第十六話
さて、またまた別視点。
今回は誰が視点かな?
俺は、どうしても気になっていた。
今、俺の隣に座る男。
最近になって、俺達の仲間入りを果たした、この男。
何者か分からない、素性の分からない男。
そう、奴は自分のことを何一つ話さない。
奴は此処では「斎藤(仮)」などと名乗ってはいるが、自分で(仮)を付ける位なのだから、きっと偽名なのだろう。
嘘のつけない潔さは、他の部分にも見受けられる。
だから適当なことを言い振らさず、全て「黙秘」を貫いたのだろう。
分かっている。
分かってはいるのだが。
俺は正直、この男を信用していない。
リーダーは信用した上で、仲間に入れたのだろうが……。
俺は、あの場で殺した方が得策だったのでは、と考えてしまうのだ。
もしかしたら、厄介なことに関わっているかもしれない。
だからリーダーに申し出たのだ。
この男を見張り、指導する役割を。
リーダーは「見張りは必要ない」と言いたげだったが、「早く仲間に溶け込ませるための指導だ」と言えば、折れてくれた。
と言う訳で、俺は黙って奴を観察、そして監視しているつもりだが。
この男は、また黙り込んでしまう。
俺も会話が苦手だから、一体何を話したら良いのか分からない。
だが会話がなければ、奴の素性は疎か、性格すらも分からない。
……取り敢えず、奴はリーダーよりも俺に怯えていることは態度で分かったが。
一体、どうしたことだろう。
もし、この男が厄介者だったら。
早急にリーダーと、処分について話し合わなくてはならないのに。
そんなことを考えている内に、一日が終わってしまった。
珍しく、彼が視点でした^^
楽しんで戴けましたか?




