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捨てられ貴族の公園造り ~婚約者もメイドも寝取られ危険な荒野に追放された僕は、前世を閉じ込めた箱を開けて未来型都市公園で暮らします~ ざまぁもあるし地域猫もいるよ!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
後日談 ハルクパークに国王陛下がやってきた!

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第165話 実の母上とご対面からの一番聞かないといけないこと

「……ハルクです、母上」

「ハルク……ううっ、わ、私はっ」

「泣かないで下さい、あとこうしてきちんとした対面が遅れたことをお詫びします」


 まあもっとも、

 母上側の覚悟の問題だったらしいけどね、

 心の準備のため、わざと一緒の空間を造りはしていたけど。


(でも、ようやくこうして向かい合えた)


 場所が父上の部屋っていうね、

 いや間取りとか机とか同じってだけで、

 家族の肖像画とか、そこまでは再現してないけど。


「私は、そ、そのっ、母上だなんてっ」

「母は母です、僕を産んでくれた、そうですよね?」

「そ、そうですけれどもっ」「父上に、酷い事をされたんですよね」


 子供だけ、赤ちゃんだけ取り上げて後はもう用済みみたいな。


「それでも……このお屋敷を観て、いつも観て、いつか、いつかはと」


 ここじゃない、なんて無粋なことは言わない。


「ならいつも見守ってくれていたんですね、ありがとうございます」

「……何も、してあげられず、母だなんてっ」「させて貰えなかっただけでしょう」

「だから私は、そ、そんな、おこがましい」「もう、たった1人の息子なんですから、僕は」


 そっと抱きしめてあげる。


「ううっっ、ご、ごめんなさい、こんな、弱い母親でっ」

「僕も弱い息子で、申し訳なかったです、でも、もう大丈夫ですから」

「あぁ、夢じゃないかしら、こんな、こんなことなんてっ」「これからもよろしくお願いします」


 母として、そして、メイドとして。


(かといって今更、貴族になって欲しいとか言えないよな)


 おそらく本人も、

 母さんもそれは望んでいないだろう、

 ていうか黒猫獣人のヒヤリングでそのあたりは……


「それでその、今後なんですが」

「……はい、辺境伯当主ハルク様っ」

「確認なんだけど、家名って今のままで良い?」


 母上が嫌なら、まあ。


「それは、お任せ致しますっ」

「いや母上に言える権利は無いとかじゃなくって、母上の心情的には」

「……特には」「父上に対して思う所は」「……いえ、特には」「うーん」


 聞いてはいたけど、

 死んだ今となっては、

 あまり感想は無いって感じらしい。


(でもさすがにこの部屋は、思う所はありそう)


 黒猫が恨んでるか聞いたら、

 当時の感情は思い出したくないだとか、

 でも僕への愛情は持ち続けてくれていたらしい。


「なら僕がウィリパテル辺境伯、ハルク=ウィリアヒルであり続けることは」

「……その方が良いと思います」「うん、母上がそう言ってくれるなら、そうするよ」

「そんな! 私が辺境伯様に」「僕がそうしたいんだから、あとはまあ、あくまで参考だからね」


 まあこれは大丈夫そうかな、

 辺境伯の母親になったからって、

 その立場を悪く使いそうな人じゃないっていうのは黒猫獣人AIアンドロイドの感想だ。


(いや、ここは『分析』とでも言うべきか)


 ただ、それはあくまで今現在の話であって、

 人間は環境によって変るから注意とも言っていた、

 だったら僕を黒猫獣人AIアンドロイドの好きにしてって言ったらどうするのって聞いたら、


『廃人になっても知りませんよ?』


 だなんて怖い事をさらっと言っていたな、

 そういえば前世の深夜アニメでもあったなそんなの、

 人間を尻に敷く女房みたいな女性アンドロイド、ちゃんと恋人同士になってたやつ。


(人間のヒロインが凄まじい棒声優だったのは憶えている)


 あと何気に人間の妹ちゃんも人気だった、

 ……妹かあ、母上に新しい恋人とかどうだろう、

 お見合いさせて、このあたり貴族から見繕う手もあるが。


(ちょっとこの手の話は、まだ早いかな)


 母上を落ち着かせて少し離れる。


「これからはハルクパークで好きに生きて良いんですよ母上」

「……そう言われましても」「メイドに戻りたいんですよね、もうやって貰っていますが」

「はい、辺境伯様のメイドに復帰できて、涙が出た程、嬉しいです」「じゃあ勤務先も自由に選んで良いよ、いえ、選んで下さい」


 疑似再現した父上の部屋を見渡す母上。


「……このお屋敷は、使われるのですか」

「使うは使うけど、僕の屋敷にするか、新しいこのドーム都市の長が使うか、どっちかはまだ」

「懐かしさに浸りたい、少しの間でも取り戻したいので、ここで」「じゃあお願いするよ、黒猫獣人と一緒だけど」


 あとたまに鉄道警察官にも訪問させよう、

 大丈夫とは思うけど防犯は大事だからね、

 それより一番大切なことを、きちんと聞かなくっちゃ。


「わかりました、ありがとうございます」

「それでその、改めてというか今更かも知れないけれど」

「はい」「どうしても母上の口から聞きたいことが」「何でしょうか辺境伯様」


 少し息を呑んで、

 僕はやっと、ようやく、

 一番聞かないといけないことを尋ねる。


「母上の名前を、教えて下さい」

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