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最強AIの異世界転移  作者: 蓬莱
第2章 ぶっ飛ばせ!魔樹の軍勢
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第50話 いざ、出陣!

時を少し遡る――――



*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*



――――最悪だ。

まさかヴェイルの持つ称号に、先史種(エンシェント)を無限に生み出す能力があったなんて…………!


《こんなの、想定外です…………》


ヴェイルという先史魔樹(エンシェントトレント)が、他と違って無から魔物の森を作れる事は分かっていた。でもまさか、先史種(エンシェント)をその場で生み出せるとは夢にも思わなかった。


先史種(エンシェント)はSS級。その由来は、長く生きた事による成長の賜物。それを一瞬で生み出すなんて、いったい何をしたんだ!?

――――いや、今はそんな事を考えるのは後だ。


状況は圧倒的に不利。ヴェイルの称号の力は凄まじく、既に2000を超える先史種(エンシェント)が生み出されている。今の所はまだ知能が低いのが幸いだが、それもいつまで保たれるか。


《こうなったら、ワタシも人形(ゴーレム)で――――》

《待って》

《っ! カルメラ様(マスター)!》


突然、カルメラ様(マスター)が待ったを掛けて来た。


《ミカエル、1人で戦場に行くつもりでしょう?》

《えぇ、それが何か?》

《ダメだよ。僕も一緒に行く》

《っ!? ま、待ってください! わざわざカルメラ様(マスター)が出撃しなくても――――》

《この気配、先史種(エンシェント)がわんさか湧いて来てるんでしょ? 皆確かに強いけど、あのレベルの敵が次から次へと押し寄せてきたら、控えめに言って、僕が行かなきゃヤバいよ》

《…………っ!》


ワタシだってそれは分かってる。でも…………不安になってしまう。もしも、カルメラ様(マスター)が国外に出て、アデンシアの奴らに見つかったら? その上奴らが、カルメラ様(マスター)に刺客を放って来たら? そしてその中に、カルメラ様(マスター)を殺しうる存在がいたら?

――――そんな不安が、頭から離れない。


《ミカエル。君の事だから、僕の事を心配して止めようとしてくれてるんだよね? それに、何か僕の知らない事(・・・・・・・)も知ってそうだし》

《っ!》


…………本当に、カルメラ様(マスター)は察しが良い。完璧に隠しているつもりなのに、こうも簡単にバレるなんて。


《君が隠している事が何なのかは、今は聞かないでおくよ。ミカエルが話したくなるのを待つ事にする》

《…………》

《でも、仲間を助けに行くのは待ってらんない。ここで動かなきゃ、皆が死んじゃうかもしれないんだから!》

《っ!!》


皆が…………仲間達が、死ぬ?


………………。

……………………。

………………………っ!!!!!!


イヤだ(・・・)。そんなの、絶対にイヤだ!! 勇華達と戦ったあの時、ワタシは仲間を失いかけた。仲間にもう二度と会えない。その悲しみ、苦しみ、絶望は、絶対に忘れられない。あんな思いは二度とごめんだ!!


でも…………! カルメラ様(マスター)を自ら行かせるのも怖い。刺客以前に、そもそもヴェイルの力が未知数すぎる。奴自身が攻めて来たら、勝てるかどうか…………!


《何悩んでんの? ほら、行くよ!》

《え、ちょっ――――!?》


言うや否や、カルメラ様(マスター)大地を蹴って空に飛び出し、ヴィオンド帝国へ向かって飛翔を開始する。


《ミカエル、君は敵が未知数だから怖いんだよね? でもそれを言うなら、僕達の力だって未知数だよ》

《え?》

《僕達は2人。2人の力が合わされば、それは大きな力になる。ただ2人分の力を併せるだけじゃない。増幅して、大きくなって、未知数の力になる。僕達2人なら、ヴェイルにだって勝てるよ!》

《っ!!》


合理的に見れば、その言葉には根拠は無い。でも、ワタシの心に大きく響いた。

…………そうだ。ワタシ達は2人揃えば、色んな事が出来る。あの勇華だって、我々2人で倒したんだ。ヴェイルだろうが刺客だろうが、我々2人の力を併せれば、必ず勝てる。カルメラ様(マスター)の命は、ワタシが守る!


