第189話 男同士のラーメンからの互いのお願い
「ふう、夜中のラーメンって本当に美味しいですねアマーティンさん」
「うむ、寝室を抜け出して食べるのは最高じゃハルクよ」「わかります」
「特に妻の目を盗んでな!」「めっちゃわかります、悪い事しているみたいで」
と陛下が帰る前に、
メールで連絡がありタワマン外のラーメン屋『黒猫軒』で落ち合った僕と陛下、
一応、陛下の護衛には忍びの黒猫がわからないように着いて来てたので大丈夫。
(治安も良いからね)
僕は僕で姉上との2人身内パーティーを、
聞いていたとはいえ途中の大乱闘でめちゃくちゃにされたので、
まだちょっとお腹に余裕がある、あっひっくり返った食事はウェアウルフが美味しくいただきました!
「このスープが良いのお」
「栄養士に怒られそうな美味しさですよね」
「それにしても、ここの黒猫の万能さよ」「最上位種ですから」
それにしても、と呟きながらラーメンをすする陛下、
すでに箸の使い方も慣れてくれたらしい、それはそうと、
ここへこうして秘密裏に会ったには、互いに1つ、お願いがあってのこと。
「さてハルク殿よ、ひとつお願いがあるのじゃが」「はいはい」
「国営放送は色々と思うところがあっての」「真面目_過ぎるとか、ですか?」
「逆になんじゃ、あのエルフチャンネルとかいうのは」「ごめんなさい夜中は女エルフの裸ばっかりで」
これエスカレートする前に規制しなきゃ、
いや年齢視聴制限は付けてはいるんだけれども、
ああいうのは保護者が居なきゃ、あってないようなものだ、個人的にはそこが良いんだけれども。
「あれを国中へ普及させたい」
「わかりますわかります、ウチの宣伝にもなりますし」
「ほう、では何とかなるのか」「そこそこ時間がかかりますね、お金も」
電波塔に関しては黒猫獣人AIアンドロイドを経由させれば良い、
ここから王都まで、その間の街に点在させれば電波は繋がるしあとは、
めっちゃ魔石を取られるが黒猫人工衛星で電波を飛ばす手もある。
「今すぐは」
「まあ陛下の分とか、2・3台なら」
「では持って帰れるのか」「テレビにバッテリーも持って行って、繋げれば」
向こうで国営放送の撮影や録音もあるからね、
黒猫獣人AIアンドロイドはどっちみち何体か駐在させないと、
陛下の王都へ帰るのに同行させよう、あっちに我が辺境伯家の屋敷(別邸)があったはずだからそこを拠点に。
「ありがたい、あれはもう必需品じゃ」
「……その代わりと言っては何ですが」
「なんじゃ、あつっ」「あっ餃子がまだ早かったみたいですね」
ちょっと舌をやけどしたみたいけど不敬じゃないよね?
「申せ、聞くだけ聞こう」
「はい、陛下が王都に帰った後、実は正式にプロポーズしようとしている相手が居まして」
「……宰相からちらっと聞いたな」「お許しを」「物議を醸すぞ」「構いません、これは僕の覚悟です」
デザートの杏仁豆腐が早めに出ちゃった、
舌をお水で冷やしたのち、美味しそうに食べる陛下。
「まあ、こっちの事は任せる、その件もワシからの特例で籍を入れる事は許そう」
「ほ、本当ですか?!」「ただ、相当な変わり者として見られるぞ」「構いませんっ!」
「ならばわかった、ハルク殿は本当に、底知れぬ男だな」「みんなに助けて貰っているだけです」
そう、フィーナさんに、アイリス姫に、
もっと言えばハルクひい婆ちゃんに、更には、
秘宝すなわち僕のための、黒猫獣人AIアンドロイド(メス)のみんなに……
「結婚式、楽しみにしておるぞ」「はい陛下」
「あと明日の朝、出発前に大切なことを告げる」「は、はいっ」
「覚悟しておくように」「ど、どんなことですか」「お楽しみじゃ」
いったい何を言われるんだろう……
(辺境伯以上の地位とか、そんなのかな)
僕は僕で、
肩書きなら辺境伯あたりで丁度良いのに、
公爵とかになったら議会に出なくちゃいけなくなっちゃう。
(あっ、こっちでも造るかあ議会)
それはそれで面白そう、
という感じで陛下もついにお帰りです、朝には。
ちなみにラーメン代は当然、僕の奢りでした!!




