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17. 銀翼のフェンリルのパーティーホームに到着

ギルドでの大騒ぎを終え、

銀翼のフェンリルはアレクとヒナ、そしてリオンを連れて

自分たち“銀翼のフェンリル”の家である、パーティーホームへ向かった。


場所は、まわりは比較的静かだが、

歩いてギルドに行ける距離にあり、

少し歩くと活気がある店通りある。

立地的にとても良さそうな場所だ。


街並みを見ながら歩いていると


「あれだ」

ジークが指さす方向をみると、

明るい薄茶の石壁と明るい灰色のフェンスが見えてきた。


なんか明るい灰色が合わないようにアレクは思ったが、実はあの色、銀翼の銀の代わりなんだそうだ。

銀色だと派手すぎて落ち着かなかったそうだ。


(銀翼パーティーらしい外観にしたかったってことみたいだ)


近づいて行くと、外壁がずっと伸びている。

敷地がかなり広い。


まだ入っていないのに、見えてくる建物の大きさにも驚いた。


「おぉぉぉーーー!おうち、こんなにおーきいの?

銀翼のフェンリルすげー!さすがA級冒険者パーティーだ!」


(ここが……俺たちの家になるのか……?

うわぁ~~~!

中見るの楽しみになってきた!)


アレクが1人で興奮していると、

あっというまに門にたどり着いた。


大きな門を開けると、

薬草畑が見えてきた。

これは、エルミーの畑らしい。

エルフの血が濃い為、緑との親和性があり、

良質な薬草がよく育つそうだ。


(風に揺れる薬草の匂いがする。

落ち着く匂いだ。)


中には可愛い花をつけているのもあった。


ヒナは薬草の近くで深呼吸してた

いい匂いを思いっきりすっているようだ。


気持ちはすごくわかる。


***


玄関を入ると、

木の香りがふわっと香ってきた。


そして、玄関の正面の壁には

銀翼のフェンリルの紋章が飾られている。


「もんしょう、かっこいい!

あっ!もんしょうのまんなか……

りおんにいちゃがいるー!」


そう、銀翼のフェンリルの紋章には、

ギルドパーティーの名前の由来や

パーティーの特徴となるものを入れることが多い。


銀翼のフェンリルの場合は、もちろん、憧れの神獣フェンリルの姿。

それも、銀の翼をもつフェンリルだ。


壁掛け用の飾り盾に細かい縁取りがあり、真ん中に

その銀色の翼をもった神獣フェンリルの横姿が描かれているデザインになっている。


「我には翼はないが、かっこいいではないか」


「ありがとうございます。みんなで考えた紋章なんですよ」


そんな話していると、

まわりにちらちら動くものが行きかっているものに気づいた。


メイド………ではなく、

ゴーレムが動いていた!


「ゴーレム!?動いてるっ!すごい!」

思いっきり振り向き、ゴーレムに目が釘付けなアレク。


「俺が作ったゴーレムだ。

家の家事全般と警備をやらせている。

料理も覚えさせれば、食事を作ってくれるんだぜ。すげえだろ!

最初は、すごいまずかったけどな!

便利な魔導具だぜ。


アレクはそれを聞いて目を輝かせる。

「おるが、しゅげー!おれも…あれ…ちゅくりたい!!!」


(やっぱ、アレクも男の子だよな。男のロマンというものを知っているぜ!)

「わかった。そのうち教えてやる」


アレクが喜び、

ゴーレムを興味津々に見つめている。


ヒナも、はじめてみたものに興味津々で見つめている。


銀翼のパーティーホームの中は、

冒険者らしく、武器、防具庫や、魔導具、

応接室、作戦会議室そして、リビングと、

それぞれの部屋があった。


どれくらい部屋があるのか、数えるのも大変そうだ。


庭には訓練場があり、

日ごろの訓練はそこでやっているとのこと。

ぼこぼこになった木、折れた剣、穴があいた弓の的など、

それぞれが訓練に必要なものを持ち込んでいるようだ。


家の中をひとまわりして、

リビングに帰ってきた。


大体ここに、いつのまにかみんなが集まってしまうそうだ。


「着いたぞ。みんな、ご苦労だったんs。

そして、リオン様、アレク、ヒナ!

銀翼のフェンリル パーティーホームにようこそ!


ここが……今日からお前たちの家になる。」


「……おうち…しゅ、すげー…?」


「……ここ……すむの?

…ひな、うれちい」


「そうだ!俺たち家族の家だ!」


「……安心していいですからね」


「オレとクロムで、家の中案内してやるからなー」


「うん。家族だからね」


ジークが、

「2人の部屋も作ろうなー」と言って

2人の頭を優しく撫でた。


「おれたちのおへや、うれしいな。ひな。」


「うれちい。かぞくいっぱい!おにいちゃ、いっぱい!」


「ジークはおとうさん?」


「じーくぱぱ……」

くふふ……。

照れくさそうに、嬉しそうに言うひな。


(ぐっ!それいいじゃないか!)

