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GDE  作者: ゆくえ知らず
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謎は解けたが、しかし

「―I love― you―」

「尾崎豊の『アイラブユー』だ」と、野中さんが頭から手を離してつぶやいた。

 夢ちゃん先生が頷き、そして歌い続けた。美しい旋律の、そして悲しい歌詞だった。夢ちゃん先生の声は透明で、悲しげな歌詞に感情をのせることもなく軽やかに流れ、まるで風のように僕たちを包んだ。演奏が終わっても誰も口を開かなかった。

 いつの間にか体育館全体が静まり返っていた。野中さんと田崎の嗚咽を合図に、僕たちが拍手をすると、体育館のコートの方からも盛大な拍手が聞こえてきた。

「だれだれ誰なの?」と言いながら、何人もの生徒が下がった緞帳の脇からステージに登り、僕たちのいる舞台袖を覗きに来た。

彼らは、グランドピアノに向かう先生を見つけると、「夢ちゃん先生だ」と声を上げて取り巻き、「すごい素敵だった」や、「泣けたー」などと言っている。

「ね、先生。何やってたんですかぁ?」

その中の一人が聞いた。

「タイムカプセルを開いてね、昔の恋を覗いていたのよ」

 それを聞いて数人の女子が顔を赤くして悲鳴を上げた。

「私にも、今のみんなみたいな時代があったってことよ。さ、練習に戻ってね」

 運動部の連中がいなくなると、夢ちゃん先生が僕たちに向き直った。

「ありがとう、心が軽くなったわ」

そう言いながら頭を下げた先生を見てしかし、僕は不安になった。

「冬也」さんはどうなってしまうんだろうか。


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