第158話 懐かしの再会からの食レポ
「あらいらっしゃ、ぼっちゃん?!」
「ええっと、あっ、うっすら記憶があるような」
「ルザリアでございますよ、坊ちゃんが8歳から11歳まで食事係に入っていた」
あーはいはいはい、
記憶が蘇ってきました、
当時もお婆さんだったな確か、懐かしい。
「よく御無事で」
「ええ、少し寿命が縮みましたが夫のかっこいい所が見れて、アンター!」
顔を見せてくれて一礼。
「あっどうも、じゃあ3人分、定食を」
「あいよー辺境伯様に定食3つー! にしてもここ綺麗だねえ」
「はいタワマンは慣れましたか」「綺麗過ぎて目がチカチカしてるよ」
ちなみにこっちはレジデンスロイヤルの方ね2棟目、
61階建の陛下の別荘がある方、治癒教会という名の病院が近いから、
結構繁盛しているみたいだ、テレビでも現に今、このお店の入口が、ってええっ?!
『アヤッペでーす!』
『スミッペでぇーす!』
『リッ、リリッペでえす!』
これ生中継か!
『『『3人合せて、ラブライスでーーーっす!!!』』』
なんなんだよあの、
胸にご飯のイラストのTシャツは!
『本日はここ最近話題のアイリス治癒教会近くにあるー……』
『定食ルザリアに来ています、とっても健康に良い定食屋として今、話題ですよ~』
『では、早速入って……ってハルクぅ?!』
テレビと店の入口、
両方から声が聞こえているや。
「ど、どうもリリッペさん」
「おやまあリリアお嬢様、嫁いだはずでは」
「い、今はその、リリッペです、ではそのあの」
あーあー、
リポーター失格だなこれ、
あとでマネージャーとプロデューサーに怒られるが良い。
(あと、にゃんこキッズにシメられそう)
慌てるアヤッペとスミッペ。
「このお店では最近人気の定食があると聞きましたわ」
「なんでも『ごはん定食』という、お願いできますか?」
「あいよーごはん定食3つねー、それにしてもリリアお嬢様、その恰好」
うん、公開罰ゲームだね、
でも姉さんはまだ比較的若いから、
あとの2人は、マニアには喜ばれそうっていうか。
(最近、ウェアウルフには人気らしい)
先に僕らの定食が運ばれてきた、
持ってきたのは感じからして娘さんかな、
僕らのはごはんじゃなくパンだよ、そしてスープにお肉にお野菜に果物。
「それではハルク辺境伯」
「えっアヤッペさん、僕っすか?!」
「カメラに向かって、食レポをそうぞ!!」
僕がするんかーい!
テレビカメラを持った黒猫獣人、
いやあなた視線で中継できるでしょうっていう、目の内蔵カメラで。
(画質が違うのかな)
まあいいや、
食べて褒めれば良いんだよなコレ。
「うん、出来立てパンのふっくらさと、
濃厚クリームシチューの組み合わせが絶品だね、
あとこの魔物肉の重厚さよ、サラダを間に挟むと健康になる感じがする」
などと適当に感想を、
フィーナさんアイリス姫も続けて食べる。
「ふむ、このパンは王都でもなかなか見ない手造りだ、美味いな」
「素晴らしいですわあ、これは貴族から庶民まで、そして亜人まで皆さん美味しく感じられますわね」
「あっラブライスの皆さん、ごはん定食が来ましたよ、お味噌汁の良い匂いが」「で、ではこのアヤッペがまずは」
ごはん定食ってようは和定食だ、
懐かしい感じだなあ川魚が焼いてある、
そしてお箸を上手に使って、美味しそうに食べ始めた。
「まあ、このお米はやはりハルクパーク産! 心に沁み渡る美味しさだわ」
他の2人も食べる、
やはり姉さんもといリリッペは箸の使い方が下手だ、
まだ新加入だからね、でも味は確か……なはず、ていうかお茶も美味しそう。
「やはりお米は力の源、午後のダンスレッスンも頑張れます!」
「こ、これがハルクパークの味なのですね、きっ、気に入っちゃいました」
「おやおや嬉しいねえ、さささ、ご飯のおかわりもあるから、たんと召し上がれ」
ルザリアさんも、
奥の旦那さんも満足そうだ、
決して立地勝ちじゃない、実力で美味しい本物の定食屋……
「うん、姫もフィーナさんも、週に1・2回はここで食べましょう!」
と、しっかり宣伝した僕なのであった、
テレビを見るとお店情報が流れているな。
(こういうのを、移住してきた旧領民に受け入れて貰えると良いけど)
で、お昼ご飯の後は、なんだっけ。
==============================================
一方その頃、とある公園では……
「新商品のレーズンロール、美味しいわね」
「はいスージー様、こちらのカンパーニュというパンも」
「あっ、雨が上がったみたいね、ケティ」「では午後は掃除を致しましょう」
新しい食と職を手に入れた元婚約者2人であった。