銀翼のジーク以外が面白がる。


「俺が父親か。照れくさいな。

オルガだって歳は俺と近いぞ?」


「おれは、「兄貴」になる。

それ言ったら、エルミーはもっと年上だ」


「私はまだ112歳だ。若いぞ」


びっくりしたヒナが思わず聞いてしまう。

「お……おじいちゃ?」


(ヒナ、勇者だぜ!)


(やばい、直球いったよ!)


エルミー以外、突っ伏して震えてる。


「私は!エルフの血が濃いから、長命種族なんだ!」


(なるほど、前世の異世界転生ものの小説と同じだ!)


「ここなら安心だな。

我らの新しい生活が始まるのだ」


アレクはヒナの手をぎゅっと握り、

ヒナはアレクの袖を掴んだまま、

家の中へと足を踏み入れた。


リビングに入ると、

棚には冒険で手に入れた戦利品が並んでいたり、

大きなテーブルとソファのセット、

ごろりと横になれそうな、ふかふかのラグがあった。


アレクとヒナは、そこでゴロゴロしたくなった。


そう思っていると、

キッチンからはスープのいい匂いがしてくる。

きっと夕飯を作っているんだな。ゴーレムが。

カチャカチャ料理をしている音が聞こえてくる。


(こういう生活音って落ち着くよな…)


「……ひな、ひろいなーーーー!」


「……ひな、なんか…ねむくなってきた……」

ゆらゆら揺れてヒナ。


銀翼のメンバーは、

2人の反応にほっこりしていた。


***


「さて……まずは風呂だな!

森でいっぱい土がついただろうし、

汗もいっぱいかいただろう!

綺麗にしないとなー!」

オルガが促す。


もうゴーレムに言ってお風呂の準備はできているようだ。

(便利だー)


「お湯、沸いている

一緒にからいきましょうね」


「タオル、もふかふかの用意したぜ!」


「石鹸、優しいやつにした……!」


「お前ら……準備良すぎだろ。

みんなで入りに行くぞ!」


アレクとヒナは、

お風呂場の前でそわそわしていた。


「……おふろ!」


「……おふろってなーに?これ?」


ジークは優しく説明する。

「体をきれいにして、温まる場所だ。

怖くないぞ。

みんなで入ろうな!」


「……にいちゃも……いっしょ……?」


「もちろん…いっしょだ!」


「じゃあ……いっしょに…はいる…」


銀翼のフェンリル全員、顔が緩む。

「「「尊い~~~~!!!!」」」


***


湯気がふわっと立ち上る浴室。


5人入っても余裕がある大きさの岩風呂は、

メンバーのこだわりの逸品である。


体の芯から温める効果があるとされている石があり、

それが風呂にするのに最適だそうで、

その石を取り寄せて、職人に風呂にしてもらったそうだ。


贅沢である。

さすがA級冒険者というべきだろうか。


ちょうどいい温度のお湯がたっぷりはいった岩風呂。


アレクは前世の記憶から、入り方を知っていて、

早く湯舟に入りたくて、急いで掛け湯をして、湯舟にゆっくりと入った。


「ふ~~~~~。

……あったかい……!おふろ…さいこうだ…」


ヒナは、そんなアレクの真似をして、

同じようにしてから湯舟につかろうとして、

ヒナには深かったらしく、怖がったので

エルミーが手助けして入れている。


「えるみー…ありがと……

きもち……いいね〜〜〜!」


ヒナは湯船に入ると、

ぱぁっと笑顔になった。


ジークは驚いていた。

アレクが風呂の入り方を知っている。

しかも、掛け湯までしてから入っている。


(いろいろ秘密も抱えているのだろう。

少しずつ話してくれるようになればいい……)


自然に話せるようになるまで、

聞かないでおこうと決めたジークだった。


リオンは浴室の外で待機しているが、

扉の隙間から心配そうに覗いている。


「りおんにいちゃん…、はいらないの?」


「我はいい。

滑らないように気をつけるんだぞ」


銀翼全員一瞬思った。

(もしや、動物特有の風呂嫌い?

お湯をかぶるのが嫌?いやいや、まさかねー)


「うん……!」


「おにいちゃ……みて……!」


ヒナは洗い場で、泡をもこもこに泡立てて、

頭にかぶっていた。


(ヒナの頭、泡アフロ……でかい…)


