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最強AIの異世界転移  作者: 蓬莱
第2章 ぶっ飛ばせ!魔樹の軍勢
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第51話 vsヴェイル 序章

「な、何だ今のは!? 先史種(エンシェント)共が消し飛んだ!?」


自身の生み出した軍勢が、一瞬で全滅した事実を受け止めきれず、ヴェイルは困惑する。


(いくら生まれたて(・・・・・)とは言え、先史種(エンシェント)だぞ? しかも大群だぞ? それが、一瞬で全滅だと? アルトですらそんな事は出来ねぇのに。…………つまり、そういう事なのか? 敵には、アルトを越える怪物がいるってのか!? じ、冗談じゃねーぞ!!! 何だよそのバケモノは!?)


ヴェイルにとって、一番大きな障害はアルトだった。だが、それは同時に、アルトさえ攻略できれば目的の成就も容易いという、ある意味モチベーションになっていた。そしてヴェイルはアルトを超え得る力を手にし、目的である世界征服を目前にした――――はずだった。しかし、突如敵にアルトを超える存在が出現し、ヴェイルの計算は大きく狂い始めていた。


(…………いや、落ち着け。アルトを超えるバケモンはヤベーが、それなら直接叩き潰せばいい。そもそもアルトも、最終的には直接倒すつもりだったしな。こうなりゃ少し早ぇが、先に行かせた同胞達が()られる前に、()っちまうか)


早速カルメラとミカエル(バケモノ)を倒す為に移動しようとするヴェイルだったが、しかし、それを制止する声が掛かる。


《止めときなって》

あれ(・・)はお前の勝てる相手じゃない》

《死にたくなかったら諦めな》


それは、ヴェイルが吸収した少年と少女の声だった。


《おいおい、契約を忘れたのか? 俺に逆らったら――――》

《私達はただ提案しているだけ》

《お前に逆らってる訳じゃない》

《それで、どうするの?》

《餌の意見なんて聞くかよ》


そう吐き捨てて、ヴェイルは窓を突き破って王城の外へと飛び出す。そして飛び降りると同時に地中へと潜り、カルメラのいる方へ向けて全速力で移動を開始した。



*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*



「――――来るよ!」

「っ!」


帝都の強大な気配の主が、こちらに近付いて来る。あれがヴェイルで間違いない。


《皆! まずは状況を確認しよう。敵はヴェイルと、国を囲む先史種(エンシェント)、後はもの凄い数の樹系魔族(トレント)草花魔族(プラント)、で合ってるよね?》

《あぁ。樹系魔族(トレント)草花魔族(プラント)は数万越え。先史種(エンシェント)は残り3人だ。姉さんやアルトさん、スララさんのお陰で大分片付いているが、それでもすごい数だ》

《じゃあさ、残りの先史種(エンシェント)の討伐は羅剛、桃華、カイザー、蒼創、アルトさんに任せて良い?》

《俺は良いぜ!》

《承知した》

《問題ない》

《私も》

《任せておけ》


皆、快く承諾してくれた。


《スカルは不死系魔族(アンデッド)の皆を指揮して、他の敵の殲滅をお願い。スララさんは人形(ゴーレム)達と遊撃に周って。特に、ヴェイルが生み出してる先史種(エンシェント)は優先的にお願い!》

《御心のままに》

《了解っす!》

《勇華は引き続き、南西側の守護を頼むね》

《あぁ、任せな》

《ミカエルは僕と一緒にヴェイルを倒すよ!》

《はい!》

《そんじゃ、行くよ!》

《応!!》


皆それぞれ、自分の役割を果たすべく動き出した。


《さぁて、もう大分近付いてるはずだけど………ヴェイルはどこから仕掛けて来るかな?》

《普通に考えれば地中を移動しているわけですから、そこから奇襲を仕掛けてくるのでは?》

《だよね。――――っ!!》


下からの殺気に反応し、カルメラ様(マスター)が ”赫灼幻想盾” ――――ではなく ”黎明幻想盾” を展開する。ただし、盾を構えたのは下では無く、上だった。


《っ!? あれは、ミサイル!?》


正確には、飛んできているのは果実だ。しかし、あまりにも不自然な程に流線形で、ヘタの部分から火を吹き出し、まるでミサイルのようにこちらに迫って来る。


カルメラ様(マスター)、衝撃に備えてください。恐らくあれは、着弾と同時に爆発します!》

《え!?》


そしてミサイル型果実は盾に着弾。見た目通りの凄まじい爆発を起こした。権能も称号も付与されていなかった為、盾もカルメラ様(マスター)も無傷だった。しかし、こんな果実は見た事が無い。まあ植物の魔物までいるし、割と何でもありな気はするが。


《まだまだ来る!》


ミサイル型果実が、次から次へと飛んでくる。


鬱陶(うっとう)しいですね。さっさと『素粒子分解』で――――》

《いや、そっちは盾で対応しよう。それよりも、本体を炙り出そう。”幻想虹線”!》


”黎明幻想剣” が一振り作り出され、そこから光線が発射される。その光線が大地を貫き、深く巨大な風穴を作った。


《っ! あれは!》

《来たね》


風穴の中から、人影が飛び出す。緑の服に緑の髪、さらに言えば瞳まで緑の、全身緑一色の男。その男から強烈な覇気が発せられている。あれがヴェイルか。


「…………貴様か。俺の眷属共を葬り去ったのは」

「ま、そうだね。そっちはヴェイル、で合ってるのかな?」

「あぁそうだ。俺こそは、樹系魔族(トレント)草花魔族(プラント)の王たる存在、ヴェイルだ。俺達の野望の為、お前にはここで死んでもらう」

「出来るものなら――――やってみろ」

「っ!!」


カルメラ様(マスター)が本気でヴェイルを威圧し始める。怯えた様子を見せたヴェイルだったが、すぐに気を取り直し構えて来た。


「ふ、ふんっ! 俺にはこの称号の力がある。たかが小娘なんぞに負けるかよ!」


ヴェイルが啖呵を切り、力を解放する。こうして遂に、ヴェイルとの戦いが始まった。

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