第166話 婚約者の紹介からの民衆に応える
コンコンッ
「あっはい」
「失礼して良いか」
「どうぞフィーナさん」
母上との感動の対面?
も落ち着いた所で入って来たのは、
姫とフィーナさんだ、扉の向こうではイザベラさんが待機。
(そして母上の前でお辞儀をするアイリス姫)
凄く丁寧にご挨拶をしている。
「改めまして、ハルク様の正妻となりますアイリス=アルグリーアですの」
「はい、あの、その」「母上、アイリスは13歳の誕生日に2年早い結婚式を僕と挙げるんだ」
「よろしくお願い致しますわハルク様のお母様、お名前は」「はい、マジェリと申します、メイドです」
母上も深々と頭を下げる、
名前的にマジェリ=ウィリアヒルになって欲しいんだけれども、
それには色々と心を解きほぐす必要が、結婚式までには何とか、出来る限り命令はしたくない。
「続いて母上に紹介するのが僕の側室です」
「フィーナと申します、アイリス姫の側近、世話役、臣下、近衛兵、身代わり、メイド、全ての役割を担っております」
「まあ、それはそれは」「ゆえにハルク殿の側室となることで、姫を一生支える事が出来ますゆえ、以後、お見知りおきを」
このあたりの関係、
母上にもしっかり教えておくべきかな、
たまにわけのわからなくなる三角関係について。
(三竦みとでも言おうか)
アイリス姫は僕が好きで好きで僕の命令に何でも従う、
僕はフィーナさんが好きで好き過ぎて、どんな命令をされてもフィーナさんに従う、
フィーナさんはアイリス姫に一生の忠誠を誓いどんな命令であったとしてもそれに従う。
(いやこれ、ややこしいし無限ループしないように誰かが妥協したりする)
実はこの関係、
最近は嫌いじゃないんだけどね、
結婚式の頃にはとても良いバランスになっていると良いんだけれども。
「それでアイリス、フィーナさん、母上は正式にこの屋敷のメイドになったよ、とりあえず」
「まあ素敵ですわ、では7日に1度はこちらへ来ませんと」「そうだな、ここで過ごすのも悪くない」
「僕の部屋もありますからね、部屋割りなんですが」「それよりハルク、外だ」「えっフィーナさん、外?!」
言われてテラスの出ると、
広場が見渡せて旧領民が集まってくれている、
新城塞都市のお爺ちゃんお婆ちゃん9人も居るな。
(地下鉄で来てくれたか)
そして僕の背後からもう1人。
「ハルク、私、こっちで良いの本当に?」
「姉上、まあ良いでしょう、あっ母上、一応は姉だったリリアです」
「リリア=ウィリアヒルですわ、出戻りですわ」「僕の母上に何かしたら車輪刑だからね」「ひっ」
こっちの世界で通じたっけ車輪刑。
「ハルク様、民衆の皆様にお応えに」
「うん、とりあえず手を振ろう、ってみんな喜んでいるな」
「当たり前だろうハルク、崩壊した城塞都市がこうやって復活したんだ、新領主のおかげでな」
……なんだか色々と救われた気がする、
どうせ父上や兄上の味方だった住民も居るんだろう、
そういう人達は僕の事を一生、恨んで生きていくんだろうなあと。
(とはいえ、ここまで歓迎されると、あっ、ちょっと涙が)
アイリス姫と頷く僕、
そして後ろからイザベラさんと、
メイドの黒猫獣人AIアンドロイド数名が何か沢山持って来た。
「さあ、お祝いの紅白饅頭ですよ」
「えっ、これって明日の式典に出すやつじゃ」
「実は移民の大半はハルクパークのタワマンや県人会館などに」
そういや抽選で落ちてこっち来たとか言ってたな、
本当に『未来都市は嫌、昔に近い方が良い』ていう住民は、
レアな、いや長レアなケースだったのかも、それでお饅頭が余る計算か。
「わかりました、捲けば良いんですよね、ここから」
「はい、ウィリアヒル家の、ウィリパテル辺境伯の皆さんで」
「ということで母上も」「わ、私も」「あと、ぶつけるんじゃないですよ姉上」「わ、わかっているよ!」
ということで、
今日当日の住民の皆さんに、
紅白饅頭をテラスから捲き配ったのでした。
(みんな笑顔だ、うん、このドームも、隣の城塞都市も、造って良かった)
それはそうと、
両方に結構ある空き家はどうしよう。




