第3話 人生最大のピンチがやってきました
ちょうど皇太子、レオンハルトが公の場に姿を表し、令嬢たちに囲まれている時。彼は令嬢たちに囲まれながらも、ふと人波の外へ視線を向けた。
誰もが自分を見ている。そんな中で、一人だけ。こちらに見向きもせず、辺りをキョロキョロと不審に見回し、静かに会場を後にしようとしている令嬢がいた。
「……」
今まで、令嬢達は気に入られようと近づいてくるのに、興味を持たず、ましてや帰ろうとしている令嬢など、レオンハルトにとって初めてのことだった。
(誰だあの令嬢は)
初めて自分から気になった令嬢だった。どんな人物なのだろう。そんな考えがレオンハルトを動かした。彼は近くの騎士に指示をする。
「帰ろうとした令嬢を引き止めておけ」
「かしこまりました」
───時は戻り
帰ろうとルンルンなリアナ。
(帰ったら〜魚釣り〜そうだ!今日は秘密基地で寝ましょう!最高ね〜)
帰ってからの生活を想像してして浮かれているリアナ。
すると
「そこのご令嬢」
と騎士に声をかけられた。リアナはパニック状態。騎士に声をかけられるなど、初めてのことだった。
(え、私なにかやらかしました......??本当は帰ってはいけないとか!?皇太子殿下来ていらっしゃったし、流石に不敬過ぎたってことかしら!?)
今までの行動を振り返れば振り返るほど色々思い当たる。
「あの、私なにか失礼なことでも......??」
「レオンハルト殿下より、お話があるため、しばらくお引き留めするよう仰せつかっております。」
「え?私を??皇太子殿下が?」
「はい」
リアナ、人生最大のピンチ。
──────
騎士に案内され、リアナは応接室に案内された。
(すごい豪華......流石皇族って感じね......あの絵画の植物なんでしょう)
レオンハルトを待つ間、リアナは応接室を探索することに。普段は高価な物にはあまり興味のないリアナだが、初めてのところなので興味津々だ。
(なんだろうこの置物は......これは置く意味あります?)
と1人の世界に没頭していると。
ガチャっとドアが開く音がする。入ってきたのはさっきまで遠くから見ていた人物。
そう。この国の皇太子、レオンハルト・アルヴィジア。彼はリアナをしっかり見ている。一方のリアナも、レオンハルトをじーっと見る。
(近くで見るととんでもない美形だわ......)




