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「死亡フラグが立ちすぎてる彼女を何とか救いたい」というゲームの世界に転生してしまったので彼女を救おうと思います?。(連載版)  作者: おすし
真章

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26

 国家官邸の特別会議室。


 そこに睦月の姿があった。


 豪華な広い部屋の前面の壇上に一人、その前に睦月、後部の壇上には十一人が着席している。


 前面の壇上に座るのは一条京華(イチジョウキョウカ)、世にも珍しい二重適正の持ち主だった。


 その適正は共和と予測。


 最高(スプリーム)発信官(イニシエータ)最高(スプリーム)事象予測者(シュミレーター)の地位を持ち、まさに国を治める為に生まれてきた人間。事実上国家の最高権力者だ。


 年齢は二百歳を超えているらしいのだが、見た目はまだ百歳を切っていると言われても誰も疑わないだろう。


 後部には十一人の最高事象予測者が座っている。


「ーーーー以上。今回の事故の顛末です。」


 睦月が今回の事故の顛末の報告を終えると京華が一人の事象予測者に声を掛ける。


「私の後継者候補を失ったのは重大な国家損失です。・・・この件の担当範囲はあなただったわね。どうして事故が防げなかったのかしら?」


 その事象予測者は蒼白な顔で狼狽えながら答える。


「・・・申し訳ございません。このような結果は全く予測出来ませんでした」


「その原因は特定できて?」


「申し訳ありません。出来ていません」


「そう・・・まあ、私も含めその他十一人も掴めなかったのだから未知が働いたとしか考えられないわね」


 その言葉にそこに居た全ての者が押し黙る。


「これ以上責任追求しても仕方無いわね。人心研究室室長、あなたには施設の早期復旧と今後の事故対策と防止策、並びに緊急体制の強化の検討および実施、その後の経過報告を命じます。この件は国家機密、よって処分は行いません」


 睦月は深々と頭を下げる。


「承知しました。この度は大変申し分けありませんでした」


「他に何か言いたい事がある方いまして?」


 その言葉にも会場は沈黙を保つ。


「そう、でしたらこの場はこれで終わりとします。くれぐれもこの件は国民には内密に。・・・後、睦月さん。あなたには話したい事があるの。この後私の部屋に来てちょうだい」


「畏まりました」


「では終わります」






 事故が起きて三年後。


 当時は体が元に戻るまで少し塞ぎ込んでいた輝だが、復調後はこれまでにもまして訓練に打ち込んだ。


 あの時、七歳の輝は得意なフォトンイレイサーしか使えなかった。


 もし、リガバリーが使えたら真月を救えたのだ。


 本来イレイサーだけでも七歳で使えるのは凄い事で、まして施設の一部を子供用訓練デバイスで消し飛ばすなどあり得ないのだが、輝はそれをそうとは思わなかった。


 もうあんな思いはしたくない。


 その一心で技術を磨いた。


 その成果もあり十歳という年齢でもう実践が可能になる程の実力を身につけていた。


 この世界の十歳はあの世界の十四歳ぐらいの風貌になる。


 体も大きく育ち、大人と混じっても何ら違和感を覚えなかった。


 美月も美しく成長した。


 真月がいなくなって、幼少の時のような気弱さを感じられなくなった。


 輝が励んでいる姿を見て自分に憤慨し精進したのだ。


 その頃には通常の予測者を大きく上回る実力を付けていた。


 そして真月の穴を少しでも埋める様に輝に接していた。


 但し、その事はこの後すぐに現れる人物によって少し遠慮する事になるのだが、それでも真月が生きていた頃に比べるとかなり頑張っていたのだろう。




 輝が実践訓練を十日後に控えたその日、()()は姿を見せた。


 睦月より、輝専属の時空移動装置のオペレーターであるホムンクルスが連れてこられたのだ。


 睦月に呼ばれた輝は彼女と相対する。


 輝は彼女を見た瞬間、衝撃で声を上げそうになったが、それを押しとどめた。


 状況を慎重に把握する必要があると思ったからだ。この頃から輝は完全に人を信用する事をやめていた。()()()()を除いて。


「この子はホムンクルスの瑠奈、あなた専属よ。能力値はオール3A。最高級の能力をもつの。()()()達と同じ遺伝子情報で作られてるわ。()()ちゃんにそっくりでしょ?」


 睦月の紹介に無表情のホムンクルスは会釈する。


『どういう事だ?・・・』


 瑠奈の周りに()()()()が浮かび輝いて見えているのだから。


 輝は気を取り直し、あれからあまり見せなかった笑顔で瑠奈に挨拶する。


 そして睦月に聞こえない様に瑠奈の耳元で()()()()をささやきやいた。


「?」


 瑠奈の表情は変わらない。ホムンクルスだから。


 輝は睦月に今後の予定を聞き、すぐに退出した。


 残された睦月は瑠奈に声を掛けようとして驚く。


 感情に制限を受けている瑠奈が涙を流していたからだ。()()()()()()()()()・・・・。


「ど、どうしたの?何かあったの?」


 それを聞くも瑠奈は首を横に振るだけだった。






 そしてそれから約二十八年後、この物語は始まる。


これで回想は終わりです。

この時の瑠奈の心境は短編のホムンクルスの少女に書いてます。

連載版では消してます。

良かったが覗いて見てください。

続きはぼちぼち書きます。

読んで貰えてありがとうございました。


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