《…………申し訳ありません、カルメラ様(マスター)。ワタシも覚悟が決まりました。皆を、助けに行きましょう。我々2人の力で!》

《良いね、それでこそ僕の相棒だよ! っ! 見えて来たよ》


桃華が歩いて数日掛けて歩いた道を、ほんの数分の飛翔で渡り切った我々は、改めて現場の状況を目にする。『終炎』の海となっている南西方向以外の所で、先史種(エンシェント)が次から次へと生まれている。


《これは、”幻想剣舞(ファンタジア・ダンス)” で片付けるのが早そうだね。『黎明(・・)幻想剣』!》


『赫灼幻想剣』に『闇魔法』をも統合したスキル『黎明幻想剣』が発動する。


《一気に殲滅なさるおつもりですか?》

《うん! 倒すなら早い方が良いでしょ?》

《となると、下手に動かれると危険ですね。全員、その場から離れないでください》


ワタシは ”念話(コール)” で、全員にその場から動かないよう呼びかけた。これで誤って、味方に攻撃が当たるリスクを無くせるだろう。指示を出すと同時に、幾千もの ”黎明幻想剣” が顕現する。


《ついでに、『虹炎』融合!》


ワタシはカルメラ様(マスター)が手にした称号『カオス』の力で、 ”黎明幻想剣” に『虹炎』を融合する。『虹炎』の影響で、”黎明幻想剣” は虹色に輝き始めた。


《ありがとう、ミカエル! 後は任せて。”幻想剣舞(ファンタジア・ダンス)”!》


虹色に輝く ”黎明幻想剣” 達が、生まれたばかりの先史種(エンシェント)達に向かって飛んでいく。帝国の北西、南東方面の森、そして帝都に生まれていた何千もの先史種(エンシェント)達が、虹色の剣に貫かれ、或いは爆散していく。


「何だアイツは? ミカエルさんの隠し玉か?」

「と言うか、ご本人じゃないっすか?」


アルトさんとスララさんの声が、地上から聞こえてきた。どうやら相当混乱しているらしい。まあ当然だろう。いきなり先史種(エンシェント)が何千も消し飛んだのだから。


《どちらも正解、と言えますね》

「「??」」

《1つだけ、断言できる事が出来ます。もう我々に負けはありません。何故なら私の主様(相棒)は、最強ですから》

《やだなぁ、もう。最強だなんて! 改めて見ると、アルトさんだってメチャ強だよ》

《…………あんた程じゃねーよ。って言うか、もしかしてカルメラさんが来てるのか!?》

《え、そうだけど?》

《動けないんじゃなかったのか?》

《あ~、それなんだけど…………ごめんなさい、実は嘘なんだ。本当は色々あって、外に出るとマズかったんだよ》

《成程、のっぴきならない事情があったってわけか。それを差し引いても、大将自ら出撃とか、ビックリだぜ》

《そんなにおかしな事かな? 仲間のピンチなんだから当然だと思うけど?》

《それは――――いや、ふふ。そうだな! 助かったぜ大将。正直、あの数の相手は俺達でもキツかったからな》

《ありがとうございまっす!》

《2人も皆も、無事で良かった! でも、まだ安心は出来ないよ》

《えぇ。これだけ派手にぶちかましたのですから、そろそろヴェイルが自ら出て来るでしょう》

《だろうな。で、どうする?》

《僕とミカエルで、ヴェイルをぶっ飛ばす! けど、その間にも先史種(エンシェント)が生まれてくるはず》

《ですので皆さんは、闇魔人形(ダーク・ゴーレム)達と共に、そちらの対処を。よろしくお願いします!》

《了解!》


ヴェイル。どんな強敵かは知らないが、来るなら来い。我々の力で、返り討ちにしてくれる!

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