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16. 任務完了報告と受付嬢

「よし、お前ら。次はカウンターで任務完了報告をするぞ」


「そうだな」


銀翼のフェンリルは、カウンターへ向かう。


「あ、銀翼さん。

依頼の報告ですね?」

受付嬢さんはにっこり声をかける。


「ああ。

護衛任務、無事達成だ。

これは、完了書類だ」


「確認しました。

お疲れさまです。

……で、あの子たちは?」


(((((やっぱ、そうなるわな)))))


「依頼完了の帰りに保護した子たちと、

子供たちに懐いてついてきた”犬”だ。

ギルドマスターには報告済だ。

俺たちが引き取ることになった」


「引き取る?銀翼の方たちが?

うらや……そうですか、承知しました」


「……ワン」

(我は大人しい犬だぞ。安心するがよい。)


「………」

(犬にして、綺麗……絶対犬じゃない……でも可愛い……)

「ワンちゃんもよろしくね」


アレクとヒナが挨拶しようとカウンターに近づく。

そして、カウンターにへばりついた。


(…カウンターの上にとどかなかったのか…

背、ちいさいもんな……)

微笑ましく笑う銀翼達。


アレン&ヒナが悔し気に半べそで訴えて振りむく。


そこで、クロムがすかさず動く!

近くにいたのは、ヒナだ!

早速!と、ヒナを抱っこ……できなかった。


「ひな、ご挨拶しましょうね」


「あいさつ…する!」


悔しがるクロム。

「む~~~~!」


当然アレクも確保され済。


「ほれっ。アレクも挨拶だ」


「うん!」


そして、受付嬢に向き直る。


「あれくです。しゃんしゃいです!ぼくも、ぼうけんしゃ…なります!

よろしく…お願い…しゃす!」

指をぴっちり3本立てる。


「……かわいい…」

「…将来の冒険者さん、…よろしく…お願いしますね」


ギルドホールが静まり返る……

カタカタ音がする。


「よし、アレク、えらいぞ!お前は兄ちゃんだもんな!ひなwの見本にならなきゃな〜!」


「うん!おれ、にいちゃだからね!」


そして、


次はヒナの番


「ひな…です!ひな…いくつ?よろしく…です」


アレクが助け舟をだす。

「ヒナは、1しゃいです」


「ありがとうね。ヒナちゃんも、これからよろしくね〜」


ヒナは挨拶ができて、満足そうである。


そうして、生暖かく皆盛られながらの自己紹介がおわった。


(今日の銀翼、子供に対して尊すぎて眩しい……!!

ただでさえかっこいいのに!尊さがプラスされてしまったー!

……頭から離れない。あの子供に対する柔らかい表情………仕事にならない……)


***


受付嬢は書類を取り出し、

銀翼たちに真剣な表情で聞き始める。


「護衛対象の商隊は無事ですか?」


「ああ。

変異個体の魔物に襲われたが……

撃退した」


「強かったが、なんとかなった」


「……あの魔物、回復力が異常でした……」


「魔力の質も異常だったね」


「倒しても倒しても回復してくるし、大変だった……」


「……なるほど。ありがとうございます。

後でギルドマスターにも報告しておきます」


「頼む」


「報酬は後ほど。

……それより――」


「2人とも、ギルドにようこそ。

これからよろしくね」


「……よろしく……!」


「……ひな……がんばる……!」


「っ……!!

偉いわね……ほんとに偉い……!」


***


受付嬢が、子供が来ているからと

お菓子を用意してくれていた。


カウンターから出てきて、

アレクとヒナの小さな手から

落ちそうなくらいのお菓子が入った可愛いい色の袋を載せる。


アレクはお菓子袋を握りしめ、

屈んだままの受付嬢にぎゅっと抱きつく。


「……おねえちゃ…ありがとう!…すき……!」


ヒナも真似してお菓子の袋を握りしめて、受付嬢にはりつき、

頬をすりすりと、こすりつける。


「……おねえちゃ…ありがと…ひな、うれちい…おねえちゃ、すき……」


受付嬢が笑顔で突っ伏して震えている。

「っっっ!!

だめ……可愛すぎて……仕事にならない……!」


「「「受付嬢撃沈~~~~!!!!」」」



「アレク、お菓子もらえてよかったですね。」


「うん……!」

アレクが嬉しそうに頷く。


「りおん……みて……!」


「見ているぞ。

可愛い袋にお菓子をいっぱい入れて貰ったようだな。

よかったのう」


「「「「「あ!!」」」」」

リオンが言葉を発してしまったことに気づくも、

もう遅い。


ギルド内の関係者、冒険者たちが無言になった……

「!!!!」


リオンがまわりの反応で、やっと気づいた。

「しまった」

(……あー。やってしまった……)


手遅れである。


こうしてリオンが、あの伝説の”神獣フェンリル”と知られてしまったのであった。


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