第4話 お断りします
「俺の顔に何か付いているのか?」
「も、申し訳ございません!!ご挨拶が遅れました。私、リアナ・スティバーグと申します」
慌てて立ち上がり、私は頭を下げる。
「まあいいとにかく座れ。お前に話がある」
淡々と伝えるレオンハルト。しかし私にとっては今から何を言われるのか恐怖でしかなかった。
(もしかして処刑!? さっき顔を見すぎたから不敬だ、とか言われて処刑されるのでは!?)
少し怖がりながらソファーに座る。
「その......お話とは?」
「俺と婚約して欲しい」
「はい?」
(え、こんやくってあの婚約......??誰が??え?私がレオンハルト様と......?)
「ぜっっっったい嫌です!!」
机をバン!っと叩き、目の前のレオンハルトを見る。レオンハルトはふっと笑っていて、普段の冷静沈着な彼からは考えられないような表情をしている。
「そもそも!なぜ私なんですか!私たち初対面ですよね!?」
「俺がお前のことを気に入ったからだ」
「気に入っただけで婚約申し込みますか!?」
「気に入った相手は早めに囲うべきだろう?」
(ダメだこのポンコツ皇太子......冷静沈着なイケメン皇太子などと言われているけれど本当はただの阿呆なのでは??)
「なぜ私のことを気に入ってくださったのです?途中で舞踏会を抜け出した相手を」
「だからだ」
彼の目は本気だった。こちらをじっと見つめ、視線を逸らすことが出来ないくらい真剣に。
「普通の令嬢なら俺に気に入られようと近づこうとしてくるはずだ。しかしお前は俺を見向きもせず帰ろうとした。初めてのことだったからな。それでお前を気に入ったという訳だ」
「つまり、珍しかったから、と」
「そうだ」
「ですが!!婚約は出来ません!!」
私の目標は『外に出て自由に冒険する』だ。ここで皇太子と婚約し、皇太子妃にでもなれば毎日公務をして、嫌いな令嬢教育を受けさせられ、自由とは程遠い生活になってしまう。
「なぜ俺と婚約したくないんだ?」
「私は自由になりたいのです!貴族の生活だなんて真っ平御免なのです!色々なところに行って、冒険する。もしレオンハルト様と婚約すればその夢は遠ざかってしまうでしょう?」
その言葉を聞いたレオンハルトは、意表を突かれたように目を見開いた。




