警備の為、動いている。

穏やかで静かな銀翼のホーム。


アレクとヒナは、

横並びのベッドで寝ている。

……が。


「……う~ん……」


ヒナがもぞもぞと動き、

アレクの服をちょんちょんと引っ張る。


「……おにいちゃ…おきて……」


「……ん……?

ひな……どうした……?」


目をこすりながら、

ヒナの様子をみると、もじもじしている。


「……おといれ……いきたい…の……

でも、ひとりじゃ…まっくら…こわい…よ…」


アレクは一瞬で目が覚めた。

“おにいちゃん”モード発動である。


「……わかった……!

いっしょに…いこう……!」


アレンはそっと立ち上がり、

ヒナの手を握るり、ドアへ向かって歩く。


ふと近くで寝そべっていたリオンが

2人が起きたことに気づき、顔をあげる。


「りおん……ねてて……いい……

ひなと…おといれ…いくだけだから」


リオンは眠そうにしながら頷き、

「……む……気をつけて…いくのだぞ…」

そういうと、リオンはまた眠りについた。

(家の中だ、何かが起こることもあるまい。)


深夜の廊下、

小さな足音が、こつこつと響く


広い家なので、部屋多ければ、廊下も広い。


アレクとヒナは手を繋ぎ、

暗い廊下を壁についている灯りを頼りに

とてとて と歩く。


「ひな、こわくない……?」


「……おにいちゃと…いっしょなら……

こわくない……」


「……うん……!」


2人の影が、

月明かりや、壁掛けの灯りに揺れている。


銀翼のみんなの部屋の前を通るたび、

中からいびきや寝言が聞こえるのが面白い。


「俺が守ってやるから安心しろ。

…もう、だいじょうぶだ……ぐー」


「じーく…ゆめのなかでも、だれかを…まもってる…みたい」


「じーく…かっこいい」


少しあるくと、隣はオルガの部屋だった。


「むにゃ……肉……もっと…もってこーい…」


「オルガ、くいしんぼう…」


「あはは…くいしんぼう…」


くすくす笑いながら、オルガの部屋を通り過ぎる。


「……ひなちゃん……かわ……」


「えるみーは、ひなと…あそんでる…ゆめ、みてるのかな」


「あした…あそんであげるの…」


(エルミー、明日は喜ぶだろうな)


この隣はフリードの部屋。


「魔法……もっと…つくるんだ…ふはははー」


「ふりーど、まほう…だいすき…だもんね」


「ちょうちょ、すごかった…」


その隣はクロムの部屋。


「……僕が結界を作る…から〜……むにゃ〜…」


「くろむ、ゆめでもみんなを、まもってるね」


「ヒナ、ここに来て、うれしいか?」


「うん。ヒナ、ここ、すき。」


「おにいちゃ…は…?」


(心配させちゃったか)


「おれも、ここおもしろいから…すきだよ」


そして、2人で、ふふっと笑い合う。


「……みんな……ねてるねし……」


「……しーだね。おこし…ちゃう…」


「うん」


その後は、

足音にも気を付けて歩いているつもりの2人は、

とことこと、先ほどと変わらない靴音で

トイレにむかった。


***


「……できた……」


「ひな、おといれできて、えらいぞ……!」


トイレが終わって、帰り道。

2人の眠さが限界にきていた。


「……ねむい……」


「……かえろ……」


2人して、手を繋ぎながら

こっくりこっくり寝そうになりながら歩く。

足元がおぼつかない…。


「……ねむいよ〜だっこ〜……」


「ひな……もうちょっと…だ…」


***


「……こっち……」


「……うん…ちゅいた…ねる…」


完全に寝ぼけている2人は、

自分たちの寝室ではなく――

ジークの部屋の扉を開けた。


ジークは爆睡中。

「……ぐぅ〜……」


「……ねよう………」


「……うん……ふとん…あったかい……」


2人はそのまま、

ジークの布団に、もぞもぞ潜り込んだ。


ちょうどいい大きな抱き枕を見つけ、

アレクは、半分寝た状態で、

無意識にジークの腕に抱きつき、

ヒナはジークの胸元に抱き着いて寝た。


「……おにいちゃ……おや…ちゅ…み……」


「……ひな……お…や…すみ……」


「……ん……?

……んん……?」


ジークは半分寝たまま、

本能的に、2人を抱き寄せた。


「……あったけぇ……」


そしてまた眠りについた


***


朝。

ジークの部屋の扉が開き、

オルガが顔を出した。


「リーダー、朝め…し……ぐふっ」


オルガ、固まる。


「どうしまし…た……」


エルミー、崩れ落ちながらも

嫉妬しだす。

「ジークずるいです!

なんて羨ましい状況!

ずるい…でも、尊い……!!」


「なにこれ……

面白うことになってる……あははっ!」


「僕……泣きそう……

なんて幸せな風景なんだ…」


ジークはまだ寝ている。

その腕にはアレク、

胸元にはヒナ。


「……2人とも、無事でよかった。

だが……なぜジークの布団に……?

トイレに行くといっていたが…」


「トイレの帰りに、寝ぼけて

部屋、間違えちゃったようですね」


そのとおりである。


「「「「尊さでつらい~~~~!!!!」」」」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