第162話 サボりのドラゴンからの新入りが押し付けられた
チュンチュン、チュンチュン……
「ええっ、エンシェントドラゴンがサボった?!」
「正確には2頭、ドラールとドラルマが住民移住の運搬を拒否しました」
「なんでまた、イザベラさん」「まず今日の住民はそこまで多くはありません」
姫とフィーナさんの手作り朝食を頂きながら聞く、
昨夜の懐石は値段めっちゃ高かったからね今日は節約で、
お昼はみんな並んでPasc●のパンをはむはむかな、それよりも。
「それでも威厳のために使うべきってラジオの会談で陛下に言われて」
「はい、なのでチュルチュルゼリーで釣ったのですが、やはり新入りがするべきと」
「あっドラリンさんが来たからか」「下っ端に仕事をやらせる、エンシェントドラゴンなりのマウントですね」
じゃあサボりというより、
優劣をはっきり教え込ませるためか、
あと、そうさせる事で仲間だってわからせたいのかも。
(かといって仕事を新入りに押し付けるのは、なあ)
僕が直接命令すれば、
言うことを聞いてくれそうな気もするけど。
「いかがなさいますか?」
「おそらく立場的にそうするしかなかったんでしょうね、元貴族だからわかります」
「辺境伯では」「あっそうか、追い出されて改めて貰ったんだっけ」「おいハルク!」
軽くフィーナさんに怒られちゃった。
「罰しますか? おやつ抜きとか」
「いや、夫婦揃ってだから覚悟あってのことでしょ、信頼しましょお互いに」
「わかりました、そう伝えておきます」「えっもう?!」「……安心したようです」
あっちの黒猫AIアンドロイドと間接的に会話してたようなものか。
「では、ドラリンはどうなっておりますの?」
「はいアイリスさん、カズベラさん達が背中に座席を設置しています」
「うん、ドラゴンに乗るのは嫌だって言ってた人は?」「はい園長、陛下の命令だと伝えて何とか」
やっぱりそのレベルだと従うか、
下手すりゃ首が飛ぶからね仕方ないね、
僕もお忍びとはいえ、もっと丁寧に接しなきゃ。
(ラジオでちょっとフランク過ぎたかも)
それよりも今日のスケジュールだ。
「えっと僕はどうすれば」
「はい、お好きなように、明日は式典がありますので」
「移住者のね、ちなみに陛下は」「タワー以外の園内施設を改めて見て回るようです」
大観覧車とかか、
セクシー相撲とかに引っかからなきゃいいけど、
あれは聴覚的に子供に悪影響すぎる、下手すると、にゃんこキッズの首が刎ねられ……あ、問題なかった。
(いや、真面目に話をしよう)
陛下ももうすぐ帰るんだし、多分。
「選択肢を下さい」
「その前に奥様方に伺わなくても?」
「あっアイリス、今日は何かしたい事は」「ハルク様と行動を共にしたいですわ」
ここんとこ別行動がそこそこあったからね。
「フィーナさんは」「姫と一緒だ」
「あっ、そんなに僕と行動を共にしたいと」
「姫と行動を、だ」「……ごめんなさい」「そんなにしょげるな」
まあ昨夜はアレだったし、
最近はアイリスの寝たフリに感謝しています。
「園長、まずはドームやタウンへいらっしゃる元領民のお迎えですね」
「あっ、じゃあ場所は」「ドームでもタウンでも」「直接そっちなんだ」
「まずは住居を確定したいでしょうから」「住民カードは」「それぞれの役場に」
出張所かあ。
「他には」「サファリパークやその奥の建設を今のうちに」
「んー、またガーベラさんに投げる方法は」「構いませんが」
「あとは何が」「エルフ温泉で混浴でも」「それは今は、い、今は、ね」
ちょっと奥様方から痛い視線が、
ドワーフとはすでに……だけどエルフはまだだ、
両方と公平に付き合うためにも、いずれはね、いずれは。
「あっそういえば僕の母上は」
「希望を聞いたところ、本日からドームの領主邸で働くそうです」
「メイドとして?」「そうですね、なので正真正銘、きちんと顔合わせできるかと」
そう避けてばかりも居られないな、
いや母上に気を使ってなんだけれども、
もう、そろそろ会ってちゃんと話をするタイミングかと。
(さすがに結婚式までは伸ばすつもりは、無い)
でもなあ、もうちょっと僕の方にも心の準備を、
もちろん逃げるつもりは無い、ということで僕の今日の行動なんだけど、
結局は、提案された3つの選択肢のうち、どれを選んだかというとですねえ……。