「ヒナ、あわあわすげー!」


「あははは〜〜!おふろ…おもしろーい!」


アレクも負けじと

頭を洗いつつ、モヒカン頭にして、フリードに振り向いてみせる。


「ぶはっ!アレク、おもしれぇ!おれもおれも!!」

フリードも何かのかたちにしようと悩んでる。


「天使が……お風呂に……!」

クロムは湯舟にずっと入りっぱなしで様子を見ている。


「おい、クロム、のぼせて鼻血出すなよー!」


「お前ら落ち着け!」


***


お風呂から上がった2人は、

ふわふわのタオルに包まれて、

リビングで銀翼メンバーに囲まれた。


「……からだ…ぽかぽか……」


「……ひな…ねむい……」


2人して、リオンに倒れこむ


「……このまま、りおんにいちゃとねる……」


「…ひな…も…りお…ねりゅ……

ひな…ここ…しゅ…き…」


銀翼のフェンリル全員が胸をおさえる。

「ぐっ!!!かわいい……」


「ひな…ここ好きだってー

よかったなー」


「うん。そうだね。…ねちゃった」


「「「尊い~~~~!!!!」」」


こうして、到着当日、

アレクとヒナは、旅の疲れと、風呂での遊び疲れで、

夕飯を食べる前にぐっすりと眠ってしまったのだった。


それじゃあ、この子達の部屋のベッドに寝かして来よう。

ジークとエルミーがアレクとヒナを

起こさないように抱きかかえ、

2人用に用意したベッドに寝かせに行った。


***


少しして、ジークとエルミーが帰ってくる。


それをみて、リオンが銀翼全員に話しかける。


「今回は私の願いを叶えてくれて、ありがとう。

助かった。

今のうち、家族として受け入れてくれた皆に、

2人の事をある程度話しておこうと思う」


銀翼全員が佇まいを整える。


「アレクが風呂を知っていたこととかですか?」


「え?そうなの?アレク、入ったことないはず…だよな」


「そうだ。そういうことも含めて話しておこうと思う。」


そしてリオンは続ける。


「まず、あの2人はな、転生者だ。

他の世界で亡くなり、

創造神の導きで転生したのがアレク。

このセリシアの世界の導きで転生したのがヒナだ。


共に創造神の愛し子、世界の愛し子として、

黒いオーラに対抗できる可能性があるとして、世界に転生している」


「あの黒いオーラにですか?

触るだけでも魔力を吸われるから、

近づけないと言われ、今、大きな問題になっているやつですよね。

それに対抗できるのですか?」


「あぁ、どのようにかは分からない。

ただ、可能性があるという話だ。

能力の開花の予兆もまだない状態だ。

私もあのような幼子を戦地の最前線に連れて行きたくはない」


「さすがに連れて行きたくないですね。

どうにかできるなら、かわってやりたくらいだ。

だが、まずは、その能力が開花しないことには、対策も考えようがないということか」


「そういうことだ。

今は、この環境に早くなれるように、見守るしかあるまいよ。


そして、転生といえば”記憶”だ。

ヒナの前世の記憶をほぼ失っているだろうと聞いている。

普通の2歳児と思っていい。

ただ、前世の影響か、「兄」というものに、固執している」


「確かに、アレクにべったりですね」


「そう。そして、アレクは

前世の半分くらいの記憶を持って転生してきているらしいと聞いている。

創造神とも話をしていたそうだ。

その時に、ヒナを守ることと、

その遂行の為、いろいろスキルを神に与えられたそうだ。


現在そのスキルは、

転生時のショックで、わかりやすくいえば、

鍵の掛かった箱のような状態になっている。


何かのきっかけがあれば、鍵が開き、

スキルが使えるようになるだろう。

どんなスキルを与えられたかは、私にはわからん。


また、アレクの残っている記憶だが、

転生のショックで、あまり思い出せないでいたようだ。

それが現在、少しずつ思い出せるようになりはじめたところのようだ。

ただ、精神は体の年齢につられているという。

そのへんはデリケートなところだ。あまりつついてくれるなよ。


その為、アレクはときより大人のような考えや行動を起こすことがあるが、

理由はそういうことだ」


銀翼全員おしだまる。

「………」


思ったより規模が大きかったようだ。


「なんて言っていいかわかりませんが、大体の事は分かりました。

転生するのも、かなり負担がかかるものなのですね。


そして、アレクはヒナを守るために転生してきたのですね……

かっこいいじゃないか、アレク……」


「ああ。幼いヒナを一人で行かせられない、決心をしてくれたそうだ。

勇気のある青年だ。今は事故で幼児になってしまったがな」


「幼くなっても、しっかり兄をしている。すげぇな、アレクは」


「そんなことがあったのですbね。

2人とも、よくここにたどり着いてくれました。

これから家族として、守ってあげたいですね」


「おれも、アレクやヒナと仲良くなりたい。

そして、転生の理由がりゆうだけに、

この世界で危ない目に合わないでというのは無理かもしれないけど、

助けられることは助けてやりたい」


「僕も、その為に僕ら準備しておく必要もあるのかもね」


「そうだな。

リオン様、話してくださって、ありがとうございました」


「いや、我々が巻き込んだようなものだ。

話しておかねばなるまいよ。


それに、私ももう皆の家族だ。

私のことは”リオン”と呼んでくれ。

”様”はいらぬ。

あと、敬語もな。我は犬だ。

犬に敬語を使うのもおかしかろう」


「くくっ。ですね。

わかりました。リオン。

これから、家族としてよろしくたのむ!」


「あいわかった!」


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