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第14話 婚約者候補

「何の話だ」


静かな声が図書室によく響いた。振り返ると、会議を終えたレオンハルトが立っていた。

「で、殿下......」


ヴィオレッタとその取り巻き達が慌ててレオンハルトに一礼する。

「わたくし達はただリアナ様と少しお話をしていただけですわ」

「そうか」


彼が短くそう答える。私はぼーっとレオンハルトのことを見ていた。

「何もされていないか?」

「特に何もされていませんよ」

「なら。リアナ嬢を田舎者と言ったことはどう説明するんだ?スティバーグ家は国でも屈指の名門だ。その家を侮辱するということは俺を侮辱するとと同じだが」


ヴィオレッタは慌てて頭を下げる。

「も、申し訳ございません……!」

「それに彼女は俺の客人でもあり、大切な人だ」


三人は完全に固まる。皇太子自ら『大切な人』と言った。

「下がれ」

「……は、はい」


ヴィオレッタ達が去った後、沈黙が続く。

(何か話すべきなのかな......)

「お前はもっと危機感を持った方がいい」

「何故ですか?」


レオンハルトは答えなかった。その代わり、私が持っている本を見た。

「借りるのか?」

「はい! この続きが気になるので」

(嫌味を言われても気づかないのか......一人にするべきではなかったな)


───

一方その頃。

「ありえない......あんな礼儀知らずな女が殿下の大切な人、ですって!?」


ヴィオレッタは自室で扇子を机に叩きつけた。

「あんな田舎者の地味な女を殿下が庇うだなんて......!!」

「ですが、スティバーグ公爵家の......」

「知っていますわよ!」


王国でも有数の名門の公爵家。昔から皇族との関わり合いも深い。そんなことくらい知っている。

だが、社交界にも出てこない女がレオンハルトと仲良くしているのがどうも気に食わなかった。


「わたくしが一番の婚約者候補ですのよ......とにかく、調べなさい。リアナ・スティバーグを」

体調が優れないので、今日は短めです

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