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女魔法聖騎士は復讐とやり直しのため過去と未来に(処刑は自業自得なのだけれど)  作者: 安藤昌益
行動開始

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9/22

頼まれていることがあるのよ(未来)

 安宿のベッドの上で、エスペランサとドローレスが仰向けに並んで荒い息をしていた。少し暑い時期になっていたこともあり、2人とも汗でびっしょりだった。汗に、他の体液もかなり混じっていた。

「あんた、こっちのほうも凄いじゃない?私はもうくたくたで腰が立たないわよ。」

とドローレスが言うと、

「何言っているのよ。私こそ、何回むいかされたか、10回目からは数えることができなかったわよ。凄いテクと体力と・・・欲望だったわ。」

とエスペランサは返した。

「あなたには、とても及ばないわよ。」

とドローレスは横向きになり、エスペランサの胸に顔をつけた。その後頭部をエスペランサが優しく撫でた。ドローレスは、エスペランサと同様、同性愛者ではない。こういうことは、女冒険者同士のままある付き合いというか、遊びというか、じゃれ合いというか、政敵欲求の解消をしあうというか、そういう行為だった。

 「荒野の乙女」結成から半年近くたち、この町でエスペランサはパーティーから別れることになっていた。パーティーには、パーティー名からはそぐわないが、支援職や荷物運びで男達が入ったし、その彼らを含めて10人以上の人数となっていた。男達は、エスペランサが大丈夫な連中だと太鼓判を押して、入会を認めた連中であり、期待通りの働きをしていた。

 彼女との別れについては、特に女達は泣かんばかりに引き留めようとしたし、男達も彼女がいないのであれば・・・と言い出す始末だった。どちらも、彼女がいないと自分達がやっていけないのではないかと不安だったからだ。

「大丈夫よ。実力も、経験もちゃんとした、と思っているんだから。自信を持ちなさい。」

と彼女が宥め、

「彼女には彼女の都合があるのよ。自分達の都合で彼女に迷惑をかけないの。」

とドローレスが窘めた。

 その夜、エスペランサの部屋にドローレスが入ってきた。

「もう我慢できなくなってね。」

と彼女に抱きついてきた。

 エスペランサも、体が無性に熱くなっていて、それを拒むことができなくなっていたというより、積極的に応じたのである。

 そのままベッドの上に2人は倒れ込んだ。

 焦るように、互いの口を吸い合い、その時には全裸になっていて、何時脱いだのか記憶になかった、互いの乳房を乳首を押し付け合い、互いの股に手を差し入れていた。

 もう後は、喘ぎ声を、相手への愛撫を、自分の体を押し付け、唇を吸い、を競うように・・・。自分達では覚えていないくらい体を痙攣させ、体液を溢れさせた。

「また、会ったらよろしくね。」

「ええ、こちらこそ頼むわ。」

 そう言いあって、2人は寝息立てて、抱き合いながら眠りに落ちた。

 翌日、ドローレス達と手を振って別方向の道を進むことになった。


 かなり歩いてから、エスペランサは立ち止まって、後ろを振り向いた。このまま「荒野の乙女」にいても良かったかも、と思ったのだ。自分を慕ってくれる後輩の若い、大した差はないわと心の中で叫ぶのではあるが、冒険者達の顔を思い浮かべた。彼女達に稽古をつけて、助言したりして彼女達の腕前、のうりょんが上がるのを見ているのは楽しくもあった。彼女達を助けながら、パーティーとして上に上がっていくことは充実するものを感じた。それ以上に彼女らといた時間がとても心地よく感じられたことを思い出したからである。このまま過去を忘れて、新しい人生を過ごすのも、歩むのも、平凡な地道な暮らしをするのもいいかもしれないと、あらためて考えた。

 だが直ぐに、裏切られて処刑されたあの日の屈辱、無念さ、絶望感、怒り、恨みを思い出した。心の奥深くから噴出してきた、という感じだった。そして、信じていた者達に裏切られて、惨めに処刑されたが、そこで家も実績も得て来たもの、必死になって努力により得てきたものの全てを失ったのだ。その恨みを晴らさずにいいのだろうか?否だ。裏切りの報いは当然受けるべきものだ。彼女はまた歩き始めた。


 彼女を裏切った者達の動向は完全ではないが、ある程度集めることができた。自分を処刑の運命へ導いた、そもそもの原因となる人物。彼に会うことで、より詳しいことがわかるはずだ、彼女は確信していた。

「聞き出した後どうするか?」

 もちろん、彼には自分がしたことへの代償を払ってもらわなければならない、彼女は確信していた。

 目的地は、ハプス神聖帝国帝都ウインである。そいつは、そこで幽閉されている。

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