第156話 ロルフドームからのウィリパテルタウン
「おお、この銅像は!」
「園長のひいお爺さん、ロルフ=ウィリアヒル像ですよ」
「中央広場にこんな銅像が」「旧ゴーレムの見た記録から作成しました」
と朝からやってきたドーム都市、
まだ雨は残っているが午前中には止むらしい、
ともかくガーベラさんが完成させたと聞く2つの都市を2人の婚約者と観に来た。
「かっこいいですわあ、ハルク様には負けますけれども!」
「えっ、銅像はともかく僕に勝ってる要素って、どこかある?」
「ハルク、姫がそう言っているのだ、ありがたく受け取っておけ」「あっはい」
にしてもこの広場も、
もはや懐かしいなあ面影がある、
もちろん縮小はしているんだろうけど。
(昔の婚約者2人と通った思い出がちらほら)
そういやあの2人、今はどこで何をしているんだろう?
黒猫獣人AIアンドロイドに聞けば教えてくれるだろうけど、
あっさり『とっくに死にましたよ?』な可能性がめっちゃ高い気がする。
「で、この先が領主邸です」
「えっガーベラさん、元のより結構省略してません?
「部屋を減らしましたから、以前の館の必要な部分だけ残してあります」
ということで中に入ると……
「「「「「「「「「おかえりなさいませハルク様」」」」」」」」」
「うわ、メイド服の黒猫獣人が9人も!」「名前はすでに適当に付けました」
「メイド長のマホロベラです」「副メイド長のサクヤベラです」「同じく副メイド長のシャロベラですわ」
あっこれは、
これ以上はいけない。
「ハルク、何を焦っている」
「いやなんでも」「初めましてですわアイリスですの」
「はい、私はミルクベラです」「ええっと僕の部屋はどこですかー」
メイドに気を取られてないで、
玄関の中とか階段とかほんっと昔の感じだ、
ただやっぱ広さは少しコンパクトになっているな。
「ハルク様の部屋は」「こちらになります」
「ありがとう、ええっとその髪色は」「ラムベラです」「レムベラです」
「……わあ、ベッドも再現されてるう!」「だからハルク、なぜ汗を」「こっちが婚約者の部屋の、はず!」
入ると、うーん、
スージーの部屋なんだけど何か違う、
まあわかる、スージーの好みにカスタマイズされてないからね。
「こちらがわたくしの部屋ですの?」
「そ、そうだね、ってこの屋敷の主人が僕ならそうなる」
「ハルク、ではここは別荘にするか」「んー、とりあえずは?」
別荘という意味では同じハルクパーク内にアイリス城があったが、
あそこは今やもう、すっかり『泊まれる観光施設兼ゲストハウス』になってしまった、
こっちの新領主が決定したら、ここに住まわせたいんだけど、うーん、僕が使うのも悪くは無い。
「園長、ちなみに領主の部屋は別に」
「あっそうか、父上の部屋があるのか」
「あくまで新しい『領主』の部屋ですよ」「この街のね」
そういう方法もあるな、
新領主に住まわせつつ、
僕も泊まる……いやそれお互いに気を使いそう。
(下手すりゃ気まずいぞ)
まあ、ここ『ロルフドーム』の町長次第だな、
ということで更にお屋敷を上がる、ここで気付いた。
「なるほど、兄上や元姉上の部屋が無い」
「ただ宝物庫は再現してあります」「ああ地下の、秘宝が置いてあった」
「元の辺境伯領で盗まれた宝石も一部、置いてありますよ」「アヤッペ&スミッペが盗んだんだっけ」
報告は聞いた。
「ハルク、一部ということは」
「残りはええっと」「アイテムとして秘宝の中ですよ」
「えっいつのまに」「我々の方で」「じゃあ出そうと思えば」「ええいつでも、今でも」
後で確認しよう、
ということで父上の部屋だった場所へ、
こっちはちゃんと面影があるな、ただやはり私物は無い、当たり前か。
「わあ、街が見渡せますわあ」
「ふむ、ドームが閉まっているので空は見えぬが」
「ですね、まあ外はまだ雨ですし、って確かに以前の家な感じはしますが、完全再現じゃないですよね?」
縮小版とはいえ。
「はい、過去の街を参考に、詳細に再現すると『これは俺の家だ』『私の家が消えている』と、揉め事に」
「なるほどガーベラさん、そこはやはり1度リセットというか、ということは次の街も」「そうですね、中心部分以外は」
「じゃあ次の街へ、今度は空の見える、ええっと」「ウィリパテルタウンですね、こちらの隠しエレベーターをどうぞ」「おお、かっこいい!!」
本棚がずれてエレベーターが!
6人乗りか、降りると地下まで繋がっていて、
秘密通路を通った先は……地下鉄の駅に繋がっていた。
「これ便利ですが、危なくないですか?」
「特定の人しか通れませんよ、今は園長とその奥様が登録されています」
「じゃあこの自動ドア、僕らのうちだれかでないと」「開きません、登録は増やせますよ」
あと多分だけれど、
黒猫獣人AIアンドロイドも単独で通れるんだと思う。
「いらっしゃいでごぜーますよ」
「ウィリパテルタウンまで出発しまーーー!」
「出たな『になかお』の2人」「宇部来花でごぜーますよ?」「真壁ラクシュミでーーー」
うん、ちゃんと名前を憶えてあげなきゃ。
「ポスター出来てるでごぜーますよ」
「駆け込み乗車は駄目でーーってやつでーー」「あっほんとだユニット名も」
うん、あくまでも『2仲尾』の2人組だ。
「ライカだったか」
「そーでごぜーますよフィーナおねえーさん」
「猫獣人なのになぜ猫のパーカーなのだ」「着ぐるみのかわりでごぜーます」「???」
ということでまだ開業前の南北線に乗り、
さあ次の駅、次の街『ウィリパテルタウン』へ行こう!!




