第150話 僕からの呼びかけ
「ええっと旧辺境伯領から時間を経ていらしたみなさん、僕です、ハルク=ウィリアヒルです」
ベラドンナさんに向けて話す僕、
とはいえこの場合はカメラに向けてと同じだ、
なぜならハルクパークテレビで放送されるメッセージの収録なのだから。
「まず昔の辺境伯領に似た都市を造っています、サイズは少し小さ目、
そして今回は魔物に襲われても良いように城塞都市ではなくドーム都市にしました、
魔物は基本的に街には居ませんが、地下鉄という施設に鉄道警察官という黒猫獣人が……」
あれ、放送する時には完成してるんじゃ?
と思ったらフィーナさんアイリス姫がテレビを見ている、
これひょっとして生放送?! 急に緊張するな、まあいいか。
(カンペを読むだけの簡単なお仕事です)
ベラドンナさんが両手で持って、めくってくれる。
「更にドーム都市は圧迫感を感じる、
本当に昔のままの生活がしたいという方のために、
もっと先に以前の城塞都市を造ります、が、こっちも少し小さ目です」
このあたりは色んな人のライフスタイルに合わせたい、
完成したらまだ来ていない旧領民も戻って来てくれるはず、
フィーナさんによれば『関係ない人間』も沢山来るだろうと、移住しに。
(現に孤児院がそんな感じだ)
おっと大切な告知に入る。
「そこで自由に商売をして頂いて構いませんが、
ハルクパークでは従業員やアルバイトを募集しています、
ご相談は各街の商業ギルドにて、多種多様なお仕事がありますよ!」
すでに僕の実母がメイドに復帰しているし、
本人の希望でどこに居るかは教えて貰えないらしいが……
いや、どうしてもというのであれば園長命令いや領主命令か、で会えるらしいが無理強いはしたくない。
(おっとシメに入らないと)
最後のページみたいだ。
「この街はもう魔物に襲われる心配はありません、
もし襲われても僕が全員、必ず守りますから安心して下さい、
そして今度こそ、幸せな日常を過ごして下さい、以上、ハルク=ウィリアヒルでした!」
ぱちぱちぱち……
アイリス姫とフィーナさんが拍手してくれた、
その音が入って生中継は終了したみたいだ、良かった。
「園長オッケーです、素晴らしかったですよ!」
「あっはいベラドンナさん、国営放送には負けていられませんね!」
「それが、あちらはお忍び陛下と宰相閣下の会談が放送されています」「えええ」
そりゃあ勝てない、
いや張り合ってどうする、
規模が辺境伯領か国かの違いなだけだ。
「そ、それでどんな話を」
「かいつまんで3つ程、まずここは緑が豊かで温泉もあるが、普通の湖が少ないと」
「あっそうか、噴水とかはあるけど、うーん、まあそれはサファリパークにでも造るか」
池に住む魔物も放そう。
「続いてこれだけの規模なら貴族は複数必要だと、辺境伯だけではなく」
「ドワーフ国王やエルフの村長さんは居るけど」「陛下公認のきちんとした貴族でしょう」
「アイリスの実家から連れてくるとか?」「邪魔されたくありませんわ」「なら自前で何とかするかあ」
……ちょっと思いついたことが、
いや認めて貰えるかどうかわからないけれども。
「最後にこれだけの辺境、ならではの施設が造れるのではと」
「たとえば」「世俗と隔離された修道院とか」「教会はあるけどなあ」
「ハルク、そもそもここは追放地ではなかったか」「はいフィーナさん、じゃあ、陛下の許可は要りますがアレを造りましょうか」
ということで、
アマーティンさんと宰相閣下のトークを参考に、
更なる施設に思いを巡らせ、実行へ移す僕なのであった。
「園長、魔石も稼がないと」
「そうだね、新入りのドラリンにも働いて貰わないと」
「さてハルク、もうテレビを変えて良いか」「あっはい、他の番組を」
国営テレビが陛下と宰相のトーク特番、
ハルクパークテレビが僕からの呼びかけ、
裏番組は、ドワーフチャンネルは酒造りか、エルフチャンネルは……って、えええええ?!?!
(エルフの女性が、温泉に浸かってるううううう!!!!!)
※撮影のためにバスタオルを着用しています
……下手すると一番視聴率が高いのは、ここかも知れない。
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一方その頃、とある公園では……
「うう、ケティ、最近寒いわね」
「はいスージー様、最近ずっと雨で」
「でも、でもきっと助けてくれる、きっと、きっとハルクなら……!!」




