第169話 黒猫遊園地からのやばいやばいやばい
「ガーベラさん、せっかくなんであそこへ行けます?」
「はい、本来は迂回して元の地点に戻るのですが、特別に」
従業員以外進入禁止の表示がある道を進む、
その先は黒いお城だ、きらびやか、夜はライトアップされそう、
トンネルを抜けると、あっこれ遊園地のバックヤードだ、いかにもそんな感じ。
(ずらーっと黒猫獣人が並んでる)
従業員がいっぱいだ、
ジープから降りる僕ら。。
「ええっと、裏口からごめんなさい」「いえいえ」
「ハルク様、お城の裏ですわね」「ふむ、道具が沢山あるが」
「ある意味、見ちゃいけない部分です、でガーベラさん、この従業員は」
色々と着飾っている。
「接客係ですね、こちらからべラッキーマウ、ベラミニーマウ、ベラルドダッ、ベラルート、ベラプーさん……」
「待って待って待って待って待って、やばいやばいやばいやばいやばい!!!」「みんな黒猫獣人ですよ?」「で、でもさあ」
「別にネズミや犬や熊ではありませんから」「うーん」「ハルク様、何を焦っておられるのですか」「命知らずのデスゲームってやつかな?」
異世界じゃなきゃ確実に怒られるねっ!!
「そんなにまずい話なのか」「いやまあ、これ以上は触れないでおきましょう」
「正面入口へ続く通路はこちらです」「あっはい、じゃあべラッキーさん、また」「ハハッ!」
「ひいいいいぃぃぃ」「ハルク、変な声を出すな」「ハルク様、何に怯えてますの?」「いやまあ、ね」
前世に、とは言えない。
……後で名前を修正しておこう、
ベラッキ、ベラミニ、べラック、ベラートならいいよな?
(あとはベラプならなんとかギリセーフ!)
いやほんと、
AIにお任せすると、
こういう危ない橋を渡るんだった。
「さあ、正面入り口です、駅から出てすぐの予定ですよ!」
「あっほんとだ、自動改札がいっぱい並んでら、で直で遊園地」
「なんか凄い物がありますわ」「そうだな、巨大な黒猫獣人の生首が回っているが」
しかも口や両耳から水を出しているという、
いやこれ映えるか? ある意味でまあインパクトはある、
そして入場も自動改札か、って駅のと一緒には出来ないのかな。
(あっそうか、並ぶスペースが必要か)
まさに超人気遊園地予定だな。
「ガーベラさん、例によって入って早々、お土産売り場ですか?」
「それもありますが入らなくてもありますよ」「あっ、ほんとだ!」
「ふむ、園内に入らなくても駅から出て横へ行けば土産だけ買えるのか」
ていうか儲ける気満々だな、
さっきのサファリパークも駅の中でグッズ売っていそう、
真夜中に行っても自販機で買えたりとか、いや遊園地の方は24時間営業もイケる?!
「ではハルク様、早速、お土産を」
「帰りじゃ駄目?」「早く見たいですわ」
「ハルク」「ううっ、別に他に客居ないのにい」
ということでまたもや散財、
売り上げの一部はもちろん利益になる、
だからトータルで見たら僕らは割安で買えている、はず。
(ということで、ほとんどの購入品をまたもや黒猫ドローンで運びまして……)
僕らは黒猫耳カチューシャを頭に装着して入園、
入った所でパレードやショーの予定時間が映し出されている、
そして裏で見たキャスト黒猫が着飾ってお迎え、うーんフレンドリー。
「お邪魔しますですわあ」
「ふむ、なかなか様になっているな」
「ええっと、おふたりに質問というか疑問なんですが」
首を傾げる正妻と側室様。
「何ですのハルク様」
「どうしたんだハルク」
「普通の黒猫獣人が着飾っただけですよ?」
特に着ぐるみでもないし。
「ハルク様、こういうのは気分の問題ですわ」
「そうだ、せっかくもてなしてくれているのだぞ?」
「だからってハグする程では」「園長、ハルクパークテレビで特集を組んで放送しますから」
あー、それでスターにするのか、
アニメなんかも造ったりして、いや大丈夫か?
にゃんこキッズが対抗意識を芽生えさせそうだけど。
(ていうか、姫やティーナさんの方が僕より大人ってか)
出された料理は美味しく食べましょうみたいな……よーし!
「ベラッキ、こんにちわ!」
「やあ、僕はべラッキー、ハハッ!」
「……ガーベラさん、これに関しては後で詰めましょう」
いくら異世界でも、
相手が巨大過ぎるっていうか。
「では園長、いえハルクさん」
「なんですか改まって」「こっちの女王様に会いましょう」
「ええっと、本来の予定ではアレだった」「そうです、ある意味でこの遊園地の園長でもあります」
だから僕を言い直したのか、
うん、当初のAプランその設定が生きているなら、
きっと僕の思い描いていた黒猫獣人が待っているはずだ。
「じゃあみんな、アトラクションは後にして、みんなでご挨拶に行こう!!」




